日本人最大マフィア「JPドラゴン」の謎…ナンバー3逮捕で全容解明なるのか?
ナンバー3の逮捕で全容解明なるか──。
警視庁捜査2課は19日、フィリピンを拠点とする元暴力団員らの犯罪集団「JPドラゴン」幹部の小山智広容疑者(50)ら男3人を日本に移送し、窃盗容疑で逮捕した。
小山容疑者は2019年、東京都内の50代女性のキャッシュカードを使い、現金70万円を詐取。犯行後、フィリピンに高飛びしていた。
「今回逮捕したのは、いずれも“ルフィ一派”のリーダーと、リクルーター、かけ子です。小山はルフィグループに所属しながら、JPドラゴンでも幹部として特殊詐欺に関わっていた」(捜査事情通)
フィリピンの司法当局者は今年3月、被害額60億円以上といわれる「ルフィ事件」について「JPドラゴンが特殊詐欺事件の組織全体を統括していた」と説明。ルフィグループの黒幕とみている。
JPドラゴンは18年にフィリピンで結成された。創設者でグループトップを務めるのは、小山容疑者と共に窃盗容疑で指名手配され、現在も逃亡中の日本人の男。神戸山口組の最高幹部と深いつながりがあるとされる。小山容疑者は19年、フィリピンに入国し、ルフィグループの幹部・今村磨人被告(40)と共に特殊詐欺事件を繰り返していた。
■ルフィグループを傘下に収める
「組織の名前の由来は闘鶏のチーム名で、トップの男は20年以上前からフィリピンに滞在し、闘鶏ギャンブルやオンライン賭博、カラオケ店、飲食店の経営を手がけていた。神戸山口組の威光をバックに、現地で商売をする日本人経営者からみかじめ料を徴収して資金源にするなど、日本人裏社会を仕切っていた。JPドラゴンはタイから移ってきたルフィグループを脅して傘下に収め、特殊詐欺とタタキ(強盗)で得た金を上納させていたとみられている」(現地に詳しい関係者)
昨年2月、今村被告らルフィグループの幹部4人が日本に強制送還された後、JPドラゴンは摘発を逃れた残党約20人と特殊詐欺を続けていた。
今年1月には小山容疑者が現地での詐欺容疑で摘発された。逮捕時、警察が踏み込んだのは、JPドラゴンのトップが経営する飲食店だった。3月にはもう1人の幹部、鹿児嶋孝之容疑者(56)も現地で身柄を拘束され、日本に強制送還。福岡県警と大阪府警が逮捕している。
「JPドラゴンが関与しとった特殊詐欺事件の被害額は、少なくとも約4億円に上るが、後ろ盾やった神戸山口組の勢力は全盛期の1割以下になった。指名手配中の男も神戸に助けてもらうことはできひんやろ」(捜査関係者)
「日本人マフィア」のトップは、どこに潜んでいるのか。