スイスの絵本作家3人を紹介、菰野町のパラミタミュージアム
三重県菰野町のパラミタミュージアムで12月5日、「こわくて、たのしい スイスの絵本展 クライドルフ、フィッシャー、ホフマンの世界」が始まった。スイス出身の3人の絵本作家を紹介しており、作品の背景にあるスイスならではの自然や風俗、伝説などを感じることができる。2月1日まで。
取り上げているのはエルンスト・クライドルフ(1863~1956)、ハンス・フィッシャー(1909~1958)、フェリックス・ホフマン(1911~1975)。クライドルフはアルプスの植物や昆虫を擬人化した不思議な世界を創り出し、西欧の絵本の黎明期を代表する人物。フィッシャーはグリム童話の「ブレーメンの音楽隊」や、「こねこのぴっち」などの絵本のほか、版画、舞台美術、教科書の挿絵、壁画など多方面で活躍した。ホフマンはグリム童話「おおかみと七ひきのこやぎ」など広く愛されている作品で有名だが、それらは元々は、我が子にプレゼントする手描きの絵本。グリム童話やスイスの伝説を題材とした作品は、笑いの中に、ほのかな怖さを持って雰囲気を伝えている。
「おおかみと七ひきのこやぎ」(初版本)
赤ずきん
今回は、クライドルフの初版リトグラフやフィッシャーの原画、ホフマンの手描き絵本など161点が展示されており、有名な童話や奇妙な昔話などの世界をのそくことができる。作品には、当時の欧州の芸術の最先端の画家たちとの交流が反映した表現があったりもするという。作品によっては、ストーリーが添えられているため、より理解を深めることができる。
手描きの絵本
こねこのぴっち(初版)
期間中、12月7日午後2時から一般社団法人小さな絵本美術館の武井利喜館長が「わたしの好きなスイス絵本」の題で記念講演をする。
12月28日~1月1日は休館。入館料は大人1000円、大学生800円、高校生500円、中学生以下は無料。会場は菰野町大羽根園松ケ枝町21-6。