「左手のないサル」町田でも 5月初旬 市 「刺激しないで」
首都圏の住宅街などで昨年10月以降、目撃情報が寄せられている「左手のないサル」。5月8日から9日にかけて相原町周辺でも目撃された。町田市は「サルを見かけても慌てずに刺激をしないようにしてもらいたい」と呼びかけている。
左手のないサルは昨秋、埼玉県や東京都内の住宅街などで目撃情報が寄せられると話題になるように。首都圏を移動していると考えられ、今月6日には町田に隣接する相模原市などに出没。8日から9日にかけて相原町周辺でも目撃情報が寄せられた。
9日に左手のないサルと遭遇した相原町の綿井浩太郎さんは「子どもを車で送る際、出合った。話題のサルだったので驚いた」と振り返り、相原町を管轄区とする南大沢警察署(八王子市)の担当者は「その頃、町田だけでなく、八王子市の住民からも目撃情報が寄せられた」と話す。5月18日現在、捕獲されたという情報はないが、町田市の担当者は「見かけても慌てずに刺激をしないようにしてもらいたい。そっとしておけば襲ってくることはないと言われている」と呼びかける。
なぜ渡り歩く?
左手のないサルは山に戻ることなく、なぜ住宅街を渡り歩いているのか――。
獣医師で町田市獣医師会に所属するのづた動物病院(野津田町)の佐草優輝院長は「何らかの理由で群れからはぐれてしまい、容易にえさを得ることができる住宅地を移動している可能性が高い」と分析する。
そして、映像などで確認する限り、「肘と手首の間で欠損しているように思う。その場合、先天的なものではなく、天災や人工物による被害によるものと考えられる」とし、人への警戒心が比較的薄いように見えることから、人間から攻撃を受けた訳ではなく「事故による可能性が高い」と話す。
えさはNG
一方で、遭遇しえさを与えてしまうとその場所に住み着いてしまう可能性があるといい、「そうすると、仲間と会える機会を遠のかせてしまう」と説明。見かけた場合はすぐ行政に連絡し、「適切に山に帰れるようにみなで協力していければ。けがなく山の群れに導ければと思う」と話している。