【インタビュー】渋谷ハチ公に外国人が長蛇の列、先頭には謎の「記念撮影おじいちゃん」が! 話を聞いてみた結果
世界的なスポットである渋谷スクランブル交差点。TSUTAYA2階も含めスマホを掲げる外国人の多さは、通る度そのことを痛感させてくれる。そんなスクランブル交差点を渡り渋谷駅へと向かう最中、謎の光景を目撃した。
駅前広場の端に外国人ばかりの長蛇の列ができていたのだ。人が多いため目立たないけど、スクランブル交差点まで伸びよとばかりにガンガン外国人だけが吸い寄せられるその行列。店とかもないのにこれ何の列?
・行列の先
そこでその列を遡って先頭まで行ってみたところ、最初スクランブル交差点から横に伸びていた列は途中で曲がって……
ハチ公に繋がった。
え!? これ、渋谷ハチ公の記念撮影の列だったの!? 行列の先頭がハチ公に繋がっているとは一瞬分からないくらい並んでいる。
個人的には、ハチ公ってただの待ち合わせスポットで長蛇の列に並んで一緒に写真を撮るというイメージはなかった。ちょっと見ない間に大ブレイクしているではないか。だが、私が驚いたのは、それだけではなく……
記念撮影を手伝ってるハチ公のスタッフ的な人がいたこと。
・スタッフオーラ
いや、よく考えたらハチ公の記念撮影にスタッフがいるわけはない。だって、ハチ公にスタッフがつくとしたら区役所の人ということになるけど、ハチ公の記念撮影のためだけにそこに待機するっていくら何でも無駄が多いだろ。さらに言うなら、髪どころか眉毛まで真っ白なおじいちゃんだ。区役所の人とは思えない。
のだが、黄色い服はめっちゃスタッフオーラが出ている。何者なのか気になるけど、おじいちゃんは1組終わったら次の1組とまるで仕事であるかのように忙しそうだ。そこでハチ公の後ろの腰掛に座って様子を見てみることにした。
・1時間観察してみた
どうやら、構図とかもそのおじいちゃんが指示している様子。並んでいる外国人もおじいちゃんの指示に従って写真を3パターンくらい撮って満足気に帰っていく。お金を取っている様子はない。
自分で「こう撮りたい」みたいなアイデアを相談している人もいる。身振り手振りと最低限の英単語でコミュニケーションを取りながら要望に応えるおじいちゃん。満足気に帰っていく外国人。完全にさばいている……!
・話を聞いてみた
後ろの腰掛に座っていても、特に何か言われることはない。そうやって1時間くらい様子を見ていたところ、おじいちゃんが「やれやれ」という感じで休憩に入った。そこで話しかけてみたぞ。こんにちはー!
おじいちゃん「ん? はい、これ」
挨拶しただけで折り紙の手裏剣くれた。
私「ハチ公の記念撮影の手伝いをされてるんですか?」
おじいちゃん「そうだね」
私「1日ずっとやってるんですか?」
おじいちゃん「いや、1日はやってないよ。午前中だけ。午後になると列が伸びすぎて俺の手に負えないんだよね。『横入りすんな!』とかケンカっぽくなることもあって」
私「そういう列整理的なこともしてるんですね。これは何かの仕事?」
おじいちゃん「いや、ボランティアだよ」
私「どれくらいやってるんですか?」
おじいちゃん「5年くらいかな。コロナ禍の間は休んでたんだけどね」
私「最近再開したんですか?」
おじいちゃん「そうだね。今年の5月くらいから。あんたもハチ公と撮ってあげるよ」
私「ハチ公じゃなく、2人で一緒に撮りませんか」
おじいちゃん「いいよ。って何がしたいんだよ」
私「実は、僕、ロケットニュース24というニュースサイトの記者をやってまして、記事で紹介してもいいですか」
おじいちゃん「別にいいよ」
──とのこと。取り組んでることは一見変わってるけど、話してみると、しっかりした人だったので、ハチ公じゃなくおじいちゃんと記念撮影してみた。
四谷のオリオン座星人や屋久島の東屋のヌシなど、全国の謎おじいちゃんと対戦してきた私。また1人、謎おじいちゃんと遭遇してしまった。だが、さすが渋谷。コロナ禍のタイミングは休むとかの判断は周りが見えている感じがしたのであった。
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.