「心の保健室になれば」 中町に精神分野の訪問看護 開設理由聞く
心の病を患った経験をもち、精神的困難を抱えた人たちを支える訪問看護ステーション=右下=を今年1月、中町に立ち上げた人がいる。企業のコンサルティングなどにあたる木村久生さん(50)=写真。理由を聞いた。
――なぜ、精神分野に特化した訪問看護ステーションを
「私がパニック障害に陥り、死まで意識し苦しんだ際、相談できる場所が少なかったことが開設の理由になっている。精神科医はなかなか予約を取ることができず、診療を受けられることになっても数分で終わってしまう。私は回復したが、同じような悩みをもつ人は少なくないと思い、オープンさせた」
まだ少ない
――心の病を専門にする訪問看護は少ないようだが
「私も自分が当事者の時はそのような選択肢があることを知らなかった。一般に浸透していないのが現状だ。精神科医などとは異なる場所があることを広く周知したいと考えたことも開設させる理由になった。私は悩みを聞いてくれる場所を求め、詐欺まがいなことを受けてしまったことがあるが、心が病んでしまうと客観的に物事をみることができなくなってしまう。皆さんにはそのような目にあわないようにしてもらいたいと考えている」
耳を傾ける
――心の病を患った人とどう接していく
「研修を受けた看護師が自宅に伺い、心の病がある人の話に耳を傾けていく。精神的に苦しんでいる人が自己決定力を高め、自ら生活していけるように寄り添っていければと思う。地域における心の保健室的な役割を担っていきたいと考えている」
――オープンから3カ月が過ぎた
「町田では60歳を超える女性からの問い合わせが増えている。ただ、このような場所があることを知られていないのが現状。心の病を患っている人は潜在的な場合を含め、少なくないのは間違いない」