Yahoo! JAPAN

テレアポが大嫌いだったけど、最後には得意になったし必要だと思う→箕輪厚介が会社で働く時に「自分らしさを保つ工夫」を学生に明かす

マイナビ学生の窓口

編集者で実業家の箕輪厚介さんをゲストにお迎えし、「働くこと」について学生たちが本音で語り合う本企画。最終回のテーマは「会社で働くことの不安。自分らしさを保ちながら働く工夫」について。

箕輪さんはかつて、「自分をブランド化して生きていく上で一番怖いのは、組織の思想に矯正されること」と明言しましたが、学生のみなさんは会社組織で働くことに対し、どのような不安を感じ、どのように自分らしさを維持しようと考えているのでしょうか。

最後まで本音で語り合います!

会社組織で働くことの不安。自分らしさを保ちながら働く工夫。

――それでは最後に、会社組織の中で働くことに対する不安などがあれば教えてください。

箕輪:みんな、不安だよね。

中野:そうですね。

箕輪:どこから内定もらったの?

中野:某人材系の関連会社です。とりあえず、「(社員たちの)人の良さ」は重視していたので、そういう面では良かったなと思うんですけど、そもそも会社組織というものを信頼してないので……

箕輪:ははははは(笑)

 大学3年生の中野さん

中野:面接とかでも「面接は相互理解の場なので、お互い会話して……」とか言うじゃないですか。じゃあ、会社側ももっと情報開示してよ!って思います。だから不安っていうか、もう信頼はないですよね。これから入社しようとする人に対してもまともに情報開示しないんだから。

箕輪:よく内定もらったなあ(笑)

中野:僕は割とどこでも自分のままでいるので、他の最終面接でも「すごい面白い人だね」って言われるんですけど、多分、僕はそもそも自分らしさを消せないと思うんですよね。だからどうにか自分らしさを保ちながら、同時に自分らしさを薄めるよう努力して働かないといけないと思っています。

箕輪:でもさ、部活でも友達関係でも全部同じだけど、そういうのは実績とか貢献とセットだよね。例えばサッカー部でも、ずっと補欠なのに自分らしさを主張してたらヤバいやつじゃん。でも、エースで点を取りまくってたらある程度は許容される。そのへんのバランスが大事で、無意識的に空気を見つつ我を調整する感じがいいんじゃない?「こんなに結果を出してんだから、こんくらいの我は出していいでしょ」みたいな。

中野:そうですね。やっぱり自分らしく働くには、何事にも自分の意見を持つことが大事だと思います。それを捨ててしまうと、それこそ従属的になってしまうのかなって。

箕輪:めっちゃ大事だと思う。会社にもよるけど、今は若い人が少ないから存在も貴重。だからこんな不景気な世の中でも、みんな若い人の意見が欲しくて頑張って採用しているわけじゃん。だから、言いたいことを言うっていうのはむしろウェルカムな会社が多いけどね。もちろん人間関係を築いている前提の話だけど、自主規制しないことは大事だよね。

中野:そこも塩梅が大事なんですかね。

箕輪:うん。あと人それぞれの性格とか、その日の機嫌とかもあるからね。そこはやっぱり人間対人間だから。100:0で自分のほうが正しいことを言っていてもブチギレられたりすることもあるし、そのへんは考えながらやるしかない。企業っていろんな人がいるけど、それぞれみんな目的が違うんだよね。「この会社で成長したい」って人もいれば、「特別なことをせず定年まで働ければいい」って人もいる。

だからある種のゲームだと思って、「この人のインセンティブは仕事が増えないことなんだ。だったらこう向き合おう」「この人は自分の手柄にしたい人なんだ。じゃあこう対応しよう」ってうまく割り切って、自分がやりたいことのために活用していくのがいいよね。

中野:ある種のゲーム。なんかすごくしっくりきました。

箕輪:例えば、なんでも一丁噛みしたい上司がいきなり超見当違いなアドバイスをしてきたとして、とりあえず「確かに!」「じゃあ、そうします!」って言っておく。で、実際には言われたことなんて全く反映せず、全然違う方法で成功させる。

それでも「●●さんのおかげでうまくいきました!」とか言っておけば、なんか違う気がしつつも「そうだろう?」って上司は言わざるを得ないじゃん。そんぐらいでいいの。変に真面目な人は「その考え方は違うと思います!」とか言って、結局、企画が通らなくなったりしちゃうから。

中野:そのあたりの柔軟性ですね。

箕輪:そう。トランプ大統領と対峙する政治家に比べたら全然難しくない。人間関係を軽視している人は多いんだけど、仕事の本質はむしろ人間関係だからね。

世の中は大体“グレー”。ある程度まで成長しないと仕事は選べない

 

大学3年生の奥津さん

――では奥津さん、「会社で働くことの不安」についていかがでしょう?

