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押尾コータロー、ラジオ番組『押しても弾いても』20周年イベント+恒例のクリスマスライブを徹底解説!

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押尾コータロー

ギター1本で変幻自在の音世界を作り出すアコースティックギタリスト、押尾コータローが贈る恒例のクリスマスライブが近づいてきた。毎年さまざまなアーティストとのコラボレーションで、大いに盛り上がるこの人気公演。今年はデビュー翌年の2003年から続く自身のラジオ番組の20周年を祝し、まずは12月21日(木)に『MBSラジオ「押尾コータローの押しても弾いても」20周年スペシャルライブ 〜みんなでお祝い!TWENTY×TWENTY!〜』を、続く22日(金)には盟友インストデュオDEPAPEPE、23日(土)には彼のルーツでもある世良公則をゲストに迎えた『クリスマス・スペシャルライブ2023』を、大阪・なんばHatchで開催する。そこで、定番のクリスマスライブが始まったきっかけから、ラジオへの思いや20年の裏話、さらには、初日のスペシャルゲストの1組として先日発表された平原綾香をはじめ、DEPAPEPE、世良公則との関係性etcまで……押尾コータローによる、見どころ満載の3日間の徹底解説をお届けします!

ミュージシャンならではの聞き方で、自分なりのスタイルを作っていった

――2023年ももう終盤ですが、押尾コータローの一年の締めくくりと言えば=クリスマスライブ3DAYSと思えるぐらい、今となっては恒例になっています。押尾さんの活動の中でいつからそうなっていったんですか?
2008年に「大阪・サンケイホールブリーゼのこけら落とし公演で一日お願いできませんか?」というお話をいただいたことがキッカケで、最終的に3日間やることになったんです。でも、せっかくなら3日間を特別なものにしたいと思って、それまではライブにゲストをお呼びすることはなかったんですけど、日替わりでゲストをお呼びしてセッションを楽しんでもらうのもいいんじゃないかと始めたのが最初ですね。それがバレンタインの時期なら、バレンタインライブを毎年やっていたかもしれないですけど(笑)。そういうこともあり普段のライブとは違うことをしたくて、クリスマスには毎回ゲストとがっつりセッションをするのが定着していきました。
――今年の初日は、押尾さんが長年担当しているラジオ番組のアニバーサリーイベント、『MBSラジオ「押尾コータローの押しても弾いても」20周年スペシャルライブ ~みんなでお祝い!TWENTY×TWENTY!~』として行われますね。
番組も20周年を迎えるので、感謝の気持ちを何かきちんとした形にしたいなと。トーク中心の番組イベントではなく(笑)、今まであった公開収録ともまた違って、番組初のスペシャルライブです。3日間の中でも、ちょっと変わった企画も用意していますので。

――番組が始まったのがメジャーデビュー翌年の2003年で、それが20年も続くなんて、なかなかないことだと思います。

僕もこんなに続けられるとは思ってませんでした(笑)。MCの南かおりさんとの出会いが大きかったですね。最初の半年間は僕一人の番組で、決められた時間の中でしゃべるのが苦手だったんです。でも彼女はプロなのでタイムキープや告知は任せて、僕は横でギターを弾く。ゲストが来てくれた時は、できるだけセッションや生演奏をして……そうこうしているうちに僕もレコーディングの苦しみとか、ライブ5分前の舞台袖の緊張とか、ミュージシャンならではの聞き方で、自分なりのスタイルを作っていった。東京から来るゲストも多いので、「大阪と言えば押尾くん!」と番組に出てくれるようになったのはうれしいですね。

――イベントでの共演も知り合う場にはなりますけど、週に一回ラジオ番組があると、コンスタントにいろんなジャンル、世代のアーティストと出会えますね。

以前、全然ジャンルの違うロックバンドのギタリストの方がゲストで来てくれた時、僕のことなんてあんまり知らないだろうなと思っていたら、「実は押尾さんが弾いていた「戦場のメリークリスマス」をめちゃくちゃ練習してました!」とか言われたりもして(笑)。そうやって盛り上がって一緒にレコーディングするようにもなったり、出会いはすごくありましたね。

最初は「セッションはちょっと……」と言っていた方も、今では「押尾が言うなら」って(笑)

押尾コータロー

――今や20年来の仲の南かおりさんは、押尾さんから見てどんな方ですか?

