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『キミとアイドルプリキュア♪LIVE2025 You&I=We’re IDOL PRECURE』開催記念リレーインタビュー 南條愛乃さん|「プリルンは身体が小さいので、肺も小さいはず。だから歌うときは息継ぎを無理やり入れて、“子どもが頑張って歌ってる感じ”を表現しました」【連載第7回】

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

2025年10月18日(土)、パシフィコ横浜 国立大ホールにて『キミとアイドルプリキュア♪LIVE2025 You&I=We’re IDOL PRECURE』が開催されます。出演は、キュアアイドル/咲良うた役・松岡美里さん、キュアウインク/蒼風なな役・髙橋ミナミさん、キュアキュンキュン/紫雨こころ役・高森奈津美さん、キュアズキューン/プリルン役・南條愛乃さん、キュアキッス/メロロン役・花井美春さん、そしてオープニング主題歌歌手の石井あみさん・熊田茜音さん・吉武千颯さん。さらに今年はアイドルプリキュアがステージに登場!

アイドルをテーマにした本作ならではの、キラッキランラン♪な輝きを放つ、華やかなステージになりそうです。

アニメイトタイムズ恒例企画「プリキュアライブ リレーインタビュー」では、キャストそれぞれのライブへの意気込みや、夏に発売された「『キミとアイドルプリキュア♪』ボーカルアルバム~We are!You & IDOL PRECURE♪~」収録曲への想い、気になるグッズのことなどをうかがっていきます。第7回はキュアズキューン/プリルン役の南條愛乃さんが登場です。

 

 

【写真】『キミプリ』ライブリレーインタビュー:南條愛乃【連載第7回】

初めてのことだらけでワクワクしています

──最初のアフレコから今に至るまでの道のりを振り返ると、南條さんとしてはどんな感触がありますか?

キュアズキューン/プリルン役・南條愛乃さん(以下、南條):本当にあっという間でした。始まる前から「1年なんてすぐだよ、楽しんでね」と『わんぷり』(『わんだふるぷりきゅあ!』)チームの皆さんに教えていただいていて、その時は「1年があっという間なわけ!?」と思っていたんですけど(笑)、本当にあっという間でした。(インタビュー時点で)収録も折り返しを過ぎていて、残りも半年ないんだなと。

現場の雰囲気も楽しいですし、作品自体が持っている明るさやまっすぐな王道感があって、観ていると自分の気持ちも浄化されるようなお話ばかりなんです。プリルンが記憶をなくしてしまう切ない回などもありましたが、基本的には小さなお友だちに向けて真っ直ぐに描かれているので、毎回楽しく収録していたら半年以上経っていたという感じですね。ズキューンとプリルンをどう演じるか考えるのも楽しいですし。そのぶん、だんだん終わりが見えてきて寂しい気持ちにもなっています。

 

 

──前回、南條さんと花井さんでのインタビューでもプリルン愛を語っていただきましたが、今日もプリルンカラーのアイテムを身に着けてらっしゃってて。

南條:プリルンカラーのものがどんどんと増えていってます(笑)。

──前回のインタビューでお伺いした、“プリルンの目覚まし”のお話がとても好きです。

南條:ああ(笑)。スマホで録ったプリルンの声を自分の目覚ましに使っているという……「タナカーンの夏やすみ!」(第24話) で「おっはよプリ〜!」って飛び出すシーンがあったと思うんですけど、あれは自分の持っている目覚まし時計の声のテイストに似せました(笑)。

──なるほど!(笑)そして、夏が明けた10月にはプリキュアライブも控えています。

南條:寂しがっている場合じゃないですね。映画の公開もありますし、それにまつわるイベントや舞台挨拶などもしているうちにプリキュアライブがあって、気づいたら佳境になっていそうだなと。一つひとつのイベントを噛み締めていきたいと思っています。

