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釣り愛好家が忘れられない父との思い出は【奥日光・川俣湖での毎年恒例GW釣行】

TSURINEWS

いつの時代も釣りって素晴らしい!(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

筆者が釣りを始めたきっかけは、父が釣り好きだったから。蛙の子は蛙だったからです(笑)その「釣り好きの父」がこよなく愛した釣り場・奥日光の川俣湖を紹介させていただきます。

川俣湖

「今日は水位があるから奥のポイントまで行けそうだ」助手席に座っている父の顔が、急ににこやかになった。どうやら今日は、父のお気に入りのポイントで釣りができそう。

ほぼ満水の川俣湖(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

日光(今市IC)から鬼怒川沿いを走ること一時間。山道を登り切った先にある3つのトンネルを抜けると、木々の間に深緑色のみなもが現われました。運転している筆者には、向かって右側に川俣湖があることしかわからないのですが、父はしっかり湖の水位を確認したようです。

禁漁区域の手前が好ポイントとなります(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

人気ポイント

海釣りではよく潮を見ますが、ダム湖である川俣湖ではまず水位を確認します。その日に釣れるであろうポイントは、ボート屋の店主さんに聞けば教えてくれるのですが、父は釣れても釣れなくても水位がしっかり足りていれば自身のお気に入りのポイントを選択。筆者に選択権はありません(汗)。

人気No1の堰堤下・父にとっては「うるさいポイント」(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

因みに川俣湖一番の人気ポイントは、画像中央の下ノ沢(禁漁区域)手前の通称堰堤下。ここには大きな堰堤があって、この下に魚が溜まるようです。しかし父は、「水の音がうるさい」そして「混む」とのことで、このポイントに行くことはほとんどありません(汗)

GWに川俣湖へ!

川俣湖の解禁日は4月の第一日曜日。父が若い頃(と言っても40代)は、仲間と一緒に解禁日に行き、年間遊漁券を買ったそうです。そして、数を釣るには他の釣り物と同様、解禁日直後が良いのだそう。

この日貸し出されたボートは画像の半分以下でした(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

しかし、好釣果が期待できる解禁直後は混み合うことが多いので、意外と中禅寺湖の全面解禁直後(陸釣り、船釣り)のGWが狙い目と言っていました。案の定、2011年4月29日はGW初日にもかかわらず、混雑とは無縁でした。

筆者が子供の頃は民宿もやっていました(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

ボートの出船可能時間は日の出(5時半頃)なのですが、ちょい遅れの6時に到着。3番手でボートに乗り込む。川俣湖観光ドライブインの店主さんに「エサ釣り」の旨伝えると「マスは上から4~5m、イワナは底。頑張って!」とお決まりのアドバイス。ボートに乗り込み、ポイント(馬坂)に向かいます。

朝一が勝負!

父の操舵で約30分、進路を北に向け5馬力のエンジンを積んだモーターボートを走らせます。やがて「馬坂」と呼ばれるポイントに到着。先に出ていったルアーマンのボートは堰堤下に行ったらしく、予想通り一番乗りで到着し、しかも貸し切り状態でした。父「底が見えるか見えないかギリギリの所にボートをつけるよ」とのことで、底を見ながら位置を決め、そしてボートを固定。

準備して後は置き竿でのんびり(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

1本持ち込んだワカサギタックルで水深を測ってみると水深は7m(イコール透明度)でした。当時の人口カバー率99%の携帯は圏外。秘境?桃源郷?ここはそんなポイントです。「勝負は朝イチ。朝方釣れなければダメだよ」と、父が緊張感をあおる一言をボソリ。

この位のサイズが釣れると楽しいです(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

5.4mののべ竿を2本準備し、マス針6号を使った仕掛けにイクラ、ブドウ虫をそれぞれつけ、湖に糸を垂らします。筆者は市販の針(ハリス0.8号)を使用したのですが、父はハリス切れで幾度も大物をばらした苦い経験があるとのことで、マス針7号にハリス2号仕掛けを自作していました。

イワナが釣れたことも一度だけありました(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

また、稀にワカサギの群れがまわってくることもあるので、ワカサギの仕掛け(エサはサシ)も1本落としておきます。もしワカサギが釣れればしめたもの。持ち帰って天ぷら等にしてもいいのですが、エサにして泳がせれば、良型サクラマスの期待がぐっと近づきます。

第二ラウンドは山菜採り

10時位になって日が頭上までくると、アタリは殆どなくなってしまう。たま~にあったとしても、正体はウグイ。

日が昇るとウグイばかりに(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

予定通りとばかりにのんびり早めのお昼ご飯を食べ、釣り道具を片付け、第二ラウンドへ向かうことにします。

ボートで山菜の秘蔵ポイントへ(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

川俣湖GW釣行の魅力は、何といっても山菜の時期と重なること。父の秘蔵山菜ポイントへ向かいます(といっても湖畔ならどこでも採れると思う)。

ハリギリの芽とコゴミ(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

因みに4月上旬の解禁直後にくると、フキノトウが採り放題となります。

ウドも採り放題でした(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

親孝行ができた、と思う

筆者が小学生の時には父に連れてきてもらい、やがて中学生になると釣りは一旦やめてしまい、26年以上に及ぶ「川俣湖空白期間」となってしまったのですが、やがて筆者38歳、父64歳になった年に、今度は逆に筆者が父を連れて行く形で、親子での川俣湖釣行が復活。この年から6年間、GW(もしくは翌週)になると、山菜採りとセットにした川俣湖釣行が筆者と父の恒例行事となりました。

そんな父は72歳で他界し、その後筆者が川俣湖に行くことはなくなってしまいました。そして、4年前に中禅寺湖でのワカサギ釣りの帰り道にドライブがてらによってみた所、残念ながら馴染みのボート屋もすでに廃業されている事実を知ることに。川俣湖での父との釣行は完全に「思い出」となってしまいました。

長きにわたり大変お世話になりました(提供:TSURINEWSライター尾崎大祐)

晩年は一緒に釣りに行ったり、酒を酌み交わしたり。日本には「親孝行をしたい時に親はなし」ということわざがあります。親孝行……実際は父から受けた愛情に対し返し切れていないのですが、それでも「きっと釣りを通じて親孝行できた」と、前向きに思うようにしています。そのおぜん立てをしてくれた川俣湖に感謝。

<尾崎大祐/TSURINEWSライター>

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