世界へ発信、Jホラーの先駆け。ヒットの原点も垣間みるアーカイブ要素も『呪怨<4K:Vシネマ版>』ほか
毎週・木曜日の25:30から北海道・札幌のFM NORTH WAVE(JFL系)で放送されている、矢武企画制作・映画系トーク番組「キャプテン・ポップコーン」の内容をSASARU movieでも配信!
キャプテン・ポップコーンこと矢武企画・矢武兄輔が、映画の情報はもちろん、映画に関係するまちの情報、映画がもっと近くなる内容をお届けします。
映画系トーク番組「キャプテン・ポップコーン」は、北海道外にお住まいの方、もしくは聴き逃した方でも、インターネットで聴けるradikoで一定期間は聴取することが可能です。
この記事では8月14日(木)に放送した番組内容をお届けしています。 進行台本と放送内容を基に記事を作成しています。そのため、実際の放送内容とは違う表現・補足(話し言葉と書き言葉等)並びに、放送ではカットされた内容を含む場合がございます。 また、公開される映画館名や作品情報、イベントは上記日程の放送または収録時点のものになりますのでご留意ください。
【提供】キャプテン・ポップコーン/矢武企画
カツオ節のゆーへい、どきどきっ映画くじ #68
このコーナーは、年内の劇場鑑賞·100作品を目指す鰹節ノ富樫政雄商店・ゆーへいさんに、映画館での劇場体験を。そして、クジで引かなければ、観なかったであろう映画を運命的にマッチングするコーナーです!!
映画『星つなぎのエリオ』
もしも、自分が“地球のリーダー”と勘違いされたら?
大好きな宇宙に行ける日をずっと夢みていたひとりぼっちのエリオ。ある日、彼は“地球の代表”と誤解され、様々な星のリーダーが集まる“コミュニバース”へ招かれることに!そこで出会ったのは同じくひとりぼっちのエイリアン・グロードン。ふたりはたちまち親友となるが“コミュニバース”に最大の危機が訪れる。
大切な場所と親友を守るため、エリオの大冒険が始まる!
ディズニー&ピクサーが贈るファンタジー・アドベンチャーです。
ゆーへい:映画のテーマは「自分の居場所を見つける旅」であり、それを宇宙という舞台で表現していました。両親を亡くしたエリオの寂しさがあり、そこから宇宙を大好きになり、夢中になっていく姿が描かれていました。そして、“コミュニバース”でエリオとグロードンが大切な友人として出会う場面が物語の核になっていると感じました。
ゆーへい:個性豊かなキャラクターたちも魅力的で、可愛らしさや印象的な場面が数多くありました。特に、エリオは寂しさを抱えながら周囲と衝突しつつも、ひたむきに成長していく姿が強く心に残りました。また、グロードンは優しさと素直さを併せ持ち、温かみを感じさせるキャラクターだったと思います。さらに、映像とキャラクターの色鮮やかなビジュアルがとても印象的でした。
矢武:アメリカ軍の宇宙部隊が登場していたことも印象的でした。宇宙を担当する部隊の存在が描かれることで、物語に現実味が加わっていたと思います。さらに、かつてよく放送されていた「UFOは存在するのか」というような番組を思い起こさせるような、ワクワク感と臨場感が強く感じられました。
ゆーへい:ファンタジーの世界でありながら、現実的な要素も含まれている点がとても面白いと思います。
また、それぞれの親子関係が印象的でした。エリオの叔母であり、親代わりであるオルガは、戸惑いながらも献身的にエリオに接する姿に深い愛情を感じました。さらに、グロードンが父親との関係に不器用ながらも向き合おうとする姿勢には強く共感しましたね。
映画『星つなぎのエリオ』(G)はTOHO シネマズ すすきの、札幌シネマフロンティア、ローソン・ユナイテッドシネマ札幌のほか、旭川、小樽、江別、釧路、北見、苫小牧、室蘭、函館、帯広、稚内で8月1日(金)から絶賛公開中です!
映画『呪怨〈4K:V シネマ版〉』
清水崇監督による大ヒットホラー『呪怨』(00~)シリーズの原点となるVシネマ版の第1作。
『リング』(98)の脚本家・高橋洋監修のもとで製作された清水監督の初長編作品で、その内容の恐ろしさがクチコミで評判を呼び、後の映画化のキッカケになりました。
本作とその続編であるVシネマ版『呪怨2』(02)が清水監督による完全監修で4K&5.1chサラウンド化!
ゆーへい:学校や家といった日常の場で音や声が聞こえてくることが、とても恐ろしく感じられました。そうした身近な空間が舞台となることで現実感が強まり、背景説明を抑えた構成によって想像力を働かせる余地が生まれ、恐怖はさらに増していったように思います。
矢武:私は伽椰子というキャラクターを知っていたので、物語の背景を脳内で補うことができましたが、当時初めて観た人にとっては理解が難しい部分も多かったのではないかと思います。さらに当時はVHSで画質が荒かったため、その粗さが逆に恐怖を引き立てていたと感じます。
ゆーへい:オムニバス的な構成で、登場人物が入れ替わるため、時系列を理解するのに少し時間がかかりました。ただ、物語が進むにつれてそれぞれの事件が繋がっていく恐怖感がありました。
矢武:Vシネマ版は当時、それほど大きなヒットにはなりませんでした。しかし、随所に「こうなるのか」「ああ進んでいくのか」といった展開の手がかりが見られ、さまざまなJホラー作品を牽引していく要素を感じることができました。ヒットの原点が垣間見える作品であり、アーカイブとして鑑賞するのも非常に面白かったです。
ゆーへい:私はこの作品が『呪怨』シリーズ初体験だったので、続きがとても気になりましたし、日本映画ならではの寒気のする恐ろしさを強く感じました。鑑賞後はしばらく周囲の物音に敏感になってしまいました。
矢武:公式ホームページに、【『呪怨2』(00)の前半には、『呪怨』(00)の後半一部が“重複”している場面がございます。25年前、V シネマとして制作された当時の構成表現を生かす為、そのままの形で上映いたします。各作品は独立していますが、2作品を通してご覧いただくことで完結します。あらかじめご了承ください。】という記述があります。つまり、今回1作目だけを観て分かりづらい部分があったのは当然のことで、2作目を観ることで全体が繋がっていくのだと思います。
映画『呪怨〈4K:Vシネマ版〉』は、サツゲキでは8月8日(金)から絶賛公開中!
函館シネマアイリスは8月22日(金)から公開予定です。