プリキュアライブは毎年恒例なので、今回もあるという話は事前にうかがっていました。しかも今回は、プリキュアたちと一緒に出演できるということで。私自身は「キャラクターと同じステージに立ってライブをする」というのが初めての経験なんです。これまでは自分がキャラクターを背負って歌ってきましたが、今回はステージ上に“ズキューン”がいて、そして私もズキューンとして立つ。そういうシチュエーションは初めてなので、どうやったら一緒に楽しい空間を作れるか、今からイメージを膨らませています。いつものライブのように自分が一身に役を背負って前に出すぎるのも違うし、逆に控えすぎるのも違う。 “ふたりでひとつ”の感覚で臨めたら、きっと幸せな空間になるんじゃないかなと思います。まだリハーサルはこれからなので全体像は見えていませんが、フェスティバル感のあるステージになるんじゃないかなとワクワクしているところです。

 

 

──お子さんたちの前でパフォーマンスというのも、あまりないご経験になるのでしょうか。

南條:そうですね。お子さんからの応援を受けながらのライブというのは、なかなか経験がなくて。普段のライブでももちろん純粋な思いを受け取っていますが、大人ではないお子さんからの声があちこちから聞こえてくると想像するだけで、もう泣いてしまいそうです(笑)。先日ドリームステージ(「キミとアイドルプリキュア♪』ドリームステージ♪」)にお邪魔させていただいたんですけど、何度も涙をこらえてしまいました。「ひっこめ〜」って思いながら見ていたので、これを今度は自分が浴びると思うと……「キラッキラッタ〜」浄化されてしまいますね。これはもう泣かないようにするのが一番の課題かもしれません(笑)。

──お子さんの応援って本当にグッとくるものがありますよね。

南條:本当に。「おひろめデビューライブ」(ズキューンキッスステージ)の時も、たくさんのズキューンとキッスの格好をしたお子さんたちが来てくださって感激しながら見させていただいてました。そしてズキューンが「ズキューン」とファンサすると、打った場所から歓声が上がって。どちらかというと大人の皆さんの歓声が(笑)。私もドキッとしてしまったので、自分がズキューンとしてステージ立つ時はそれはもう軽率にズキューンしてやろうと思いました(笑)。

 

 

“小さな体”を意識して、呼吸法に工夫を

──プリキュアライブでは、毎年夏に発売されるボーカルアルバムに収録された楽曲もステージで披露されるのが恒例となっています。「『キミとアイドルプリキュア♪』ボーカルアルバム~We are!You & IDOL PRECURE♪~」には、多彩な楽曲がたくさん収録されていますね。

南條:すっごくいろいろな曲が収録されていますよね。

──南條さんが参加されたプリルンとメロロンによる「なかよしJ♡YFUL」、ズキューンとキッスによる「Awakening Harmony」は、かわいいとカッコいいの、ある種両極端な仕上がりで、聴き応えがあります。「なかよしJ♡YFUL」を聴いたときはどのような印象がありましたか?

南條:もう大好きな曲です!  最初にデモをいただいたのが新幹線での移動中だったんです。プリルンとメロロンの曲があると聞いていたので「ついに来た!」と思って、もうすぐ聴きたくて、急いでイヤホンをして再生したら、あまりに楽しくてワクワクが止まらなくなって。「こんなふうに歌いたい」「こういうこともやりたい」ってアイデアが次々に浮かんでくるのに、移動中でメモが取れなくて……まずは夢中で何度も聴きました。アドリブもたくさん入れたいなと思っていて、特に冒頭の〈WaちゃWaちゃ なかよし〜!!〉の裏でプリ、メロ、プリ、メロ♪ってところも、私から「やりませんか?」と提案させてもらいました。

 

 

──髙橋ミナミさん(キュアウインク/蒼風なな役)にお話をうかがったときに、南條さんが率先してアドリブを入れて……とおっしゃられていたのですが、そういうことだったんですね!