番組が始まった頃の僕は、台本に書かれてあることしか言えない=自分の言葉じゃないから、パッと気の利いた返答もできない。かおりちゃんならその辺の切り返しもうまいんですけど、僕は「うっ……」ってなっちゃう(笑)。だから本当に思ったこと、感じたことを言わないといけないと、この20年で教えられました。あと、かおりちゃんはキャリアをひけらかさないんです。僕の話も尊重してくれるというか、立てるのが上手で。だから続けられたのはありますね。僕とかゲストの方が聞いてほしいことを聞いてくれるし、興味を持ってくれる。それは彼女の才能だなと。

――この20年を振り返って思い出す苦労やハプニングはありましたか?

最初はイントロで曲紹介をするとき、めちゃくちゃ緊張していました。30秒後に歌が始まるまでに、「メールをご紹介します。今日は寒いですけど、押尾さんも頑張ってくださいね。○○さんのリクエストです、それでは聴いてください」って言いたいのに、「もうイントロ始まってもーたがな! ボーカルとかぶったやん!」みたいな(笑)。今なら30秒あればこれぐらい話せるとかが何となく分かるんですけど、当時は焦ってしまって。

――でも、そのタイム感を体が覚えると、どんな場でも対応できそうですね。

そうなんですよ。逆に自分が5分番組に出させてもらって、メールにちょこっとリアクションしてギターを弾く時も、ちょうどいいタイミングがわかるようになりました。

――そりゃ大阪に来たら皆さん、押尾さんの番組に出たいと言いますわ。安心して話せる。

ゲストが決まったらセッションをお願いするんですが、ラジオでの生演奏はやらない方も多いらしくて、最初は「セッションはちょっと……」と言っていた方も、今では「押尾が言うなら」って(笑)。

――もしかしたらそういうセッションとかフィーチャリングを、ラジオを通じて押尾さんがみんなに慣れさせていったのかもしれない(笑)。そう考えると功績は大きいですね。

そう思うからこそ、この番組がずっと続いてほしいのはあります。曲をかけるのはもちろんですけど、やっぱり生演奏できる番組があるのはいいですよね。

また一緒にやりたいなと思わせる魅力的なディーヴァ

――番組内では過去にいろんなコーナーがありましたが、とりわけ思い出深いのは?
僕が好きだったのは「まかせんかい!アレンジャー」というコーナーで。例えば、「平原綾香さんの「Jupiter」が聴きたいです」とリクエストが来て、聴いてみたらグスターヴ・ホルストの組曲『惑星』第4楽章「木星」のカヴァーで平原さんが歌詞を付けている。なので原曲も聴いてみたんですよ。そうしたら刑事ドラマで流れそうな勢いがあって、あの「エーブリィデ~イ♪」のフレーズがなかなか出てこない。その後もずっと盛り上がって、やっとあの「Jupiter」のフレーズが出てくるんですがすごい曲だなと思って、番組ではホルストバージョンの方を譜面を8枚ぐらい並べて弾いたんです。それを後に録音し直して『Be HAPPY』(2004年)というアルバムにも入れて。
――普段の活動と並行して来週までに採譜とアレンジと練習となったら、かなりのプレッシャーですね。ラジオのコーナーと言えど妥協なきクオリティだったからこそ、後にアルバムに収録されたんでしょうし。
あの頃の僕にとって平原綾香さんは雲の上の人のような存在で……でも、この20年の中でラジオのゲストに来てもらったり、僕が平原さんのラジオ番組に出演したり。平原さんは歌はもちろんサックスも吹かれるからか、声も楽器のように自由自在で、それこそニコライ・リムスキー=コルサコフの「熊蜂の飛行」とかチック・コリアの「スペイン」とか、「この世に歌えない曲はないんじゃないか?」と思うぐらいテクニカルにも歌えれば、朗々と歌い上げる曲もとてもレンジが広い。これまでも平原さんとは何回かセッションさせてもらったんですけど、ジョン・レノンの「イマジン」をやったときも、歌ったことがないと言っていたのに、すぐ平原綾香の曲になる。「Jupiter」もそうですけど、全部自分の歌にしてしまう。楽器の音を楽しんで、そこにスッとなじんでくるのが気持ちいい。また一緒にやりたいなと思わせる魅力的なディーヴァなんですよね。

