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ボクシング歴代年間最高試合 ファンの記憶に刻まれる名勝負の数々

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井上尚弥,Ⓒゲッティイメージズ

2024年度MVPは井上尚弥

ボクシングの2024年度年間優秀選手表彰式が3月31日、東京都内で行われた。男子最優秀選手賞(MVP)は4団体統一世界スーパーバンタム級王者・井上尚弥(31=大橋)が7年連続8度目の受賞。技能賞とKO賞を受賞したWBCバンタム級王者・中谷潤人(27=M・T)に東京ドームでの対戦を呼びかけ、会場を盛り上げた。

プロ男子の部の受賞選手は以下の通り。

■最優秀選手賞 井上尚弥(大橋)7年連続8回目
■技能賞 中谷潤人(M.T)初
■殊勲賞 堤聖也(角海老宝石)初
■努力・敢闘賞 那須川天心(帝拳)初
■KO賞 中谷潤人(M.T)初
■新鋭賞 増田陸(帝拳)初
■年間最高試合賞(世界)井上尚弥vsルイス・ネリ
■年間最高試合賞(世界戦以外)村田昴vs山﨑海斗

年間最高試合は2015年度から世界戦と世界戦以外を別々に選出

例年、MVPとともに注目されるのが年間最高試合だ。プロボクサーとして観衆を魅了する熱いファイトを評価されることは誇らしいだろう。勝ち試合に限らず、健闘及ばず敗れた試合が選ばれることもある。

2015年度から世界戦と世界戦以外を別々に選出しているが、かつては世界戦以外でも年間最高試合に選ばれることがあった。歴代の主な年間最高試合は以下の通りとなっている。

1989年はマーク堀越vs高橋ナオト

1949年は、後に日本人初の世界王者となる白井義男が日本王座を奪取した堀口宏との日本バンタム級タイトルマッチ。1960年代にはフライ級、バンタム級を2階級制覇したファイティング原田のポーン・キングピッチ戦やエデル・ジョフレ戦が並ぶ。

1971年は金沢和良が14回KOで惜しくも敗れたルーベン・オリバレスとの死闘。1973年は世界フライ級王者・大場政夫がダウンをはね返して12回逆転KO勝ちしたチャチャイ・チオノイ戦が選ばれた。5度目の防衛に成功した大場は、この試合の3週間後に交通事故死し、「永遠のチャンプ」と呼ばれている。

1970年代後半は具志堅用高、1980年代前半は渡辺二郎の試合が並ぶ。1986年は浜田剛史がレネ・アルレドンドを1回で倒した世界スーパーライト級タイトルマッチ。両国国技館に座布団が舞う中、仰向けに倒れたアルレドンドとニュートラルコーナーから動かない浜田のコントラストは日本中を感動させた。

1989年は今も語り継がれる名勝負、マーク堀越vs高橋ナオトの日本スーパーバンタム級タイトルマッチ。両者ダウン応酬の末ベルトを巻いた高橋がボクシング史に残る激闘を演じた。

大橋秀行会長も1990年の崔漸煥戦が選出

井上尚弥が所属する大橋ジムの大橋秀行会長も選ばれている。1990年2月7日、崔漸煥を左ボディアッパーで倒し、日本選手の世界挑戦連続失敗記録を「21」で止めた。その4日後には東京ドームでマイク・タイソンがジェームス・ダグラスにKO負けし、ボクシング界が大きな注目を浴びた1週間だった。

1991年は辰吉丈一郎がグレグ・リチャードソンにKO勝ちして8戦目で王座獲得した世界バンタム級タイトルマッチ。1994年には薬師寺保栄と辰吉丈一郎が雌雄を決した世界バンタム級王座統一戦が選出された。

2000年は畑山隆則が「平成のKOキング」坂本博之に10回TKO勝ちした世界ライト級タイトルマッチ。大橋ジム初の世界王者で、井上尚弥の先輩にあたる川嶋勝重が徳山昌守を1回で倒した2004年の世界スーパーフライ級タイトルマッチも選ばれている。

王者と挑戦者の立場を入れ替えて戦った長谷川穂積vsウィラポン・ナコンルアンプロモーションは2005、2006年に連続受賞。長谷川は2010年のフェルナンド・モンティエル戦も選出されている。

西岡利晃も2009年のジョニー・ゴンサレス戦、2011年のラファエル・マルケス戦が選出。2012年は井岡一翔と八重樫東が戦った世界ミニマム級王座統一戦だった。

2024年は井上尚弥vsルイス・ネリ

井上尚弥が初めて年間最高試合に選出されたのは2014年のオマール・ナルバエス戦。11度防衛中だったナルバエスが自身初のダウンを奪われて2回KO負けした。試合後、井上尚弥のパンチがあまりに強すぎるため、グローブに鉛が入っていることを疑ってチェックさせた逸話は有名だ。

2019年のノニト・ドネア戦は井上が最も苦戦した試合のひとつだろう。2回にドネアの強烈な左フックを浴びて右まぶたをカット。流血しながら死闘を演じ、判定勝利を収めた。

2023年は当時WBC・WBOスーパーバンタム級王座を保持していたスティーブン・フルトンに挑戦。バンタム級からの転向初戦で不安視する声もあったが、見事なノックアウトで4階級制覇を果たした。

2024年は記憶に新しいルイス・ネリ戦。大橋会長が現役時代に後楽園ホールで世界王座を獲った4日後、タイソンがぶっ倒れた東京ドームで、愛弟子の井上がリングに立った。初回に人生初のダウンを喫したものの、地力の差を見せつけて6回TKO勝ち。世界トップクラスの実力を証明した。

井上は今後、5月にアメリカ・ラスベガスでラモン・カルデナスと、9月に日本でムロジョン・アフマダリエフと、12月にサウジアラビアでニック・ボールと戦うプランが報じられている。

3年連続で年間最高試合に選ばれるか、あるいは他の選手がそれらを上回る激闘を見せるか。ボクシング界をさらに盛り上げるような熱いファイトが期待される。

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記事:SPAIA編集部

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