南條:それはまた別の曲の話なのですが、プリメロ曲は最初にいただいた段階ではメロディラインが中心で、ところどころに「セリフっぽく」という指定がある程度だったんです。でも、あえて曲であって曲でないくらいのほうが、プリルンとメロロンらしい可愛さが出るんじゃないかなと思って。それで「音痴に歌ってもいいですか?」と提案して、思いきり遊んでみました。

実はこの収録のとき2曲録っていて、劇場版の『わんぷり』さんの「わんだふるぷりきゅあ!evolution!!」のカバーを歌ったあと、「なかよしJ♡YFUL」という流れだったんです。どちらも作曲がEFFYさんで現場にいらしていたんですが、カバーを録り終わったあと「音程を無視して歌っても大丈夫ですか!?」と聞いて。そしたら「好きにやって大丈夫です!」と言っていただいたので、遠慮なくアドリブを入れさせてもらいました。例えば、〈どんなときでもいっしょプリ〜♪〉の裏で4つ打ちのリズムに合わせて「プリップリップリッ」って言ったり、そのあとのメロロンのパートの〈ひとりじゃないってかんじるメロ♡〉の裏で「メロメロ」と入れてもらう提案をしたり。メロロンの裏の声は分かりやすく聴こえるかと思います。

──そこもアドリブだったのですね。可愛さが散りばめられすぎていて……アドリブはまだまだあるのでしょうか。

南條:はい(笑)。〈ぽかぽかおてんき おさんぽするプリ!〉とか〈タコさんウインナープリ!?〉とかのくだりも最初はメロディだったんです。でもセリフっぽい感じで入れさせてもらったり。2サビ(2C)の頭の〈プリッ!〉は、最初「ハイ!」となっていて、「プリ、かも……?」って提案させてもらったんです。六ツ見(純代)さんがいらっしゃったので、言ってみたら「確かに1Cのメロちゃんも〈メロッ!〉だしね」って。

──六ツ見さんもいろいろな提案に、きっと喜ばれたのではないでしょうか。

南條:六ツ見さんもにっこりでした(笑)。私自身も本当に楽しかったです。それと〈いつもありがとう つたえたいプリ〜〉ってところは、歌詞は同じですが1番と3番で歌い方を変えたんです。1番は裏声で、プリルン的には「うたみたいに上手に歌いたい」とイメージ、3番は「伝えたい!」気持ちをそのまままっすぐ出すイメージで歌っています。あと、メロロンのポエムの最後に入れてる「プリ〜♪」もアドリブで、最初はなかったんです。入れてみたらありになって。「これも入れたい!」ってアイデアが溢れすぎて、逆に忘れてしまったものもあるくらい(笑)。それでも残ったものは、どうしても入れたかった部分なんだと思います。プロデューサーの井上(洸)さんも「良いですね、全部やりましょう!」と言ってくださって。自分がもはやプリルンファンなので、「自分が聴きたい!」と思う要素を詰め込みました。

──かわいいの大渋滞で……。プリルンが頑張って歌っている姿が思い浮かんで、聴いているとそれこそにっこりしてしまいます。

南條:そこはまさに狙い通りといいますか。プリルンは身体が小さいので、肺も小さいはずだと思ってて。だから自分が普段歌うときの3分の1や2分の1くらいで息継ぎを無理やり入れて、“子どもが頑張って歌ってる感じ”を表現してみました。感想を見ているとき、それに気づいてらっしゃる人がひとりいらっしゃって。「息継ぎが細かくて子どもっぽくていい」と書いてあって「伝わってる!」と嬉しくなりました。私の友人からも「テーブルの上でスプーンをマイク代わりにして歌っているプリルンの姿が浮かぶ」と言ってもらえて嬉しかったです。

──息継ぎまでこだわっていたとは……!

