パフォーマンスを通してけん玉の魅力を伝える「けん玉パフォーマー GATAKEN」。
いろいろなイベントやメディアでパフォーマンスを披露しながら、けん玉の楽しさを伝えている「けん玉パフォーマー GATAKEN(ガタケン)」。その存在を知り、代表の長谷川さんに連絡を取って取材をさせてもらうことに。指定された場所を訪れてみると、そこはたくさんの絵本やおもちゃ、遊具のあるスペースでした。
けん玉パフォーマー GATAKEN
長谷川 哲朗 Tetsuro Hasegawa
1989年燕市(旧分水町)生まれ。千葉県の大学を卒業後、新潟県へ戻って保育士として働きはじめる。2013年よりけん玉にハマり、数年後に「team GATAKEN(チームガタケン)」を結成。その後は保育士を続けながら「けん玉パフォーマー GATAKEN」として様々なイベントやメディアに出演し、けん玉の楽しさを伝え続ける。最近ではけん玉以外にもシャボン玉やバルーンを使ったパフォーマンスにも挑戦している。
古くさい遊びだと思っていたけん玉のイメージが変わった。
——今日はよろしくお願いします。ちなみに、こちらはどういった施設なんですか?
長谷川さん:ここは子育て支援センターや放課後児童クラブなどがひとつになった、総合子育て支援施設なんです。僕はここと同じ法人が運営している保育園で、保育士をやっています。
——そうだったんですね。長谷川さんはどうして保育士になろうと思ったんでしょうか?
長谷川さん:中学時代の職業体験授業がきっかけなんです。もともと子ども好きで親戚の子と遊んであげることが多かったので、いくつかある体験先から保育園を選びました。そこで出会った男性保育士さんに影響を受けて、保育士を目指すようになったんです。
——ふだん保育士として心掛けていることはありますか?
長谷川さん:子ども達が興味を持って行動できるように、どうしたら楽しませることができるかを大切にしています。今まで僕が学んできたものを子ども達にたくさん伝えることができるよう、普段から経験の引き出しをどれだけ多くできるか意識しているんです。
——なるほど。そんな長谷川さんが、けん玉と出会ったのはいつ頃なんでしょう?
長谷川さん:26歳のときに、動画投稿サイトで見たけん玉に衝撃を受けたんです。それまでの僕は、けん玉を古くさい遊びだと思っていました。ところが海外の若者達がけん玉で遊んでいる動画では、投げたり蹴ったりする見たことのない技を繰り出していて、今までのけん玉に対するイメージがくつがえされたんですよ。
——それでけん玉にチャレンジしてみたんですね。
長谷川さん:保育園のおもちゃのなかにけん玉があったので、動画の若者を真似してやってみました。でも全然上手くできなかったので悔しくって「自分より年下の彼らにできて、自分にできないわけがない」と言い聞かせながら、毎日仕事が終わってから夜中まで練習していたら1週間後にできるようになったんです。
——おおっ、それはすごい!
長谷川さん:せっかくできるようになったので保育園の子ども達に披露してみたら、想像以上のリアクションがあって驚くと同時に嬉しかったんです。こんなに喜んでもらえるならもっと見せてあげたいと思って、次々と新しい技を覚えていきました。
——「team GATAKEN」を結成したのは、どういういきさつがあったんでしょうか?
長谷川さん:けん玉の楽しさをたくさんの人々に伝えたいと思うようになって、大阪で開催されたけん玉指導者育成の講習会を受けました。そのときに全国から集まった人たちと仲良くなり、みんなと公園で夜通しけん玉を楽しんだんですが、レベルの高さを感じると共にお互いに教え合える仲間の素晴らしさを感じたんです。それで新潟に帰ってから仲間を集め「team GATAKEN」を結成しました。
——「team GATAKEN」ではどんな活動をしていたんですか?
長谷川さん:自分たちの腕を磨きながら、けん玉の魅力を伝える活動をしていました。道の駅やイベントでけん玉ワークショップを開催したり、小学校でけん玉を教えたりしていたんです。でもだんだんパフォーマンスだけを求められるようになって、パフォーマンスメインのグループになっていきました。
——どんなパフォーマンスをやっていたんでしょう?
長谷川さん:大けん玉や紐なしけん玉を使って、音楽に合わせたパフォーマンスをやっていました。大けん玉はインパクトもあって遠くの席からも見やすいし、紐なしけん玉はコントロールが難しいけど自由度が高いんです。
県内外のいろいろな場所で、けん玉の魅力を伝えたい。
——今はひとりで活動されているんですよね。
長谷川さん:それぞれの生活環境が変わっていったことで、みんなで集まることが難しくなっていったんです。そこで「けん玉パフォーマー GATAKEN」として、ひとりでパフォーマンスをするようになりました。
——「NHK紅白歌合戦」にも出演しているんですよね。緊張したでしょう。
長谷川さん:歌の最中に128人がけん玉リレーをつないでいって、「連続してけん玉をキャッチした人の最も長い列」というギネス記録に挑戦したんです。1年目は失敗に終わって、2年目にリベンジして成功しました。でも128人のうちのひとりでしたし、順番が来たらけん玉を皿に乗せるだけだったのでそれほど緊張しなかったですね(笑)
——そうだったんですね。
長谷川さん:それよりも西蒲区の中之口地域で開催された「中之口まつり」に出演したときの方が緊張しました。地域すべての人が集まったんじゃないかっていうくらい多勢の観客と、お笑いコンビのロッチさんが見ている前でパフォーマンスしたんですよ。
——ちなみに、活動のなかで特に力を入れていることってあるんですか?
長谷川さん:毎年「リバーサイド千秋」の広場で開催している、けん玉に触れてもらうイベントです。けん玉のパフォーマンスや体験会以外に、オーケストラ演奏やバルーンパフォーマンスなんかも楽しんでいただけます。今年は6月22日に開催する予定なんです。
——そうしたイベントをきっかけに、けん玉に興味を持ってくれる人が増えるといいですね。
長谷川さん:けん玉に興味を持ってくれる人は多いんですけど、続けられる人は少ないんです(笑)。上手くできないと諦めてフェードアウトしちゃうんですよ。そうならないためにも、一緒に楽しめる仲間やライバルを見つけることをオススメします。親子で楽しむのもオススメですね。
——なるほど。では、けん玉の魅力ってどんなところにあると思いますか?
長谷川さん:身体も頭も鍛えられることですね。けん玉の動きは基本的にスクワット運動ですし、バランスを取るために体幹も鍛えられます。また技を成功させるためにはどうしたらいいのか考えるので、そうしたプロセスを楽しむことができます。そして成功したときの達成感を、ぜひ味わっていただきたいですね。
——ありがとうございます。では今後やってみたいことがあったら教えてください。
長谷川さん:いろいろなパフォーマーさんとの出会いを通して、シャボン玉やバルーンパフォーマンスにも興味を持つようになったんです。ですから今後はけん玉にシャボン玉やバルーンを組み合わせたパフォーマンスを生み出したいですね。それから県内外でまだ行ったことがない場所を訪れて、けん玉の楽しさを伝えていきたいです。
GATAKEN