潮干狩りで採った【アサリの砂抜き】完全ガイド 帰ったらすぐ食べられる裏技も紹介!
今年も本格的な潮干狩りシーズンが到来しました。家族で楽しむもよし、ソロで孤軍奮闘するもよし。大潮の週末は干潟に繰り出しましょう! 採った貝を美味しく食するための……筆者の経験則を多め?に交えた砂抜き方法を解説します。
潮干狩りの主役はアサリ
まずは基本中の基本、潮干狩りで採ってきたアサリの下処理を解説していきます。アサリの下処理は「砂抜き」と「塩抜き」があり、どちらも潮干狩りで採ってきたアサリを美味しく食するには必須の行程。確実に実行する必要があります。
砂抜きの方法2種
砂抜きには大きく分けて二つの方法があり、一つ目はアサリを入れた容器に多めに海水を入れ、エアーポンプを使って酸素を送り込んでやる方法。
エアーポンプはコンセントがついているものや電池式のものがあり、いずれも店やネットにて2000円前後で売られている安価なものでOK。たくさん採れた時はこの方法が断然都合が良く、毎度大漁?の筆者は常にこちらの方法を選択しています。
二つ目は容器にアサリを重ならないように並べ、完全につからないよう海水を入れる方法。こうすることでアサリは呼吸をすることができ、同時に砂も吐いてくれます。
いずれの方法も時間は3~4時間以上(一晩でもOK)で水温は20度程度が目安。容器には蓋をかぶせ、砂の中と同じ真っ暗闇の環境を作ってやりましょう。
砂抜き時の注意点
ただし、気温が30度を超えるようなムシムシした夏場で夜通し付け置く場合は、水温が上がってしまい、貝が弱ってしまうので、寝る前に凍らせたペットボトルを1つ入れておくと安全です。
また、どうしても砂抜きに使う海水を持ち帰ることができなかった場合は、2.5~3%の食塩水(目安は200mlに対し塩小さじ1)を作り、これを海水の代用にすることも可能。
ただし、現地の海水に比べると貝は砂を吐いてくれにくいので、面倒でもできるだけ現地の海水を持って帰るようにすることをおすすめします。
塩抜きで旨味UP
砂を吐かせて下処理は終了、ではありません。アサリを美味しく食するには、塩抜き工程も必要となります。アサリの中から砂はなくなっても、身の中は海水を多く含んだままだからです。
塩を抜くには、砂抜きを終えたアサリを水洗いし、新聞紙などに並べて2~3時間程度日陰で干しておくだけ。時間がなければ1時間程度水道水につけておくだけでも効果があります。
アサリは生命力が弱い
東京湾奥の三番瀬や木更津周辺の盤洲では美味しい貝がたくさん採れます。そんな貝の中でも特に美味しく、そして手軽にたくさん採れる貝であるアサリは、他の貝達に比べてやや生命力が弱い所が難点。
丁寧な下処理を心がける必要があります。冷房をガンガンにきかせないと眠れないような寝苦しい夜に、玄関で一晩砂抜きを行ったらアサリが全滅してしまった……しかし、ホンビノス貝とサルボウ貝は無事だった、なんていう苦い思い出が過去に2度ほど。
上記説明を心がけ、アサリ(ハマグリも)は特に丁寧で正確な下処理を心がけてください。
必殺のアサリ塩抜き時短術
採った貝をその日のうちに食べたい、なんていう時の時短処理法を紹介します。
1. ぬるま湯で時短砂抜き
1つ目は50度のぬるま湯を使って一気に砂を吐かせるという割と有名な方法。
海水につけておく時間は10分から長くとも15分。長すぎると、アサリはダラ~ッとベロを出して弱ってしまうし、温度が高すぎると砂を出す前に死んでしまうので、この方法で砂抜きを行う場合は、通常の砂抜き以上に温度・時間共にきっちり計ることがキモとなります。
2. 移動中に砂抜き実行
時短処理法、というよりも効率重視型の下処理法、と言った方が正確かもしれません。ズバリ「帰り道に砂抜きをしてしまおう作戦」。潮干狩りを昼頃に終えるとして、そのままアサリと海水をクーラーボックス等の入れ物に入れ、乾電池式のエアーポンプを突っ込んでおきます。
猛暑日だと海水がお湯になってしまう恐れがあるので、そこにコンビニで適当なサイズの氷を買って入れておくと良いでしょう。兎にも角にもこの方法は、料理開始時刻が17時頃として逆算し、帰り道という時間を有効活用して砂抜きをやってしまう、という、よくよく考えてみればとても合理的な方法です。
移動中処理の留意点
ただし、この方法ついては「車の揺れでアサリは砂を吐かない」「急加速急ブレーキでベロを噛んで死んでしまう」等の理由で避けるべき、という意見も多くあり、大手を振っておすすめできる、とはいきません。
しかし、少なくとも筆者は2021年頃からこの方法で「時短砂抜き」をやりはじめ、一応ですが家族からのクレームも未だ上がってきていない、ということで、「どうしても」という方には密かにおすすめです。
進化する砂抜き方法
電気モーターで発進するハイブリッド車、ABSシステム等々。我が家では導入時期未定ですが、電気自動車、そしてAIによる自動運転。車の性能は釣り道具以上に早いスピードで向上し、いずれは「潮干狩り帰り道モード」なんていうAIによる自動運転機能もできるかも(笑)。
時代にあわせ、貝の砂抜き法も進化している……なんて、温度・時間をきっちり計ることに面倒さを感じる筆者は考えています。料理する1時間前の「時短塩抜き」もお忘れなく!
<尾崎大祐/TSURINEWSライター>