ジュビロ磐田の藤田俊哉氏が2024シーズン総括「結果を謙虚に受け止め、必ず1年でJ1に戻って来る」
ジュビロ磐田の浜浦幸光社長と、藤田俊哉スポーツダイレクター(SD)が12月18日、静岡新聞社静岡放送を訪れ、J2降格圏の18位に終わった2024シーズンを総括した。浜浦社長は「多くの皆様のご期待に沿えなかったこと、本当に申し訳ない」と話し、藤田SDは「この結果を謙虚に受け止め、必ず1年でJ1に復帰したい」と力を込めた。
藤田SDとの一問一答
ーどのあたりが目論見と違ったか。
「当初はシーズンのできるだけ早い時期に勝ち点40に到達して、その先を考えるプランだったが、勝ち点を積み上げなければいけない試合で勝ち切れなかった。なかなか戦い方が定まらず、その中で試行錯誤しながら進んだが、最終的には自分たちの目指すフットボールにたどり着かず、戦い方が変わってしまった部分があった。選手がそこで困惑した部分もあった。
その中でもポイントになるゲームはいくつかあったが、チーム力、総合力で勝ち切れなかった。怪我人がどうこうということもあるが、それはどのチームも同じだと思う。エスパルスとの静岡ダービー、これが県内サッカーファンの一番の楽しみということは十分理解していたが…。我々には力がなかったと真摯に受け止めて反省して、1年で必ずJ1の舞台に返り咲きたい。強い気持ちをもって、新監督の下で進んでいきたい。
ジュビロは力があるチームだと信じているし、選手たちがもっと躍動できる環境にすることもクラブがやらなければいけないことだと思う。我々としては、そういう方向を整えて、少しでも選手が羽ばたいていけるような状況にしたい」
ーリーグ途中には、底力みたいなものを見せた試合もあったが。
「連勝ができなかった。昨シーズンは夏場に負けない時期が続いてポイントを重ねたが、今シーズンは常に勢いに乗って連勝ということがなく、勝ち点を拾えなかった」
ージャーメイン選手の怪我も痛かったのでは。
「怪我人で苦労するということはどのチームでもあることなので、我々だけが『怪我がなければ』と言うのは本当に情けない話になる。ただ、今シーズンは彼が突出した得点力でチームを引っ張ってくれた。序盤のうちにペイショットとのバランスをもう少し作るべきだったのかなという反省点はある」
ー横内監督も志半ばだったのでは。
「中長期の計画のもとに進んでいただけにプランは崩れた。ただ、柔軟に対応して、クラブとしてのプランや目標値は変えずに進める時間はあると思っているので、もう1回やり直したい」
ー来年の編成は?
「今シーズンほどの入れ替えはないと思うが、新加入選手も来る。今、契約交渉中だが、最終的なところでどれぐらいか。他チームからオファーがあってそちらに流れる選手もいるし、来てもらえる選手もいる。全体数を30人前後でメンバー編成していく。
どのクラブも本当に選手補強に資金を厚く使うようになっている。もうJ2だからという金額ではなくなっているということも確かなこと。今の選手たちはすごくプロフェッショナルなので、編成の部分でも力強くいかないと。時代に合わせて対応していきたい。
今季は例えば、セットプレーからの失点が多かった。個々で負けることがないようにベースアップした上で、組織としてどう守るか。今年以上にシビアに組織づくりをしていかないといけない」
ー次の監督については?
「近日中に発表したい」
ー今まで積み上げてきたものをどう継承していくか。
「自分たちの中のマインドをもう一度シャープにしていくこと。何となく『こうできるだろう』という心の中にある緩みをなくすこと。もう一度規律のところから見直して、限られた時間を有益なものにしたい。ゆっくりしている時間はない。整えていきたい」
ーJ2での戦い方はJ1とはまた違う。
「札幌も鳥栖もJ2の舞台に場所を変える。今年にいたっては、我々はその2チームに勝ててない現状がある。難しさは容易に想像がつく。ここから戦いに出る中で、どれぐらいシビアにやっていかなきゃいけないか。それぞれでもう一度確認し合っている」
ーあらためて目標を。
「最大のミッションはJ1に上がること。そして一つでも良い試合だった、楽しい試合だったと言ってもらえるようにしたい」