【横浜市港北区】港北消防署 教習所で救急の広報啓発 港北区内3社と横浜市内初の連携
港北消防署(長谷部宏光署長)は区内のドライビングスクール3社(菊名ドライビングスクール、コヤマドライビングスクール、日吉自動車学校)と連携して、教習所で「あんしん救急」のPR動画放映や啓発ステッカーの掲出を実施する。9月4日には、同署でDVDとステッカーの贈呈会式が行われた。動画放映やステッカー掲出は、来年3月31日まで実施される予定。
「あんしん救急」は、救急車の適正利用や、救急要望につながるけがや病気を未然に防ぐ方法などの理解を深めるための取組み。教習所で同取組みの広報啓発を実施するのは、市内初となる。
成人の9割が自動車の運転免許を取得すると言われており、教習所では、カリキュラムに応急救護が含まれていることなどに着目して、今回の実施に至った。
動画は約3分。発案者の一人である篠原消防出張所の野口拓海さんが登場し、救急車の正しい利用方法や、けがや病気を未然に防ぐ方法などを収録している。動画は、教習所ロビーなどでの放映や、応急救護の教習で活用される予定。
ステッカーには、「日頃の備えで病気や事故を予防」「困ったときの相談は#7119」「救急時は119番」というメッセージがデザインされている。はがきサイズで、菊名ドライビングスクールの教習車50台、日吉自動車学校の教習車40台に貼られる。
「急病人を発見すると慌ててしまう。教習車の目立つところに貼って、緊急時の対応を周知していきたい」と話した菊名ドライビングスクールの鈴木勝志総務部部長代理。コヤマドライビングスクール横浜校の和泉良副校長は、「区内在住の利用者が多いので、積極的に取り組んでいきたい」、日吉自動車学校の井手健嗣校長は、「(広報・啓発によって)限られた救急車を、本当に必要としている人の元に届けられれば」と話した。
夏場の需要増
昨年の救急出動件数(速報値)は市内は25万6481件で、過去最多となったが、今年8月31日時点では市内は16万3640件(昨年比7788件減)、区内は1万3152件(同445件減、それぞれ速報値)となっている。しかし、夏場は熱中症での利用が多く、熱中症での出場件数は市内で1556件(昨年比65件増、8月31日時点の速報値)。
概して軽症のケースでの救急出動が多く、救急車の適正利用や予防救急の必要性が増す。長谷部署長は3社の協力に感謝を述べ、「ロビーや教習中に、また、教習車のステッカーを見て、救急車の正しい使用方法を知ってもらい、けがや病気などを未然に防ぐ『予防救急』につながれば」と期待を寄せた。