奥津:私は、自分が納得いかない仕事をする可能性に不安を感じます。過去に営業職だった人が、「新規のお客さんを探して、求められているか分からないまま営業電話をかけると、すごく迷惑そうに切られることがあった。会社のためには必要だけど、求めていない相手にとっては迷惑な話だし、それが消化できず仕事を続けられなかった」って言っていたんです。

私も自分の中で腹落ちしないと仕事を続けられないなって思って、すごく不安を感じました。やりがいがあって、自分も納得できる仕事を探したいけど、それって入社してみないとわからないじゃないですか。

箕輪:まあね。これは難しい話で、白か黒かで考えると「この仕事やりたくないから転職!」っていう考えになっちゃうけど、世の中は大体グレーなんだよね。ほとんどは「やれないことはないけど、やりたくない」とかのレベルじゃん。ビジネスパーソンとしてキャリアを歩むなら、ある程度までスキルと経験を積んで成長しないと仕事は選べないのよ。

俺だって学生時代から電話が嫌いだったけど、会社だと新人が電話に出ないといけないじゃん。最初は嫌すぎて、電話が鳴った瞬間にトイレに行くフリをして逃げ続けたんだけど、いよいよ誤魔化せなくなったから電話の取り方を教えてもらって、電話に出るようになったら、もう2週間ぐらいで誰よりも早く電話に出る癖がついたし。


奥津:そうなんですね。

箕輪:俺は編集者になりたくて出版社に入ったんだけど、マナー研修を受けたあとに「マナー研修という名の茶番劇」っていうレポートを出したらめちゃめちゃ怒られて、「お前は編集部に配属しない」って言われて広告部になったんだけど、広告営業の仕事もそれなりに頑張ってると普通に楽しくなってくるんだよね。天職とは思わないけど、「嫌じゃないな」くらいにはなる。

そのあと編集者になったけど、やっぱり今、編集者として頭ひとつ抜けられたのは広告営業時代の経験が大きいと思う。新卒で編集者になると「面白いものを作る」みたいなことしか考えないから、どうすれば売り上げが立つのかを考えられないのよ。俺も広告を取る仕事を最初は嫌々やっていたけど、やっていたからこそマネタイズの計算ができるようになったし、それが全部今に活きてるからね。

テレアポも必要なことではあるじゃん。確かにウザがられるけど、「もし自分が社長だったら、確かにテレアポは新人にやらせるよな」みたいに、自分の中で腹落ちさえできれば頑張れるかもしれないよね。本当に耐えられなかったら辞めたほうがいいけど、その経験も何かに活きると思うよ。

奥津:なるほど……。

箕輪:俺、テレアポ大っ嫌いだったけど、最後は得意にはなってたからね。「電話さえ出てくれたら絶対にアポまでいけるわ」「相手に会えたら絶対に1回は仕事にできるわ」っていうくらいにはなってた。その経験が今、誰かの本を作るときの最初のアプローチにも活きてると思う。

奥津 入社1年目で何をやるかみたいなところばかり見ていたけど、長い目で見ることが大事なんだって思いました。ありがとうございます。

社風合う・合わないは大事! だけど自分次第でそれすら変えられる

大学2年生の久保敷さん

――久保敷さんはどうですか? まだ2年生なのでピンと来ていないかもしれませんが。

久保敷:働くことの不安はまだなくて、どちらかというと楽しみな面の方が多いですね。会社に入ったら、自分が今まで会ったことのないような多様な先輩たちがいて、そのなかで自分が成長できたり、いろんなことを吸収できたりするのが楽しみです。

箕輪:うん。いいよね。

久保敷:ただ、大学ではサークルにも入っているんですけど、最近はあんまりチームで一体になって動くっていう経験も少なくなってきていて……。いざ会社に入って、みんなで同じ目標に向かうとき、ちゃんとコミュニケーションっていうか、意思疎通できるのかなっていう不安はあるかもしれません。

箕輪:会社にもよるんだろうけど、多分、部活とかサークルの方がよっぽどシンプルで一体感があったな、って思うんじゃないかな。意味のない打ち合わせとか、意味のない会議とかもあるし、そもそも目的がよくわかんなかったり、目的が共有されてなかったりもする。みんなそんなもんだから、むしろ不安に思う必要はないよ。最初はよくわからないかもしれないけど、1年くらい経つと「全然みんなダメじゃん」って思うから。そんなもんよ。

――就職が決まった片江さんはいかがですか?

