『おかワカメ』って知ってる? 食べてみたところ、アレに近い味わいでした
定期的に農産物直売所に行くのだが、そこで『おかワカメ』なるものに出会った。名前からして「おか(丘)」の「ワカメ」であると察するが、味はどうなのだろう。
見た目はわかめというより、植物の葉っぱっぽい。どうやって食べるのかもわからないが、湯がけばなんとかなりそうだと、買ってみることにした。
・見た目や触り心地にわかめっぽさはナシ
『おかワカメ』は今(6月)から秋にかけてがシーズンらしく、生産者が異なるものがズラリと並んでいた。いずれもモサっと入って、ひと袋100円から200円と良心的だ。
パッケージには「野菜というより、薬草? 美容と健康に最適野菜」と書いてある。薬草ということは、苦いなどクセがあるのだろうか。
気になるのでさっそく持ち帰り、調理していくとしよう。袋から取り出してみると、濃い緑が奇麗なスペード型だ。触った感じは、ワカメのようなヌメッと感はない。
生の状態では香りはそれほどせず、草っぽい匂いだ。今のところ、ワカメらしさを感じないが、食べるとわかるだろう。生食でもイケけるそうだが、それだと青臭さも強いとのことだったので茹でてみることにする。
・なるほどアレに近い味
塩を入れたお湯でさっと15秒ほど湯がき、冷水にあげる。水で洗っていると、先ほどまでなかったぬめりを感じる。柔らかくなり、見た目もどころなくワカメっぽい。
なるほど……? と思いつつ、ポン酢とゴマをかけていただく。箸で持つと少しだけ糸を引いている。指先で感じたヌメヌメは気のせいではなさそうだ。
食べてみると、ワカメではないが、確かにワカメに近いものを感じる! ヌルっとした舌触りとシャキッとした歯ごたえが、生わかめに通じるところがある。
気になる味は、ワカメではないのだが、どこか懐かしい。はて、これは何だっけと思い『おかワカメ』をもっとよく知ろうと、検索したところで納得。ツルムラサキに近いのだ。
『おかワカメ』はツルムラサキ科の、つる性多年草なのだそうだ。しかしツルムラサキほどのクセはなくて、もっと優しーーい感じ。
食用だけでなく観賞用としても人気があるとのことで、温暖な地域では比較的育てやすい植物であるという。ツルなのでグリーンカーテンとしても推奨されていた。
繰り返すようにツルムラサキよりは随分食べやすいので、もう少し一般的になっても良さそうなものであるが、スーパーなどで見かけたことはない。
せっかく目に入れば手に取りたくなるような名前をしているのに、もったいないなあという気がしている。クセなく何にでも合いそうな味をしているので、みなさんも出会った際には試してみては如何だろうか。海のワカメに負けないポテンシャルを感じたぞ。
執筆:K.Masami
Photo:Rocketnews24.