氷上だけじゃない!ボートで楽しむワカサギ釣りの魅力【釣り方・仕掛け・タックル・ポイント選び】
ワカサギ釣りといえば、冬の氷上釣りが一般的なイメージかもしれません。しかし、氷上の釣りを楽しめる釣り場は限られ、全国的にはボートで楽しめる釣り場のほうが多くあります。ボートを使ったワカサギ釣りは、自分でポイントを探し当てる自由さや冒険感が楽しめる釣り方です。本記事では、そんなボートワカサギ釣りの特徴や必要なタックル、安全対策、エサや仕掛け、そして釣り方のコツについて詳しく解説します。
ボートでのワカサギ釣りの特徴
ボートを使ったワカサギ釣りの魅力は「自分でポイントを探す自由さ」にあります。自分でポイントを探して釣る醍醐味は格別です。また、他の釣り方に比べて釣期も長く、多くの湖で夏や秋にもワカサギ釣りが可能。四季を通じた釣り体験が楽しめます。
ポイント選びに自信がない方や、体力に不安のある方には、ボート屋が提供する「曳船サービス」もあります。目ぼしいポイントまでモーターボートで引いてもらい、現地で係留して釣りを始めることが可能です。このように初心者からベテランまで幅広く楽しめるのが、ボートワカサギ釣りの魅力です。
安全対策は必須
湖上での釣りは非日常の体験ですが、水上では特に安全対策を怠らないことが大切です。ボートでは落水のリスクが伴うため、ライフジャケットの着用は必須です。特に危険なのが、桟橋からボートへ乗り移る際です。足場が不安定なため、慌てずゆっくりと行動しましょう。
ボート上では立たず、なるべく座った状態や低い姿勢を保つことで、揺れによる転倒を防げます。また、転覆防止のためボートの片側へ重心がかかるような動きも避けてください。
ボートワカサギ釣りに必要なタックルと仕掛け
タックルは、ワカサギ釣り専用の電動リール&穂先や、小型手巻きリール&専用竿などが一般的です。ボートによっては水面から高さがあることも多く、ある程度の長さがある竿のほうが扱いやすくなります。電動リール用の穂先は30~50cm程度が適しており、状況に応じて延長アダプターを使用して調整することも可能です。
手巻きリールを使用する場合、全長60cm以上の竿が使いやすいですが、長めの仕掛けを使用したい場合は90cm以上の竿も選択肢に入れると良いでしょう。
ボート屋によってはタックルのレンタルが可能な場合もあるので、道具を持っていない初心者でもチャレンジできます。
その他の道具
タックル以外で必要な道具としては、仕掛けのほかにハサミやタオル、ワカサギを持ち帰るためのクーラーボックスやジップロックなどがあります。ライフジャケットは必須アイテムですが、ボート屋でレンタルできることが多いので事前に確認しておくと安心です。また、電動リールを使用する場合は、置き場所として「たたき台」を用意しておくと便利です。
さらに、釣ったワカサギを少し活かしておき、泥やフンなどの内容物を排出させてから調理すると、より美味しく食べられます。そのためのバケツやフラシも準備しておくことをおすすめします。ほかに、エサをカットする際に役立つピンセットなどもあると便利です。
仕掛けの選び方
ワカサギ釣りの仕掛けはバリエーション豊富な市販仕掛けが各メーカーから売られています。選ぶ際に、まず確認したいのは針数と全長。針数は5本から10本程度、仕掛けの全長は針数が多いほど長くなり50cm~1m以上のものまであります。
針数が多い仕掛けはたくさんのワカサギが掛かりやすいほか、タナを広く探れるメリットもあります。ただ、仕掛けが絡むトラブルなども起こりやすく、寒い時期にワカサギが底に張り付いている状況だと、エサを交換する手間だけ増えるてしまうことも。また、竿の長さによっては長い仕掛けは扱いにくいので、タックルや状況に応じた仕掛けを使うことが重要です。
また、オモリの下に針を付ける「下針仕掛け」も、ベタ底でしか食わないときに効果を発揮します。これも市販仕掛けが売られているので、いくつか持っておくのがおすすめです。
ハリの形状
ハリには「袖型」と「狐型」の2種類があります。袖型はバレにくい形状で、水深のあるポイントや活性が高い状況で有効。狐型は吸い込みが良く、小型のワカサギや食いの浅い低活性時に活躍します。号数は1~2号を常備しておくと、広く対応可能です。
オモリ
使うオモリ号数は一般的に0.5~3号程度を水深に応じて使い分けますが、オマツリを気にしなくていいボート釣りでは2~3号ほどの重めのオモリを使うのがおすすめ。オモリが重いほど仕掛けの沈下速度も速くなり手返しも良くなるほか、オモリの負荷で針掛かりもしやすくなります。
ただ、活性が低い状況では軽いオモリでナチュラルにフォールさせるほうが反応がいいこともあるので、軽いオモリも用意しておきましょう。
