販売実績が前年比114%に! グランポレールが好調な理由とは ~グランポレール新商品試飲体験会①
サッポロビールは2024年10月9日、グランポレールワインバートーキョー(中央区銀座)にて、「グランポレール新商品試飲体験会」を開催した。
その中で発表されたのが、同年9月までの累計でグランポレールの販売実績が前年比114%に達したということ。「グランポレール」が好調な理由とは何なのだろうか。この記事では、当日説明された2つの理由を紹介する。
3年連続で売り上げ拡大
「グランポレール」とは、1976年からワインづくりをしているサッポロビールが、2003年に立ち上げた日本ワインのブランドだ。フランス語で偉大を意味する「グラン」と、サッポロビールの象徴である北極星を意味する「ポレール」から名付けられている。
「グランポレール」の販売数は年々伸長しており、2021年は前年比102%、2022年は同102%、2023年が同105%となっている。2024年は9月末時点での実績で、前年比114%と着実に成長している。
20周年を迎えてリニューアルも
2023年に20周年を迎えた「グランポレール」は、コンセプトを、2018年から使用していた“日本ワインの、美しい星になる”から、“想いをつなぐ日本ワイン”に変更。「つくり手の想いを一方的に伝えるだけではなく、お客様に共感していただける『グランポレール』にしていきたい」との想いが込められているそうだ。
ブランドの情報発信を強化する一環として、ポートフォリオも一新した。商品の特性ごとに、自社畑と指定畑の単一畑でつくられた最高峰ラインの「シングルヴィンヤード」シリーズ、産地×品種×生産者の個性が際立つ「キャラクター」シリーズ、1000円台のリーズナブルな「ブレンド」シリーズの3つに分け、選びやすい商品提案をしている。
また、2024年7月10日にはワイン生産拠点の集約を発表。2025年5月に長野古里ぶどう園(長野県長野市)の閉園とグランポレール勝沼ワイナリー(山梨県甲州市)の閉鎖を予定している。今後は安曇野池田ヴィンヤード(長野県北安曇郡池田町)と、北海道北斗ヴィンヤード(北海道北斗市)でぶどうづくりを続け、グランポレール勝沼ワイナリーで製造していたワインは岡山ワイナリー(岡山県赤磐市)に移管する。
販売好調の理由
新商品試飲体験会では、「グランポレール」の販売が好調な理由として、次の2つが挙げられていた。
理由1:国内外のコンクールで上位賞を受賞
1つ目の理由は、2024年に国内外のコンクールにて、高い評価を獲得したことだ。
特に目を引くのは、「サクラアワード(“SAKURA” Japan Women’s Wine Awards)2024」で、「エスプリ・ド・ヴァン・ジャポネ 泉―SEN― 2021」が最高賞であるダイヤモンド・トロフィーを受賞。日本ワインがダイヤモンド・トロフィーを獲得するのは、同コンクール史上初の快挙となった。「エスプリ・ド・ヴァン・ジャポネ」は、グランポレールで最もリーズナブルなブレンドシリーズだが、「エスプリ・ド・ヴァン・ジャポネ 絢―AYA― 2021」もゴールドを獲得している。
また、「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(International Wine & Spirit Competition:IWSC)2024」において、日本ワインで金賞を受賞したのは3アイテムのみだったが、そのうちの1本が「安曇野池田シラー 2018」だった。
キャラクターシリーズの「余市ケルナー 2022」は、サクラアワード2024でダブルゴールド、「デキャンター・ワールド・ワイン・アワード(Decanter World Wine Awards:DWWA) 2024」で銀賞、「インターナショナル・ワイン・アンド・スピリッツ・コンペティション(International Wine & Spirit Competition:IWSC) 2024」で銅賞を獲得。「余市ツヴァイゲルトレーベ 2022」は、「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(International Wine Challenge:IWC) 2024」で銀賞を獲得している。
「Japan Wine Competition(日本ワインコンクール)2024」では、「安曇野池田ソーヴィニヨン・ブラン<薫るヴェール>2023」と「北斗シャルドネ2023」が金賞に輝いた。
こうした受賞の数々、特にサクラアワード2024でのダイヤモンド・トロフィー獲得がフックとなって、多くの小売店や飲食店に新規で採用されたようだ。
ビールの販売網を活用
2つ目の理由は、サッポロビールの強みである、ビールの販売網の広さを生かした取り組みだ。
サッポロビールでは、2023年から全国でビールと一緒にワインを提案する取り組みを進めている。特に「グランポレール 余市ツヴァイゲルトレーベ」「グランポレール 余市ケルナー」などの4アイテムを中心に力を入れており、その結果が家庭用や業務用での販売の伸びにつながっていると感じているそうだ。
販売開始から2023年で20周年を迎え、さまざまな変化や進化を遂げているグランポレール。グランポレール新商品試飲体験会では、これまでチーフワインメーカーだった工藤雅義氏がシニアワインメーカーとなり、新チーフワインメーカーに多田淳氏が就任するとの発表もあった。
次回の記事では、多田氏のワインづくりへの想いや、変化だけではなく引き継がれていくものも大きいと感じられた、お二人のトークセッションの内容を紹介する。