平原綾香

――というわけでね、ラジオ番組のようにきれいな流れですけど(笑)、初日は平原綾香さんがスペシャルゲストの1組として出演してくれることが決定したんですね!
めちゃくちゃうれしいです! 今回もスケジュールが大変な中、番組放送20周年のお祝いということで駆けつけてくれることになりました。ステージでの2人のセッションをぜひ楽しみにしていてください。さらに、初日はもう一人スペシャルゲストが登場します。その方も僕が大好きな方で、ライブでのセッションは初めてなので楽しみです。
――そちらは当日のお楽しみということで。他にもイベントならではの企画が進行中だと。
バックバンドを従えて僕がギターを弾く、押尾バンドを結成します! これは3日間で初日しかやりません。
――それは押尾さんのライブを見たことがある人にとってもレアですね。
でしょ? だからラジオ番組のイベントとは言え、トークショーではないんです。もちろんしゃべりはしますけど(笑)。
――押尾さんにとって、『押尾コータローの押しても弾いても』とはどういう存在ですか?
田舎のばあちゃん家みたいな感じかな。ここに来ればホッとする、アットホームな場所でありたいし、自分の故郷でもある。リスナーからのメッセージも毎回すごく楽しみでね。気持ちが少し落ち込んでいるときには励みになったり、一歩進めるような気持ちになれる。そういった番組があると、僕が出る側だとしても安心するので。
――この20周年を通過点に、30周年でまたライブができたらいいですね。
そのつもりで、これからもいい番組をちゃんと続けていかないといけないなと思っています。

コラボレーションだから実現できる素晴らしさを僕自身が誰より体感している

――残り2日間のゲストは、12月22日(金)がDEPAPEPE、23日(土)が世良公則さんです。DEPAPEPEとはDEPAPEKOとしてユニットも組んでいて、最も共演回数が多いアーティストじゃないですか?
そうですね。ただ当初はDEPAPEPEと一緒にやることはないと思っていたんです。お互いギタリストだし、DEPAPEPEは2人で完成しているでしょ。メロディもキャッチーで、やきもちをやく瞬間もたくさんあったので(笑)。いざ会ってみると同じ関西人で波長が合うし、自分のパーカッシブな奏法と、三浦(拓也)くん、徳ちゃん(=徳岡慶也)の持ち味がうまく生かされて……ただ単にギタリストが3人集まったわけじゃなく、DEPAPEPEとやるから面白くなるのかなと。

DEPAPEPE

――そもそもDEPAPEPEを知ったのも、ラジオ番組のスタッフから神戸で路上ライブをやっているインストデュオがいると聞いたのが初めらしいですね。
その頃は三浦くんはまだ19歳でしたから、長い付き合いですよね。これまでもいろんな方とコラボレーションする機会がありましたけど、DEPAPEKOは僕の自信作なんです。DEPAPEKOなら2時間でも3時間でも演奏できますよ(笑)。23日(土)の世良公則さんはめちゃくちゃカッコいいので、むしろこっちが遅れを取らないように頑張らないと……世良さんに全部持っていかれますね(笑)。もうね、存在感がすご過ぎて。やっぱり歌の魅力というか、世良さんの魅力ですよね。この日は世良さんの名曲の数々を僕のギター1本のアレンジで歌っていただきます。

世良公則

――世良さんは押尾さんのルーツじゃないですか。その方を自分のライブに呼べるようになったのは、ギター少年の美しい未来だなと思います。
そうですよね。だからこそ自分も、そういう存在にならないと、と思います。
――追いかける背中であり、自分が見せなきゃいけない背中を意識させてくれる人。
最初はあまりにもオーラがすごくて話し掛けられなかったんです。だって、「小学生の頃にモノマネしていた本物が目の前にいる!」と思ったら(笑)。そういう方がゲストに来てくれるなんて……本当にうれしくて、感謝の気持ちでいっぱいです。
――3日間それぞれ色も思いも違って、当日が楽しみですね。
コラボレーションだから実現できる素晴らしさを僕自身が誰より体感しているので、この3日間はそれを生で見てもらいたくて。CDよりも臨場感があるのがライブだし、これを見れば「来年も頑張ろう!」と思うはずです(笑)。ぜひ、なんばHatchに来てほしいです!
取材・文:奥“ボウイ”昌史

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