南條:はい(笑)。セリフもこまめに(息継ぎを)取るようにしてるんですけど、セリフの尺が決まっているので「そこは一息でください」ってこともあって。そこは作品を作る上で仕方ないなと。ただ、自由なときは細かく息継ぎをするようにしています。

 

 

──すごい……! プリルンから伝わってくる天性のかわいらしさやピュアさは、南條さんの試行錯誤あってのものなんだなと改めて感じさせられます。一方で、妖精であるプリルンの声で歌うというのは難しさもあると思いますがどうなのでしょうか。

南條:テンションもキーも高めなので、最初は「歌えるかな?」という気持ちもあったんですけど、いざ歌い始めたら楽しすぎて。〈ぜんぶ オッケー GO!!〉のところも全然イケるって。「私、こんなに声が伸びるんだ?」と驚いたくらいでした(笑)。

その後「2人の声が合わさった仮の状態の音源があるよ」って仮ミックスの音源を聴かせてもらったときに、音痴に歌った部分がきれいに修正されてしまっていて(笑)。あえて音痴に戻してもらいました。普段は逆なんですけど「これはわざとです!」と(笑)。

──(笑)。まさに“キャラソン”という仕上がりですね。子どもたちが絶対に喜ぶだろうなって。

南條:あ、本当ですか。ここまでキャラソンらしいキャラソンって今日日滅多に出会えないというか。どちらかというと、キャラクターのイメージソングとして格好良く歌うものや、しっとり聴かせるものが多かったので、それももちろん楽しいのですが、キャラ要素100%でむしろお芝居っぽく歌える今回の楽曲は本当に楽しかったですし、子どもたちに一緒に踊ってほしいですね。もうできることなら、ライブ当日はプリルンの着ぐるみを着て歌いたいくらい(笑)。脳内では完全にプリルンとメロロンで歌っているので、人間体としてどう歌うか……。

──人間体(笑)。

南條:でもそういうギャップを感じさせないくらい、この曲の持ち味を聴かせることができたらと思っています。

 

キッスの声が曲に深みを出してくれている

──「なかよしJ♡YFUL」とは打って変わって、「Awakening Harmony」はシリアスで雰囲気もがらりと変わります。この曲の収録の時に、プリルンの記憶がなくなってしまうことを聞いたそうですね。

南條:実はこの曲を録った時点では、まだズキューンというキャラクターのキャラ絵しかない状態だったので、「どういう仕草をする子なんだろう?」「どんなテンション感なんだろう?」と想像するしかない状態で。この日は今(千秋)さん(シリーズディレクター)もいてくれたので、「どういう経緯でこの曲を歌うことになるんですか?」と質問したところ、「忘れる……!?」と一回ガーンとなって。でもだからと言って、ズキューンのキャラクター性が分かるわけではなかったので、この姿から想像して……。

「メインの3人よりは少しお姉さんで、かっこよさもあるけど可愛らしさも持っている。だから、どちらにも振れるように」と思い、声のラインを探りながら収録に挑みました。
正直“まだ未知数”の状態でした。ただ、キラキランドを救いたいというところは変わらなかったので、込み上げてくる熱い想いを意識していて。特に後半のサビに向けてどんどん感情を高めていき、最後は熱い思いを解放するように歌っています。

 

 

──高森奈津美さん(キュアキュンキュン役)からも「子どもたちにとって今まで聴いたことのないタイプの曲になるんじゃないか」とおっしゃっていました。確かにそうだなって。

南條:そうかもしれないですね。確かに「みんな一緒に!」と盛り上がる曲ではなく、シンフォニックでかっこいい楽曲ですよね。

──ふたりのハーモニーも、どこか神々しいというか。

南條:嬉しいです。キッスとの掛け合いや向き合う感じを大切にしてはいたのですが、ただ当時は、実際に2人の声が重なった時にどんなハーモニーになるのかはまだ分からなくて。本当に“今の自分にできる精一杯”を込めるしかなかったですね。

──実際に完成した「Awakening Harmony」を聴かれて、いかがでしたか?