大学4年生の片江さん

片江:やっぱり大人になるにつれて知識がついて、知識がつけばつくほど、常識とか加減も身についてくると思うんですよね。「入社1年目なのにこんなとこに首を突っ込んで大丈夫なのかな」とか思って、制御しちゃう気がするんですよ。そこにすごく不安を持っています。

直感を制御せず、挑戦意識を持って、嫌われてもいいから自分が思ったことを言うを大事にして働こうと思っています。

箕輪:多分、大事なのは社内でそういう考えの人を見つけることだと思うよ。同じ会社にもいろんなキャラクターがいるわけじゃん。「自分もこうありたいな」って思えるような先輩とかがいたら、その人と親しくなって、学ぶことだよね。

例えば、「この人なんかめちゃめちゃ自由じゃん。結果も出してめちゃめちゃ楽しそうじゃん」みたいな人がいたら、その人に話を聞いたり、仕事を教えてもらったりすること。俺もそういう先輩についてもらってたときがあるから、ある意味では守られてたし、俺がめちゃくちゃなことやっても、先輩もめちゃくちゃだから「まあ、いいじゃないですか」って庇ってくれたりして。

そういう人を見つけられるといいよね。それこそ会社の謎ルールを押し付けてくる人ばかりで、自分だけが「それ、おかしいと思います!」とか言っていても、摩擦が起きるだけだもんね。もしそういう人しかいなかったらもうしょうがないけどさ。

片江:ピュアな心を持っていることが自分の長所だと思うので、そこを社会で制御されたくないなっていう気持ちはあります。

箕輪:そうね。むしろ本当に活躍してる人は全員、ピュアな心を貫いてる人だからね。学生のときはある程度思ったとおりに生きていて、「これをやりたい」とか「これはおかしい」って思うじゃん。でも、(社会に出ると)ひとりひとり脱落していくのよ。戦いを諦めていくんだよね。でも、ピュアな心を最後まで貫き続けた人が活躍するの。

企業の中で自分を貫くっていうのは、相当難しいことではある。出版社とかはまだ貫きやすいけどね。個性がある人が面白いものを作るし。でも、そもそも個性の主張を求められない会社だってあるかもしれないじゃん。

片江:そうですよね。

箕輪:だから、そういうのも就活するうえで考えるべきことだよね。自分を貫きたいと思う人を求めるような社風なのかっていう。今の時代、職種や給料よりそっちの方が大事な気がする。会社の大きなビジョンに納得できていれば、テレアポみたいな苦手な仕事も気合で跳ね除けられるでしょ。

自分が嫌なことほど自分の武器になるから、もう最強に近づくじゃん。でも社風が合わないとか、会社にいる人間がマジで全員無理とかなら、それは転職したほうがいいと思う。社風が合わないって、一番つらくない?

片江:そうですよね。

箕輪 ……ああ〜、でもなあ……。幻冬舎に最初に転職したばかりのとき、「社風、合わねぇな」とは思ったんだよな……。でも、社風が超合わなくても結果を出すと関係なくなるっていうのもあるから……うん、難しいとこだね。社風が合わないってだけで全部が嫌だってこともないのかな。

ちょっとマッチョすぎる考えかもしれないけど、結果が左右する部分は多分にある。部活でもそうじゃん。先輩とかさが嫌な感じでもさ、自分が超得意なことで結果を出していたら、どんどん居心地がよくなるでしょ。だから……ね。難しいよね(笑)。

「働くこと」の意義は人それぞれ。社会に対し、期待もあれば不安もあるはずです。箕輪さんのアドバイスを活かしながら、できるだけ自分らしく、できるだけ楽しみながら新生活を迎えられるよう応援しています!

※本記事は取材時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

執筆:猿川佑
写真:猿川佑
編集:金井唯

【関連記事】

おすすめの記事

新着記事

  1. 日本有数の“金型”企業にとって、地元にファジアーノ岡山がある意味|ゼノー・テック岸本専務にインタビュー

    Sports for Social
  2. 【新潟市・チューリップ菜の花フェスタ 2025】新潟市の花チューリップなどをテーマにした体験イベントを開催

    日刊にいがたWEBタウン情報
  3. 【午後3時の新商品】亀田製菓、「ハッピーターンミニ スパイス4連」を発売 つり下げ商品の需要高まりを受け

    にいがた経済新聞
  4. 【玩具のミニカー11点を盗む】新潟市秋葉区の男(52歳)を現行犯逮捕、店員が警察に通報

    にいがた経済新聞
  5. 化石発掘体験も!丹波地域の地質を学ぼう 「ジオの教室 in 丹波」 丹波市など

    Kiss PRESS
  6. さよなら「google.co.jp」? Googleが検索ドメインを一本化へ

    おたくま経済新聞
  7. フローリング用ワイパーを『敵認定』する大型犬→可愛い反応と『まさかの結末』が43万再生「笑いをわかってる」「オチがw」海外から反響も

    わんちゃんホンポ
  8. 高橋真麻、帰宅後急いで作った料理を公開「好評だったので嬉しい限り」

    Ameba News
  9. 3匹の猫に『猫用お布団』をプレゼントしてから1年後…思わず笑ってしまう『まさかの光景』が話題に 「まるで人間」「合宿みたい」の声

    ねこちゃんホンポ
  10. 今年は土日開催!『第9回 こにし夜市 もいちど夜市』(4/19・20)

    Narakko! 奈良っこ