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船からの「アオリイカ釣り」釣具とともに進化したデイゲーム

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船からの「アオリイカ釣り」釣具とともに進化したデイゲーム

周囲を海に囲まれた我が国ニッポンは紛れもなく海釣り天国、多種多様な魚がねらえるが、同じ魚種をねらうにしても、さらに同じ釣りジャンルといえど、地方によって独特のカラーがあるのが、何より古くからニッポン人が釣りに親しんできた証拠。
「あの釣りこの釣り古今東西」第15回は船からのアオリイカ釣り。現在はエギ(餌木)単体でのティップランと呼ばれる釣り方がポピュラーになったが、かつてはエサ釣りも含めて、オフショアのアオリイカ釣りはほとんど知られていなかった。

キスねらいのボート釣りで、


試しにエギを沈めてみたら大正解!?

30年ほど前、個人的にエギを自作(出来合いの型に布を巻いて傘バリやヒレを取り付けるだけ)していたころの話…。
和歌山県由良湾にキスをねらってボートを漕ぎだし、キス釣りの合間に風に流されるボートからシャクリ型(いまでいうキャスティングタイプ)のエギをボート後方の海底に沈め、時折ロッドを持ち上げて誘いを入れながら半信半疑でアタリを待つと、500~600gのアオリイカが2杯連続ヒットして驚いたことがあった。

和歌山県の由良湾。キスねらいのボート釣りでアオリイカがヒットして驚いた

当時からエギには「曳き型」のものがあると知っていたが、この曳き型は中層をねらうタイプで、どちらかといえば漁師さんが使う漁具という認識だったし、関西の多くの釣具店では取り扱いがなかったように思う。そんな事情なので、アオリイカはエギもエサ釣りも陸から釣るものというイメージが強かった。

20年前、中オモリを使った「ディープエギング」に出会った

紀伊水道でのディープエギングは、クッションゴム付きオモリ20号にリーダーを結びエギを取り付けた(写真は第一精工製の3号。現在は10号までのラインナップ)
出典:第一精工

船から専門にねらうアオリイカ釣りに出会ったのは2005年の冬。和歌山県戸津井という漁港から紀伊水道に出船する遊漁船にて、当時、編集していた釣り雑誌の取材での話。
生きアジをエサにする方法もあったと思われるが、その日はエギでの釣りだった。方法は「中オモリ式」と呼ばれるもので、クッションゴム付きオモリ20号の先にフロロリーダーを2ヒロ取り、そこに4号のエギを結んだ仕掛。

タックルは2mクラスの船竿(大阪湾なら泉南方面でガシラやグチをねらうようなタイプ)で、両軸受けの船用リールにラインは当時の記録を見るとPE3号だった。いま思えば異様にラインが太い……。ポイントの水深は55mと記録にある。

このようなタックルでエギを中層まで沈め、そこを泳いでいるだろうベイトをイメージしながら、ときおり竿を持ち上げエギを動かして誘いを入れる。こんな釣り方でキロオーバーのアオリイカが船中10杯ぐらい上がっていた。

徳島県日和佐沖では、


生きアジをエサに好釣果

生きアジをエサにする船のアオリイカ釣りには、徳島県の日和佐沖で2013年に出会った。鼻掛けしたアジを下オモリ式の仕掛で海底近くまで沈め、跳ね上げ式の掛けバリで御用にする方法。陸からアジの泳がせでねらう方法(ウキ釣り)のオフショア版だ。
このときも数人の釣り客で大小含めて数10杯という釣果に驚いたものだ。

生きアジをエサにねらった日和佐沖では良型を大爆釣

現在主流のティップランは、


強くて細いPEラインさまさま

さて現在、船のアオリイカ釣りの主流になった「ティップラン」は、専用のエギにノーズシンカーなどのアイテムが充実。エギ単体を深い海底まで沈めアタリをロッドティップに鮮明に表現させることができるのは、ひとえに極細で強力、伸びが少なく高感度なPEラインの登場によるところが絶対なのは間違いない。

PEラインの登場で船からのアオリイカ釣りは大進化! エギ単体でのティップランは昔ならありえなかった

いつごろ誰が広めたものなのだろうか? 私が初めてこの釣りを目の当たりにしたのは2011年暮れのことだった。すでにティップラン用のエギは発売されていたようだが、まだノーズシンカーなどは、そのときに撮影した画像には残されていない…。
ちなみにハヤブサからティップラン用のエギ「超動餌木 乱舞V3 ティップランモデル3.5号(※販売終了)」がデビューしたのは2014年のこと。ティップランの歴史は少なくとも15年以上前にさかのぼると思われる……が、定かではない。

夜のイカメタル同様、スタイリッシュな日中のティップランの流行でイカ釣りがメジャーになったのは間違いない

前回お届けしたイカメタルも含め、昼夜の船のイカ釣りが、今後どのように進化するのか楽しみな一方、全国的にイカ不漁のニュースも耳にするので、末永くイカ釣りが楽しめるよう節度をもって行動しよう。

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