【ネタバレなし】『エイリアン:ロムルス』ラストが恐怖すぎてディズニーから拒絶されたが、「ダメってことはやるべきってことだ」と監督は逆に燃えた
『エイリアン』シリーズ最新作を観た海外批評家からは、ラストシーンについて「マジでヤバい」「驚異的」「驚愕する」「度肝を抜くラストで最高潮に達する」とのが寄せられている。思い出すだけで恐ろしい結末が待ち受けているのだが、あまりの内容に、ディズニーから“差し戻し”を食らっていたそうだ。
しかし、「ダメ」と言われたということは「挑戦するべき」なのだと考えるフェデ・アルバレス監督によって、このリスキーなラストシーンは映像化されることになった。「僕の映画には全て、第4幕がある」と、アルバレスは米に興味深い舞台裏を語っている。
アルバレスといえば、出世作『ドント・ブリーズ』(2016)のラストでは恐怖の盲目老人が隠していたおぞましい秘密を描き、忘れ難いほどに嫌〜な後味を残した。「映画が終わったと思いきや、もうひと展開があるんです」と、アルバレスはその醍醐味を語る。
こうしたラストではできる限り挑戦的なものを書き、スタジオからは断られてナンボなのだと、彼は考えている。「脚本を読んでもらって、“やりましょう!”と言われたら、それは失敗なんだと僕は思います」。「スタジオからは、“これ、本気でやるつもりですか?”と言われたい。僕の映画は毎回、スタジオとそんなやりとりが発生しています」。
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アルバレスが振り返るところによると、『ドント・ブリーズ』でも「いろいろ確認された」といい、『死霊のはらわた』(2013)の血の雨の演出でも「実現すら難しいですよ?一体どうやるつもりですか?」と戻されたそうだ。「スタジオから差し戻しをくらうと、“よし、良かった。スタジオが拒絶したってことは、これはやるべきなんだな”と考えます」。
一般的な映画の結末部分にあたる第3幕を超える「第4幕」を用意する構成について、「『エイリアン』にも第4幕があったから、うまくハマりました」と語るアルバレス。『エイリアン:ロムルス』の衝撃ラストでも、はじめはディズニーから差し戻しを受けたそうだ。
「気に入られなかったというだけではなく、“やりすぎじゃないか?本当にやる必要が?”と思われていたのです。そこで僕は、“やるんですよ。やめとけって言われたら、僕はやるんです”と。」
すぐに承認が降りるような内容は、きっと平凡でつまらない。人々に衝撃を与えるのなら、脚本を読んで仰天されるようなものにしたいと、彼は考えているのだろう。「ディズニー傘下の企業に『エイリアン』映画を任されて、“いいですね、やりましょう”なんてパッと言われるようなもんなら、そりゃ失敗作になりますよ」と続けるアルバレス。「だから本当に限界まで頑張ったんです。頑張って良かったです」。
不気味で衝撃的な『エイリアン:ロムルス』の結末について、アルバレスは「恐ろしさと激しさを感じてもらえたらと思います。映画全編にわたってそうすることもできるけど、それでは耐えられない、やりすぎになってしまうでしょう」と話す。「心臓がドキドキしたまま映画館を出てもらえたら嬉しいです。何かを感じてもらって、心に残るような感情を与えたいと思っています」。
『エイリアン:ロムルス』は上映中。
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