愛犬がジャンプするのはやめさせるべき?飛び跳ねることで起きうる3つのトラブルとやめさせる方法をご紹介
愛犬が飛び跳ねることで起きうるトラブル
愛犬がぴょんぴょん飛び跳ねることに不安を感じたことはありませんか。小さなトラブルは起きていませんか?
実は、我が家の愛犬たちのおともだち犬が、飛び跳ねたことで大怪我を負い、大手術を受けたばかりなのです。
もしも愛犬の飛び跳ねに少しでも不安を感じているのであれば、やめさせる方法を解説しますので、大きなトラブルが起きてしまう前に対処しましょう。
1.膝蓋骨脱臼と股関節脱臼
愛犬が飛び跳ねることで起きうるトラブルには「脱臼」があります。
後ろ足の膝のお皿の骨が外れてしまうことを「膝蓋骨脱臼」と言い、後ろ足の付け根にある股関節が外れてしまうことを「股関節脱臼」と言います。
膝蓋骨脱臼は「パテラ」とも呼ばれていますね。小型犬では、膝蓋骨が内側に外れてしまうことがよくあります。大型犬では、膝蓋骨が外側に外れてしまうことがよくあります。
遺伝が関与している好発品種と呼ばれる犬種があったりもしますが、飛び跳ねたことで脱臼してしまうこともあります。
とくに小型犬が脱臼しやすいとされていますが、飛び跳ねによる脱臼は、中型犬や大型犬であっても油断してはなりません。
飛び跳ねをやめさせるための第一歩は、焦ることなく根気強く気長に付き合うことです。「やめさせなければ!」という焦りが犬に伝わらないようにしましょう。
2.頸部椎間板ヘルニアと胸腰部椎間板ヘルニア
愛犬が飛び跳ねることで起きうるトラブルには、「椎間板ヘルニア」があります。
四足歩行である犬は、普段から首や腰への負担があるとされています。とくに胴長で短足な犬種は、他の犬種よりも首や腰への負担が大きいと言えます。
飛び跳ねたことで、椎間板に急激な圧力がかかったとき、髄核が飛び出し、神経が圧迫されることで痛みなどの症状を引き起こすのが、椎間板ヘルニアです。
頸部椎間板ヘルニアのグレードは主に3つあります。「グレード1」で首の痛みが起こり、「グレード3」では立つことができなくなることがあります。
また、胸腰部椎間板ヘルニアのグレードは主に5つあります。「グレード1」では背中の痛みが起こり、「グレード3」では立つことができなくなることがあり、「グレード5」では後ろ足が完全に麻痺することがあります。
飛び跳ねをやめさせるためにできることは、飼い主がしゃがんであげることです。飼い主が立っていると、犬が飛び跳ねてしまいやすいのです。
そして、椎間板ヘルニアを誘発させないためには、肥満に注意しましょう。また、犬が滑りやすいフローリングへの対策も万全にしましょう。
3.人にケガを負わせてしまうこと
愛犬が飛び跳ねることで起きうるトラブルは、人にケガを負わせてしまうことです。
飛び跳ねた愛犬に体当たりされたことはありませんか。ケガもなく、飼い主や家族であれば、笑い話で済ませてしまいますよね。
もしも飛び跳ねた愛犬が体当たりしてしまった相手が他人であったらどうでしょう。幼い子供や高齢者であれば、転倒させてしまったり、ケガを負わせてしまったりするリスクが高いのではないでしょうか。
人が大好きな犬は、声をかけてもらったことや撫でてもらったことが嬉しくて、飛び跳ねて表現することがあります。人前では、興奮することがないよう、飛び跳ねることがないよう、対処しなければなりません。
飛び跳ねをやめさせるため、愛犬と他人が触れ合うときは、「おすわり」をさせましょう。おすわりをしている間に撫でてもらいましょう。
まとめ
愛犬が飛び跳ねることで起きうるトラブルを3つ解説しました。
✔膝蓋骨脱臼と股関節脱臼
✔頸部椎間板ヘルニアと胸腰部椎間板ヘルニア
✔人にケガを負わせてしまうこと
嬉しくて飛び跳ねる愛犬の姿、可愛いですよね。その可愛い姿には危険が伴うトラブルがつきものであることをご理解いただけたら嬉しいです。
(獣医師監修:葛野宗)