南條:びっくりしました。みーちゃん(キュアキッス/メロロン役・花井美春さん)が、低めで艶があって奥行きを感じさせるような声で歌っていて。ミステリアスだけど怖くなく、優しさもあるという声色で「こういう声も出せるんだ!」と、みーちゃんの声にまず驚きました。めっちゃ素敵だなあって。ズキューン、キッスの声が合わさったときの雰囲気もすごく……なんていうんだろう。キッスが深みを出してくれて、ズキューンは高音の張りを担当するような形になって。ふたりの声が合わさると、本当にひとつの声のように聴こえて、すごく心地よかったです。

ただ、みーちゃんはハモったり主線にいったり難しいパートを担当してくれてるので、「支えてくれてありがとう」というか……。その“支えてくれる感じ”が、まるでキッスとズキューンの関係性そのもののようで、頼もしくてありがたかったです。

 

一人ひとりの“キミ”の人生に寄り添うような曲も

──アルバムには自己紹介曲である「We are!You & IDOL PRECURE♪」も収録されていますね。

南條:とっても賑やかで楽しい曲です。村瀬さん(東映アニメーションの村瀬亜季プロデューサー)が「アイドルだから自己紹介ソングは絶対やりたい」ということで、形になった曲と聞いています。私自身、自己紹介ソングを歌う機会はあまりなかったので新鮮でした。自分のパートを歌いながらも「他のみんなはどう自己紹介しているんだろう?」と気になって仕方なくて(笑)。聴いていると「早く次を聞きたい!」と思うのに、同時に「今歌っている人もじっくり聞きたい!」という気持ちもあって、すごく混乱していました。
ライブ当日は夢中になって聴いて自分の出番を忘れそうで怖いです(笑)。5人それぞれの個性が出た曲なので、すごく楽しいステージになると思います。

 

 

──さらに、プリキュアたち5人による「GARDEN」も。

南條:「GARDEN」は本当に歌詞が素敵で。『キミとアイドルプリキュア』というタイトルにある“キミ”という言葉は、この作品を一緒に楽しんでくれているすべての人を指していると思うのですが……その中には、きっと「誰ひとり置いてきぼりにしない」という気持ちがあるんだろうなって。大事にする特定の“キミ”、大事にされない“キミ”はいなくて、みんな大事で、キラッキラで、大好きな“キミ”。その“キミ”を置いてきぼりにしない感じが「GARDEN」には詰まっているなって。サビに「〈春と夏生まれにも〉〈秋と冬生まれにも〉と歌詞で具体的に呼びかけてくれるのも、自分のことを歌ってもらっているように感じられると思います。不特定多数の「みんなー!」って呼びかけではなくて、まるで自分だけを見てくれているような瞬間がある。

そんなふうに一人ひとりに目を合わせてくれるアイドルなんて、最強じゃないですか。その最強であり理想でもあるようなアイドル像が、この曲には表れているように思います。ひとりじゃないんだ、という温かさを感じられる。その温かさというのは「ほっこり」するというよりも、胸を打つような感動に近い。大人な曲だなって思いますね。小さい頃に「夏生まれの僕も歌ってもらった!」と記憶に残って、大人になったとき「やっぱり『キミプリ』好きだったなぁ〜」とふと聴き直したらものすごくグッとくるんじゃないかなって。何歳のときでも、寄り添う曲になるんじゃないかと思います。

 

 

『キミプリ』を通して改めて音楽の持つ力の大きさを実感

──ボーカルアルバムには収録されていない曲ではありますが、アイドルプリキュアの新たなステージ曲「キミとシンガリボン」についても教えて下さい。エモーショナルな曲ですよね。

南條:本当に疾走感のある楽曲で、エモーショナル。爽やかさや可愛さもあるのに、同時にかっこよさもあって。曲全体にもその熱量が反映されている感じがします。バトンを持ってみんなで振りをしていて、その姿もめちゃくちゃ印象的です。私自身、まだステージのラフの映像しか見られていない段階なので、完成版のアニメーションを楽しみにしています。本当にカッコいいの一言に尽きます。

──まさに“アイドルの強さ”を感じさせる楽曲ですね。

南條:そうですね。アイドルって可愛いだけじゃなくて、見えないところで地道に努力を積み重ねていたり、人前では笑顔でい続けたりと、本当に強さが必要な存在だと思うんです。その精神的な強さや「みんなを笑顔にしたい」という純粋な気持ちが、この曲からすごく伝わってきます。

 

 

──後期ED曲の「キミとルララ」についてはいかがでしょうか?

