区内NPO ごみを拾って410Kmを踏破 県内海岸線を約5年かけ
神奈川県の海岸線を端から端までごみを拾いながら歩き、清掃活動と共に、ごみの種類や量の多い地域等を調査してきた「プラごみバスターズ」が昨年12月1日、東京都との境となる川崎市川崎区の多摩川河口に到達し、ゴールを迎えた。
菊名にあるNPO法人「海の森・山の森事務局」のメンバー3人によって2020年4月にスタートした企画。神奈川県最西端の湯河原町から出発し、参加メンバーを増やしながら月1回のペースで4年9カ月をかけ、60回に分けて累計410・991Kmを踏破。処理した累計のごみの総重量は約3052kgとなった。
同NPO法人理事長の豊田直之さんは、水中カメラマンとしての20年余りの活動の経験を活かし、12年に海のプラスチックごみ汚染、マイクロプラスチック問題に焦点を当て同NPOを設立。ごみ拾い活動と共に地域の小学校等で講演、啓発活動を続けてきた。プラごみバスターズはその一環で結成された。
「課題が多く見つかった」
1月18日には川崎市役所本庁舎で報告会が行われ、関係者ら約40人が集まった。豊田さんらはスライドを使い、活動中の写真や、地域別のごみの回収量がわかるグラフなどを見せながら解説=上写真。「3つの気づきがあった」と話した。
一つは、移動してきた15の市と町で、分別基準が異なること。次に、三浦半島など地形的な要因から、砂浜や磯浜に打ちあがるごみの溜まりやすいエリアがあること。回収した約3tのうちの約7割が、横須賀市と三浦市のものだった。最後は、横浜市や川崎市などの港湾エリアでの不法投棄問題。「トラックドライバーなどによる、し尿入りペットボトルなどもあり、自分たちだけでは解決できない」として、横浜、川崎両市の関係部署に環境改善の対策を働きかけるという。
また、今後はごみの多かった三浦半島を集中的に、人数をかけて活動していく。豊田さんは「達成感というより課題を多く発見した活動となった。今後も地域の人や行政と連携しながら、ごみ一掃大作戦につなげていきたい」と話した。