先人たちのメッセージを伝える 千葉市埋蔵文化財調査センター
市内の約1300カ所の遺跡を保護・保存し活用するために大きな役割を果たす千葉市埋蔵文化財調査センター。
全国の遺跡の情報も集められています。
千葉市の古代を解き明かし、発信
同センターには三つの大きな役割があります。
1つ目は「発掘調査」。
これは住居跡、墓などの遺構や、土器・磁器などの遺物がある古代人の生活跡(遺跡)を発掘し、図面や写真に記録すること。
2つ目は発掘された資料の「整理・保管」。
成果を報告書にまとめ、出土遺物と共に保管することも大事な仕事です。
3つ目は「展示と活用」。
整理された資料をセンターの展示室や巡回展や遺跡発表会などで展示します。
その一環として、小学6年生を対象にした出前授業も行います。
数千年前の遺跡にそれまで関心がなかった子どもたちも、講座で、遺跡が自分の身近で発見され、同じ所に昔住んでいた人たちの生活から生まれたものと知ると目を輝かせるそうです。
その他、各時代の地形や植生、動物相など当時の生活環境を、物理・化学・生物学・人類学などの専門的分野からも復元しています。
センター近くには市最古の前方後円墳
同センターの近くには多くの遺跡や文化財があり、その一つが市で最大最古の前方後円墳「大覚寺山古墳」(県指定史跡)。
以前は古墳とは分からず、1969年に宅地造成で木を伐採し、初めて古墳であることが判明。
築造年代は4世紀後半の古墳時代前期で、当時地域を支配していたリーダーの墓と推定されていますが、まだ本格的な発掘は行われていません。
そのため、ここには今もまだリーダーが眠っているのかもしれません。
破壊もされておらず古の姿がよくしのばれます。
その他、古い言い伝えを持つ「七廻(ななまわり)塚古墳」「小弓城(おゆみじょう)跡」「城ノ台遺跡」「生実城(おゆみじょう)跡(北小城跡)」があります(各地には文化財説明板設置)。
うららかな春の日、「埋蔵文化財調査センター」から周囲の遺跡を散策してみてはいかがでしょうか?
遺跡から発見されたものは丁寧に発掘され、時間をかけて研究されています。
得られた成果には人の歩みが感じられ、「自分自身もまた歴史の主人公である」と実感できるはず。
千葉市埋蔵文化調査センター
住所/千葉県千葉市中央区南生実町1210
アクセス/京成千原線「学園前駅」から徒歩10分ほど
開催時間/午前9時~午後5時15分
休館日/土・日・祝
料金/無料(入館、駐車場いずれも無料)※大型車駐車不可
問い合わせ/043-266-5433