南條:すごく可愛らしい曲です。ノリが良くて、跳ねながら聴きたくなるような爽やかさがあって。ドライブソングにも合うし、お散歩しながら聴くのも良さそう。特に春にぴったりだと思います。アニメーションも花びらが舞っていて本当に綺麗で、前にいる5人はもちろん、思わず背景まで見入ってしまいました。解像度が高すぎて「8Kかな?」って思うくらい(笑)。「Trio Dreams」とはまた違った魅力があって、トリオが元気いっぱい弾けていたのに対して、「キミとルララ」は柔らかい風に吹かれているような心地よさを感じました。

──そして映画では、プリキュアの5人による主題歌「♪HiBiKi Au Uta♪」に加えて、さきほど話題に上がった『わんだふるぷりきゅあ!』のカバーも歌われています。

南條:「♪HiBiKi Au Uta♪」のレコーディングの時はまだ劇場版のストーリーを知らなかったんです。劇場版オリジナルソングと聞くと、つい“熱い”“疾走感がある”“かっこいい”といったイメージを持ってしまうんですが、実際はすごく優しい、エンディングにかかりそうな雰囲気で、「どういうふうに本編で活かされるんだろう?」と。

で、音楽チームに「どんな場面でかかるんですか?」って聞いたら「大きな戦いが終わった後のハッピーな感じで……でも、すべてが完全に解決したわけではないんですけど、良い感じのところで流れる感じです」と聞いて、結局曖昧(笑)。「良い感じの曲ってことですね!?」みたいな感じで。でも、楽曲そのものが素敵だったので、そこに身を委ねて歌えば良いのかなって。後日、劇場版の台本をいただいて実際に「ここで流れる」と知った瞬間、「ああ、確かに!」と、その説明に納得しました(笑)。パズルのピースがハマったくらいのスッキリ感がありましたね。「これはまさに劇場版オリジナルソングだ!」って。

単体で聴いても素敵な曲ですが、劇場版のストーリーやキャラクターの背景を知った上で聴くと、具体的にいろいろな場面が思い浮かびます。劇場版と合わせて味わってほしい一曲ですね。

 

 

──スクリーンで見たら音と映像が一体となった迫力に圧倒されそうです。

南條:劇場版は後半に行くにつれてライブシーンがとんでもない盛り上がりになっていくんです。応援に駆けつけてくれる『ひろプリ』(『ひろがるスカイ!プリキュア』)、『わんぷり』のプリキュアたちが登場したとき、そこに音楽がつくことで、よく分からないのに涙が出てしまう。これまでもさまざまな音楽作品に携わらせていただきましたが、改めて音楽の持つ力の大きさを実感しました。自分自身のソロ活動においても、多くの楽曲と出会わせていただきましたが、それに対してもありがたいなと改めて思いましたね。そういうことを考えながら、劇場版に参加していました。作ってくださった方々の熱量が作品にしっかりと込められていて、そういうものに触れられるのは本当に幸せなことだなと……歳を重ねるたびに思います。

──『わんぷり』の「わんだふるぷりきゅあ!evolution!!」のカバーはいかがでしたか。

南條:めちゃくちゃ楽しかったです! この曲をキッスと一緒に歌えたのがすごく嬉しくて。だって、〈大好き止まらない〉というわちゃわちゃ仲良しな曲をキッスと2人で歌えるなんて!と楽しさが倍増しました。テンションが高い曲だからキッス的には難しさもあったかもしれませんが(笑)、ズキューン的には「キッスと歌えてたっのし〜!」という感じの気持ちで、気づいたら曲が終わっちゃった、みたいな感じです(笑)。ズキューンの可愛さみたいなものが出たら良いなと思っていたのですが、ハートはプリルンなので、動物にも近いところがあって(笑)。プリルンの無邪気さやわんこのような“楽しい!”という雰囲気を出せたらいいなと思っていました。歌いながら脳内で、プリルンといっしょに遊んでるこむぎちゃんが駆け巡っていて。そんな妄想もしつつ、明るく、楽しく歌わせていただきました。

──お話をうかがって、『キミプリ』には本当にいろいろなタイプの楽曲があるなと改めて実感しました。ボーカルアルバムを通して聴かれたときにはどのような印象がありましたか?

