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美しい作画で引き込まれるホラーの世界──2025年夏アニメ『光が死んだ夏』第1話「代替品」を振り返ろう! 次回の注目ポイントもご紹介!

アニメイトタイムズ

写真:アニメイトタイムズ編集部

2025年7月より放送が始まったTVアニメ『光が死んだ夏』。原作はモクモクれん先生による漫画『光が死んだ夏』で、KADOKAWAのWebコミックサイト「ヤングエースUP」にて連載されている人気作品です。

三重県の山奥の集落に住む辻中佳紀は、半年前に山で一週間行方不明になって戻ってきた親友・忌堂光の中身が人ではないナニカになっていることに気づいてしまいます。光を失った悲しさから、その代わりとしてヒカルを受け入れることにしたよしき。葛藤しながらヒカルとの日常を過ごすよしきと、村で起こる不可解な出来事が描かれた異色の青春×ホラー物語です。

7月5日には第1話「代替品」が放送されました。美しい日本の夏の風景と狂気に満ちたホラー要素に、初回放送から多くの視聴者を魅了している様子がSNSからうかがえます。

本稿ではそんな本話を振り返り! SNSの反応などに触れながら内容を振り返っていきましょう。さらに、第2話の注目ポイントもお届けします!

※本稿には第1話のネタバレ要素が含まれます。

【写真】2025年夏アニメ『光が死んだ夏』第1話「代替品」振り返り

アニメーションで引き立つ恐怖&狂気

夏らしいホラー要素が魅力の本作ですが、アニメでは原作以上に恐怖と狂気を感じる演出になっていましたね。SNSに寄せられた感想には「思ってた以上に怖かった…」「夜に観るんじゃなかった」「ちゃんと怖くて嬉しい」との声が多数。

中でも、視聴者の恐怖を掻き立てたのは松浦のおばあちゃんのシーン。ヒカルを見て泣き叫ぶ姿は狂気たっぷり。原作にも登場するシーンですが、丁寧な作画と動きや声によってリアリティが増しており、一気に恐怖に飲み込まれました。

その後、彼女が殺されてしまうシーンでは、まさに人ならざるナニカが登場。実態の掴めない姿や雑音の入った声にドキドキしながらも見入ってしまいました。

また、よしきとヒカルの日常が丁寧に丁寧に描かれている点もとても印象的でした。端から見るとごく普通の高校生であるからこそ、人ではないナニカが人里に溶け込んでいる恐ろしさをより強く感じられました。

自身を「はちゃめちゃにバケモン」というヒカル。日常に紛れ込んだ彼の存在が、今後集落にどのような影響を及ぼしていくのでしょうか……。

見惚れてしまうほど丁寧で美しい作画

視聴者が作品世界に引き込まれたのは、丁寧で美しい作画の力も大きいようで「作画がめちゃくちゃ綺麗でよかった!」との声もSNSに寄せられています。

特に風景作画が本当に美しくまるで映画のよう。よしきたちの暮らすクビタチ村を囲む豊かな自然が丁寧に描かれており、日本の古き良き田園風景に触れることができます。

溶けて滴るアイスやそれに群がる蟻などひとつひとつの描写も細かくリアリティがあり、「それだけでも見ごたえがある」との声も。台詞やキャラクターの登場がない風景画だけのシーンについ見惚れてしまった方も多いはず。美しい画にはそれだけで人を惹きつける力があるのだとひしひしと感じました。

そうやって作画の美しさに見惚れているうちに作品世界に引き込まれるため、ホラー要素が一層怖く感じるのでしょうね。

オリジナルシーンで登場人物勢ぞろい&伏線盛りだくさん!

「アニメオリジナルシーンが多くてびっくりした」という声も多く寄せられている本話。冒頭の光を捜索するシーンもアニメ独自の演出で、ここから一気に物語に引き込まれたという方も多いのではないでしょうか。

また、オリジナルカットとともに原作第1話には登場しないキャラクターも続々と登場。彼らの言動によってヒカルの正体やクビタチ村の因習などに関する伏線も張られていきました。

会社から派遣されてきたという謎の男・田中と、その会社が何百年も探し回っているというナニカ。たい焼き屋で立ち話をする女性・暮林理恵は、ヒカルの気配に何かを感じ取った様子。また、よしきたちの同級生・山岸朝子もヒカルを見て何かに気づいたような表情を見せていました。

さらに、松浦のおばあちゃんが殺されるシーンでは瞬間的に女児が行方不明になった事件の新聞記事が差し込まれた他、「のうぬきさま」に怯える老人や「忌堂の儀式が失敗した」と話す男性たちの描写も。

“忌堂”とは光の苗字です。よしきの記憶に残る最後の光は「山に行く」と言っていました。その結果、行方不明となったようですが、入山したのは“忌堂の儀式”のためだったのでしょうか。儀式とヒカルとの関係は……? 謎が解き明かされていくことが期待される次回以降も目が離せません。

よしきの孤独と村の閉塞感

本話ではよしきの孤独もより顕著に描かれていたように感じました。というのも、光が死んでしまった事実を知るのはよしきひとりだけ。周囲の人々は光は生きて戻ってきていると思っているのです。

親友の死を自室でいくら嚙みしめても、一歩部屋を出れば、そこは光が生きている世界。家族や友達にそのつらさを打ち明けることも共有することもできません。元々内向的な性格ではあるようですが、このことがよしきをより内にこもらせてしまっているようです。

そんな彼に対して、村の住人たちはプライベートなことにも容赦なく踏み込んできます。それが顕著に感じられたのは、辻中家の朝の描写です。おすそ分けを持ってきた隣人の女性が起きてきたよしきに対して「昨日遅くまで何しとったん。ずっと電気ついとったよ」と一言。女性にとってはただのコミュニケーションなのでしょうが、よしきはデリカシーのなさに辟易している様子がうかがえました。

また、父親から声をかけられても反応しない姿や物語後半の両親の激しい口論から、家庭環境もあまり良いものとは言えない様子。そんな環境だからこそ、親友である光の存在はよしきにとって唯一の救いだったのでしょう。代替品であってもそばにいてほしいと思うほどに。

最後の「おやすみひかる」はアニメオリジナルの台詞。親友・光に対しての弔いの言葉だと考えられます。

次回の見どころ

次回もホラー要素は大きな見どころとなるでしょう。よしきたちは友人の巻ゆうたの頼みで、彼の通学路である林道をいっしょに通ることに。なんでも、林の方を見ようとしてもなぜかそちらに目をやることができず、道しか見ることができないのだとか……。

さらに、日々を共に過ごすよしきとヒカルは、少しずつ仲を深めていきます。彼らの関係の変化が、美しい作画とアニメオリジナルの演出でどのように描かれていくのかが楽しみです。

また、第1話では流れなかったVaundyさんによるOPテーマ「再会」やTOOBOEさんによるEDテーマ「あなたはかいぶつ」にも注目したいところ。見どころたっぷりな第2話にも期待が高まります!

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