創業98年の歴史!大丸の目の前にある高級海苔店『菊屋商店』 神戸市
2022年、海苔の生産枚数と販売額で共に1位に輝いた兵庫県。県内の海苔文化を長きに渡って支えてきた老舗海苔屋さん『菊屋商店』が外観のリニューアルを行ったということで、いつも通りかかるたびに気になっていた記者が取材に行ってきました。
各線元町駅からすぐの場所にある同店は、今年の11月で創業98年を迎えます。大丸の前に店を構えたのは昭和52年だそうで、長い歴史を感じさせます。
創業当初、海苔は一般向けに販売されておらず、ホテルや旅館の朝食などで出される高級品の扱いでした。しかし同店が一般向けに販売を始めたことで少しずつ普及が進み、今では食卓に欠かせない”ご飯のお供”となっています。
同店で販売されている海苔は九州・有明産のものと兵庫・須磨や明石のもの。その中でも兵庫県産の海苔をメインに販売しており、味付け海苔や焼き海苔、塩海苔など、味わいも様々です。
一番古い歴史を持つ「味付け海苔」は特上醤油と赤穂の天然塩を使った味付けで、甘くないのが特徴なのだとか。味付け海苔といってもたくさんの種類が並んでいるのですが、それぞれ海苔の産地やランクが違うのだそう。
中でも一番上のランクで、かつ家庭用に人気だというのがこちらの「招福海苔」。明石で獲れた初摘み海苔を使用しており、パリッとした歯触りが特徴なのだとか。
実際にいただいて驚いたのが、海苔のしっかりとした分厚さ!いわゆる味付け海苔のべったりとした甘さがなく、海苔の風味が豊かで上品な味わいです。
またこちらの塩海苔は、ごま油と塩で味付け。味付けを聞くと韓国海苔を想像しますが、韓国海苔のように薄くなく、オイリーな感じもありません。しょっぱい塩の風味が海苔の香りを引き立て、韓国海苔とはちがってあっさりとした味わいでした。
また、12月は海苔網から最初に摘み取られた海苔が並ぶ「新海苔」の季節。新海苔は香りとやわらかいくちどけが特徴で、焼き海苔として販売されるそう。こちらも要チェックです!
同店には家庭用のほかに、贈呈用もラインナップ。
中にはこんな不思議なものも。こちらはなんとフランスの伝統工芸「カルトナージュ」で作られたもので、その名も「海苔のトランク」!紙や布の箱に刺繍が施されており、フルオーダーで受注を受けているのだとか。これをもしプレゼントでもらったら、つい笑ってしまいそうです。
同店の海苔は県内のオーガニック系スーパーでも一部販売されているそうですが、直営店はここだけ。いつも食べているものとはひと味違う「神戸の海苔」の味わいを、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
場所
菊屋商店
(神戸市中央区三宮町3丁目1-10)
時間
11:00~18:00