あなたの目標や目的は?資産形成はゴールセッティングから始めよう
人によってそれぞれライフスタイルが違うように、お金が必要になるタイミングや、いくら必要になるかも人それぞれ。生き方に合わせて家計を管理し、資産設計していくことについて、専門家に聞いてみました。
教えてくれたのは…
梁取慎也さん アイスホッケー元日本代表。現役引退後、母の死をきっかけに人生を見つめなおし、ファイナンシャルプランナー、相続診断士、投資診断士などの資格を取得。メディア出演の他、各媒体でのマネーセミナー講師も務める。
ライフイベントを想定して逆算
まず資産形成は結婚、住宅購入、出産、育児、退職など、これから自分にとって起こりそうな、もしくは希望するライフイベントを想定することから始めましょう。
将来の目的から逆算して考えると、めどが立ちやすくなります。
例えば教育資金。
一般的に一番お金がかかる大学の学費に備える場合、子どもが18歳になるまであと何年あるか、いくら必要になるか、今の家計の状況から月々出せそうな金額はいくらかを試算。
そのためには何%ぐらいで運用をしないと目的に到達しないのか、だとしたらどんな手段で資産形成をすればいいのか、など方法が絞られてきます。
銀行に貯金していてもほぼ金利の恩恵を期待できないのが現状。
効率的に資産を増やしていくならハイリスクハイリターンの株式や投資信託、ローリスクローリターンの債券なども選択肢に入れて、組み合わせて取り組むといいでしょう。
老後の資金には長期のプランで備える
また老後に関しては「2000万円必要」といわれているのも頭が痛いこと。
教育資金は教育ローン、住宅資金は住宅ローンと金融機関を頼れますが、老後ローンというものはありません。
年齢が若いうちは「老後・・?」と、なかなか自分事にならないかもしれませんが、長いスパンで考えることが必要になってきます。
老後の資金を貯めるにはいろいろな手段がありますが、一つ有効な例として、積立投資を活用することが挙げられます。
毎月の積立額は少なくても普通預金より利回りの高い運用で、長期的に大きな資産形成ができるものがあります。
これは金融機関を通じて、株や債券、投資信託などの決まった金融商品を毎月決まった額で購入、その購入するタイミングを分散することによってリスクを抑える方法です。
さらにリスクを回避するためには投資を分散させることも大切です。
1つの金融商品だけに投資するのではなく、値動きが異なる複数の商品に分散して投資を行うことで、安定的な運用を目指すことができます。
投資は目的目標をしっかりと定めた上で、そこに到達するよう運用していくことが大切。
人によって目的も条件も違いケースバイケースなので、ファイナンシャルプランナーなどのプロに相談したり、セミナーで勉強したりすることもお勧めです。
おさえておきたい!マネーのキーワード
金融リテラシー
経済的に自立し、よりよい生活を送るために必要なお金に関する知識や判断力のこと。
債券投資
国や自治体、企業にお金を貸し、利息を受け取ることで利益を得る投資方法。低リスクで安定性が高い資産形成の一つ。
NISA
投資信託や株式などの金融商品を対象に、通常の投資では収益に20%の税金がかかるものが非課税となる制度。
iDeCo
自分で拠出した掛け金を自分で運用し、将来に備える私的年金制度。掛け金が全額所得控除の対象となり、受け取るまでずっと運用益が非課税で、節税メリットが大きいのも魅力。