仕掛け交換のタイミング
仕掛けは一日のうちに最低2回は交換しましょう。ワカサギ釣りは繊細な釣りで、ハリ先が鈍ると食い込みが悪くなります。新しい仕掛けを使うことで、釣果アップが期待できます。
ボートワカサギ釣りのエサ
エサは「サシ」と「アカムシ」が一般的です。サシはハサミで半分にカットして使うと、吸い込みが良くなり、体液が出て集魚効果も高まります。付ける際は、ハリ先をしっかりと出すのがコツです。これによりハリ掛かりが良くなります。
アカムシはエサ持ちは悪いものの、吸い込みやすいため低活性時に効果的です。アカムシは黒くなっている方が頭で、頭の部分は若干固いため、ハリを刺す際は頭からチョン掛けすると付けやすくなります。どちらのエサも、体液が抜けて色が薄くなってきたら交換するようにしましょう。
虫エサが苦手な方は、虫エサより食いが落ちる場合が多いですが、人工エサやサビキ針でも釣ることができます。また、寄せエサとしてブドウムシや寄せエサ用の人工エサなどを一部の針に付けるのも、群れを止めやすく有効です。
ボートワカサギ釣りのポイント選びのコツ
ワカサギを狙いやすいポイントは、カケアガリや馬の背など地形に変化がある場所です。また、時期によってワカサギが回遊しやすい水深も変わります。水温の高い時期は浅場が狙い目で、タナも中層に浮くことが多いです。一方、冬の寒い時期には深場を狙い、タナは底付近がメインとなります。
魚探があれば、地形や魚の反応、水深を確認しながらポイントを探せるほか、タナの把握も簡単にできるため非常に便利です。魚探がない場合は、出艇前にボート屋からの情報収集をしっかり行い、狙うべき実績ポイントを確認しておきましょう。
ポイントに付いたら
ポイントに付いたらアンカーを下ろしてアンカリングするか、湖にロープが張ってある所は金具に固定したり結んだりして、船を固定するのが基本です。
アンカーを降ろす際は、勢いよく降ろさないこと。ゆっくり降ろさないと底の泥によって濁りが発生して、せっかくの群れが散ってしまう原因にもなります。また、転覆や落水防止のため、必ず船首から座って投入するようにしましょう。ロープに手や足などが絡まないような立ち位置かも必ず確認します。
アタリがなければ移動も考慮
ボート釣りの利点は自由に移動できることです。気温や光量の変化によってワカサギが好む場所も変わり、例えば朝は浅場で釣れやすく、日中は深場が狙い目になることが多いです。朝はよく釣れたポイントでも、日が昇り切ると回遊が途絶えるというような場合もあります。反応がなくなった場合は、水深の異なるポイントや他の実績ポイントに移動してみるのも良いでしょう。
一方で、条件が揃った好ポイントでは、時間を置けば一日中ワカサギが回遊してくることもあります。そのため、反応がないからといって頻繁に移動しすぎると、逆に釣果が落ちることも。状況を見極めながら釣り場を選ぶ戦略が、ボート釣りの醍醐味と言えるでしょう。
ボートワカサギ釣りの釣り方
ワカサギの釣り方の一連の流れは以下の通り
1.タックルをセットしたら、仕掛けを底まで落とす。
2.仕掛けが底に着いたら、竿を上下に動かすなどして誘いを入れ、ワカサギを針に食いつかせる。
3.誘いを入れた後は竿を静止させ、アタリが出るのを待つ。
4.竿先や手元にアタリを感じたら、素早く竿をスッと持ち上げてアワセを入れる。
5.ハリ掛かりを確認したら巻き上げてきてワカサギを取り込み、ワカサギを針から外す。
6.エサを付け直して再投入。
この一連の動作を手際よく繰り返すことで、釣果を効率的に伸ばすことができます。
誘いのパターン
ワカサギ釣りでは誘いが重要です。誘いの方法は非常に多彩ですが、主な誘いとしては以下のようなものがあります。
1.誘い上げ…水面から目の高さぐらいまで竿先をゆっくり上げていく。
2.段差誘い…数cmごとに小刻みに竿先を止めながら段差状に誘い上げていく。
3.誘い下げ…目線の高さまで竿先を一気に上げたら、ゆっくりと下げていく。
4.巻き落とし(焦らせ誘い)…仕掛けを底まで落としたら、すぐに2mほど巻き上げる。数秒したらフリーフォールで底に落とす。
5.たるませ誘い…仕掛けを底に落としたら、仕掛けを張らずにたるませたままフワフワと誘う。数秒待ってアタリがなければ、仕掛けを少し巻き上げて、再び落とし誘いを繰り返す。
6.たたき…電動リールでは一般的な誘い。たたき台にリールをトントンと軽くたたきつけるように動かす。
7.振り子誘い…たたき台にリールを付けたまま穂先を上下に動かす。道糸を振り子状に動かすイメージ。
活性に応じて誘いを使い分けて、アタリが出るパターンを探りましょう。周りのボートで釣れている人がいればそれを真似してみるのも効果的です。
<TSURINEWS編集部>