猫に与えてはいけない『小麦粉製品』5選 起こり得る健康トラブルとは
猫にNGな『小麦粉製品』5選!どんなリスクがある?
皆様はパンや焼き菓子、パスタなどの小麦粉製品はお好きですか?よく食べるというご家庭では、その管理方法や食べる際に注意が必要になるかもしれません。
ここでは、猫に与えてはいけない『小麦粉製品』を5つ紹介いたします。合わせて起こり得る健康トラブルについても詳しく解説していきます。
1.惣菜パン
惣菜パンには様々な食材が使われています。猫にとっては危険な食べ物を含むことが多いので、おすそ分けはもちろんのこと、盗み食いに遭わないように気をつけてください。
惣菜パンにまつわるトラブルは、次のようなものがあります。
✔小麦自体のアレルギー
✔ネギや玉ねぎなどの中毒
✔刺激物による体調不良
嘔吐や下痢、食欲不振や元気がないなど、普段と明らかに異なる様子が見られたら、速やかに診察を受けましょう。
実際に食べてしまったパンも一緒に持ち込み、どの程度食べてしまったのかも報告すると治療がスムーズに進むことが多いです。
2.ドライフルーツを使った焼き菓子
いわゆるフルーツパンやパウンドケーキなどの小麦粉製品には、ドライフルーツが盛り込まれていることが多いですよね。
ドライフルーツは猫にとっては危険の宝庫。特に危険なものを挙げておきます。
✔ブドウ…犬において腎不全の報告あり。 猫にも影響が出る可能性がある。
✔イチジク…猫にとって強い毒性あり。かぶれ嘔吐下痢を招く恐れがある。
✔マンゴー…ウルシ科のためかぶれに注意。 痒みが出ることがある。
✔パパイヤ…アレルギーが起こりやすい。
✔柑橘類…皮によるリモネン中毒の恐れあり。 特にドライフルーツは皮を多く含むため注意。
惣菜パンのときと同様に、誤って口にしてしまった際は速やかに動物病院を受診してください。
3.クッキー
これまでとは異なり至ってシンプルなお菓子ですが、人間用のクッキーには次のようなリスクがあります。
✔猫には脂質や糖分が多く糖尿病や肥満につながりやすい
✔チョコレート系は中毒になるので大変危険
✔小麦粉自体のアレルギーを起こすことがある
クッキーの場合は劇的に症状が進行するタイプの危険はないものの、日常的に食べる習慣ができてしまうとダメージが及ぶ危険性があります。
ただし、チョコレートやチョコチップ入りのものはチョコレート中毒を引き起こす恐れがあるので大変危険です。興奮・よだれ・嘔吐・下痢などの症状が現れたら速やかに診察を受けましょう。
誤って食べてしまった場合、食べてすぐであれば催吐処置なども可能です。様子を見ずに出来るだけ早めに受診してください。
4.食パン
シンプルな食パンは、一口食べた程度では何事も起こりません。しかしながら、バターに含まれる脂肪分や塩分、イーストなどに対して消化不良を起こす危険性があります。
大量に食べることで下痢などの消化器症状につながる場合もあります。小麦アレルギーがある場合も症状が現れる危険性があるため注意が必要です。
食べることが習慣化しないように、最初から与えないように徹底しておくと良いですね。
5.パスタ・うどん・そうめんなど
パスタの原料となるデュラム小麦はむしろ、猫に害を与えることのない安心感のある小麦です。茹でたパスタ自体を少量口にしても問題ないのですが、茹でる際に使用する塩には注意が必要です。
うどんやそうめんに関しても、やはり麺自体にはそれほどリスクがありません。ただし、麺単体で食べることがない食材なのでリスクを伴います。
パスタは様々な食材を使ったソースと和える必要があること、うどんもバラエティに富んだ食べ方があること、そうめんには必ずと言って良いほど薬味を使用することなどが危険因子です。
塩分過多や炭化物の過剰摂取、ネギや玉ねぎ中毒など、あらゆるトラブルに気をつけましょう。
まとめ
猫にとって小麦製品が危険なのは、それぞれに加えられる他の食品によって起こり得る中毒の危険性です。
特にネギ類(玉ねぎ・長ネギなど)は、『有機チオ硫酸化合物』や『アリルプロピルジスルファイド』などの物質によって血液が破壊される玉ねぎ中毒と呼ばれる溶解性貧血が生じる恐れがあります。
これらはうどんを美味しく食べるためのつゆや、そうめんの薬味としても登場頻度が高いので要注意です。
小麦粉及びシンプルな小麦粉製品(食パン・うどん・パスタの麺)においては、アレルギーのリスクや炭水化物の過剰摂取に気をつけましょう。
猫は純粋な肉食動物なので、人間とは歯の構造も消化器官の発達具合も大きく異なります。たとえ少量であれば問題のないものであっても、与えないに越したことはありません。
日頃からパンやパスタなどをよく食べるご家庭では、食べ終えるまでその場を離れないようにしてください。
猫の食べる場所と飼い主の食べる場所を変えたり、タイミングを変えるなど配慮してみると良いでしょう。
(獣医師監修:葛野莉奈)