チョッパーを選んだ理由とは? ベテランH‐D乗りがチョッパーで謳歌する自由
ルール無用の自己表現の手段であり、そしてサイコーの自己満足といえるチョッパーという乗り物。チョッパーのスタイルが無限にあるように、チョッパーを愛する理由や楽しみ方もチョッパー乗りの数だけあるはず。そこで今回はチョッパーを愛してやまない「ウエストライド」の代表中井さんのスタイルにフォーカス。
正解の数は無限、チョッパーは“自由の象徴”。
自身のバイクライフの経験から、クラシカルかつタフなアパレルやギアを生み出す「WEST RIDE(ウエストライド)」の代表中井浩之さん。本誌ではおなじみのベテランハーレー乗りであり、さまざまなスタイルのH‐Dを所有するが、そこには常にパンヘッドのチョッパーがある。
「チョッパーの美点は、何より軽さと整備性の高さ。余分なパーツがないから軽くて扱いやすいし、旧いバイクのトラブルはあっても、外装も配線もシンプルだから自分で整備しやすいのもメリットです。シッシーバーがあれば旅の荷物も積載できるし、走って自由を感じられるのはもちろん、チョッパーはいじり方の正解がいくらでもあって、ルールがないようなもの。自分にとってはチョッパーが自由の象徴なんです」
自宅ガレージでも道端でも、極力自分でメインテナンスやカスタムを行う中井さんがチョッパーを選ぶのは、整備性というプライベーターらしい視点が含まれるのも特徴だ。装備はミニマルだが、走りと整備性、荷物の積載能力を兼ね備えるチョッパーには旅に必要な機能が詰まっている。全国を走り回りながら自由を謳歌するために欠かせない存在なのだ。
チョッパーに荷物を縛り付けて全国を走り回る。下は韓国SHAKE PISTONのGさんを訪ね、釜山〜清州〜ソウルを走った際の一葉。「バイクで知り合った仲間と新たな街を走る。出会いもトラブルも含めてすべてを楽しめる乗り物です」
photo/@a91watanabe
H-D PANHEAD“THE BLOOD LINE”
何度も姿を変えながら30年以上走り続ける愛機。昨年の「HCS」に合わせ、アメリカンカルチャーの憧れの原点である1952年をコンセプトにリメイクし現在の姿へ。ドラッグレースにも参戦していたが、エンジンをストリート仕様に変更。ビッグモーターやダブルディスクブレーキ、シッシーバーなど、中井さん流儀の旅に必要な機能を備えている。
エキゾーストはハイパイプのサンダーヘッダーを装備。スポーツスタータンクはチョップしてナロードして、タンクキャップをリロケート。フレイムスやスカルはペイントショップイザナイの仕事。オープンプライマリー化して、BDL強化クラッチ、Baker6速ミッションを搭載。エンジンパフォーマンスに合わせてアップデートされている。
中井さんのプライベートのガレージにはパンヘッドを中心に、チョッパーやフルドレス、レーサーなどさまざまなスタイルが並ぶ。基本的なメインテナンスはここで自ら行っている。
4インチオーバーの35φフォークにKEN CHOPPERSがワンメイドしたロングスライダーをセット。心臓部はもともとアキュレイト・エンジニアリングにオーダーした排気量106ciだが、97ciに落としS&S製Bキャブレターを装備。街乗りも高速走行も幅広いレンジを網羅。1952年のワンイヤーのカムカバーがオーナーのこだわりだ。