首元がヨレヨレになったTシャツ。元に戻す裏技は「氷水」だった
日々の天気や街のトレンド、おいしいゴハンに大人の悩み、社会の仕組み・・・1日イチ「へぇ~」なトピックスを。新進気鋭のコラムニスト、ジェーン・スーが、生活情報や人生の知恵をナイスなミュージックと共に綴る番組。
先日のメッセージテーマ「Tシャツと私」で、千葉県ラジオネーム踏み台さんのこんなメールをご紹介しました。
Tシャツの話というと、3年前に好きだった人を思い出します。
その人が「このダサいTシャツ気に入ってるんだけど、首周りがでろでろになってきたから超高温でアイロンかけて直してから着てる」と言ったとき、なんて物を大切にするんだろう!好き!となりました。
結局、共通の友人と付き合っていて、私は恋心を弄ばれただけでしたが、その人と私はファッションの好みが近く、似たような服が多かったので、今でも夏服を出すと思い出します。
「戻すことできるんだ!」と驚いたスーさんと杉山アナ。ただ、「超高温でアイロンかける」ことで本当に復活できるのでしょうか。また、ほかにも戻す方法があるのでしょうか。
ということで、詳しい方に聞いてみました!
教えてくれたのは、洗濯ハカセこと、神崎健輔さん。
Q:そもそもなぜ伸びるのか。予防法は?
神崎:そもそも着用するときに、頭が大きいから伸びているんです。洗濯後、首元からハンガーを突っ込んでしまったり。洗濯中も要因があり、縦型の洗濯機は絡まりやすい。首元が絡まると伸びるチカラが働いてしまいます。予防のためには、洗濯ネットに入れる、ハンガーは裾から入れる。優しく着用する、など。ただ、ゆくゆくは伸びてしまうものです。伸びたら簡単な裏技があるので、そこまで気にせず着用してほしいです。
Q:ヨレヨレを戻す裏技は?
神崎:寒い時はモノが縮まる現象が起こります。綿素材は顕著で、繊維が締まることで元の形に戻ろうとするチカラが働きます。そこで「首元をジャバラに束ねて15秒~30秒、氷水に入れる」という方法である程度戻すことができます。絞る時は、おにぎりを絞るように。平らなところに広げて、そのまま干すのが理想。ハンガーで干すとリスクがあります。この裏技、新品に戻るわけではないので、何度か着ていると再びヨレてしまいます。
三角神崎さんが実際に行った検証では
襟は21.5cmだったものが19.5cmに。
裾は62.8cmだったものが、55.6cmに。
洗濯ハカセのヨレヨレTシャツ復活術
洗面器に氷水を用意する。
首周りの部分をジャバラのように束ねて片手で持ったまま、氷水につけておよそ15秒~30秒ほど、ユラユラさせる。
氷水から出したら、生地を引っ張らないようにギュッと絞る。両手でつぶすようなイメージ。おにぎりを握る感覚で絞る。雑巾絞りはNG!
広げる時は平らなテーブルなどでゆっくり開く。びっといきよいよく開くと、改めて引き延ばしてしまう可能性があるため、平らな広い場所で形を整えながら開いていく。
気になるシワがあったなら、濡れたままの状態でアイロンをかけます。
テーブルに置いた形をできるだけ崩さないよう平干ししていく。ハンガーは少しリスクがあるそう。
乾いたらアイロンで整える。
杉山アナも挑戦!
↑ビフォー
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ほか、スタッフが実際にやってみたところ
八島ディレクターの場合
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首元は、25センチだったのが、21.4センチに。
裾は、55.2センチだったのが、54センチに。
首元の縦の長さを測り忘れてしまいましたが、縦にデローンとしているのが、着ていて少し恥ずかしい状態でした。それが、明らかにキュっと縮んで見た目もよくなりました。
構成作家新谷さんの場合
↑ビフォー
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「写真では少しわかりづらいですが、ヨレていた部分が直りました!」(新谷)
Q:この方法、どのようにして思いついたのでしょうか。
神崎:某テレビ局から「Tシャツの首のヨレヨレを元の綺麗な形に直す裏技を開発できないか」といった話があり、考えて、試したらうまくいきました。もともとクリーニング屋さんやっていて、冬の時期はYシャツの首元が縮みやすいとは思っていたんです。高温も若干縮まりやすいんですが、逆に緩みやすい傾向もあります。
クリーニング屋さんなら常識!というわけではなく、ひょんなことから裏技が生まれたんですね!
ラジオネーム踏み台さんのメールにあった、「超高温でアイロンをかける」も戻せる可能性はあるようですが、氷水のほうが確実なようです。
ちなみに
ヨレヨレのTシャツは天然素材100%に近いほど元に戻る可能性が高い。化学繊維(ポリエステルやアクリル)やストレッチ素材やゴム等が入った物は元に戻らない可能性が高い。
綿素材であれば、トレーナーのパーカーの首元、袖、裾も戻せる可能性高い。
いまお持ちのTシャツ復活させてみてはいかがでしょうか。
(TBSラジオ『ジェーン・スー 生活は踊る』より抜粋)