南條:すごく多彩な曲が収録されていて、本当に聴きごたえがありました。プリルンとメロロンの曲があるように、うたちゃん、ななちゃん、こころちゃんのソロ曲もあって、それぞれのキャラクター性が出ていて楽しいですし、アイドルとしてではない3人が歌うことで、もっと身近に歌ってくれているように感じられて、ぐっと距離が近づいた気がしました。

 

「キラッキラッター!」と言いながら帰ってもらえるように

──今回のライブグッズについてもうかがえればと思うのですが、南條さん的に気になるグッズはありますか?

南條:どれも可愛いんですよ! 特に連結アクリルキーホルダー。超偶然なんですけど、この間うちのグッズでも連結キーホルダーを出しているので、つなげることができます(笑)。タオルクリップもいろんなところに挟んで使えそうだし、スマホショルダーもシンプルに言って可愛い。缶バッジやジャンボうちわもデコりがいがあって、キラキラさせて使ってほしいですね。それと今回、シンガーさんたちの衣装をプリルンたちが着ていて、それもかわいいです。そして、足もかわいい(笑)。私はプリルンの足が大好きなんです。いやーもう全部かわいい。全部買います(笑)。

 

 

──このリレーインタビュー恒例で次の方に質問をバトンしていきます。高森奈津美さんから「どういう心持ちでライブを楽しんでいるのかを知りたい」という質問が届いています。

南條:私の場合、ソロか作品かによって多少違いますが、一貫しているのは“お客さんとその場を一緒に楽しむ”ということです。ライブって全員にとって一期一会じゃないですか。「みんな!」って呼びかけてもその場にいる誰か一人が違うだけで雰囲気も変わるし、同じ曲を歌っても毎回違うものになると思うんです。何百回、何千回とライブをやったとしても、1回も同じライブはなくて。その空気を共有することを大切にしています。

MCひとつにしても、賑やかな会場もあれば、静かに聴いてくれるひとたちの多い会場もあって。でも笑ってくれるところは笑ってくれるから「どうしたらもっと笑ってくれるかな」と考えるし、その場の空気に合わせて少し遊んでみたり。その日しかない空気を楽しむ感じです。

──いいお話です。日常生活でも、その場その場の空気感を楽しまれているんだろうなと……。

南條:いや、そんな丁寧な暮らしをしてないですよ(笑)。その分、私生活は雑です。

──(笑)。では、次の花井美春さんへのバトンをお預かりできればと思うのですがいかがでしょうか。

南條:お芝居をするうえでなにをいちばん大事にしているか、を聞いてみたいです。お芝居全般でもいいですし、メロロンやキッスを演じるにあたってでも。改まって聞ける機会だからこそ、ぜひ聞いてみたいですね。

──承りました! では最後にプリキュアライブを楽しみにしている方に一言お願いします。

南條:私自身、とても楽しみにしています。この日1日で『キミプリ』の楽曲をたくさん聴いていただけますし、もう汗と一緒にいろんな想いを会場に置いていくくらい、「楽しみだな」って気持ちだけ持って遊びにいらしていただけたらと思っています。小さいお友だちも、大きいお友だちも、みんなが「幸せで満たされた」と感じて、最後は「キラッキラッタ〜」って言いながら帰ってもらえるような、浄化されるライブにしたいと思っています。ぜひ楽しみにしていてください。

 
[インタビュー/逆井マリ]

 

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