人はなぜこんなにも『猫、かわいい…』と感じるの?科学的なアプローチを交えて推察してみた
1.科学の視点で読み解く見た目のかわいさ
科学的視点に立つと、人間が猫に対して「かわいいなぁ~」と感じてしまう理由のひとつに、「ベビースキーマ」という要素があります。
「ベビースキーマ」とは、わかりやすく言うと、赤ちゃんっぽい見た目のことです。具体的には、大きな頭や丸みを帯びたふわふわとした身体つき、短めの手足、顔の中央よりもやや下に集まった目鼻立ちなどの身体的特徴を指します。
上記の特徴を持った対象を見ると、人間は「かわいい」「親しみやすい」「世話してあげたい」という気持ちが本能的に湧き上がってきます。人間だけでなく、たとえば、パンダの赤ちゃんなどの動物に対しても、同じように抱く感情です。
さらに、猫の場合は、成猫になっても変わらず、「ベビースキーマ」的な外観を保ち続けます。言ってみれば、永遠の「赤ちゃん」です。かわいさのあまり、私たち人間が猫を愛し、お世話せずにいられないのも、ある意味、当然のなりゆきかもしれません。
2.最適化されたかわいい鳴き声
愛猫家のみなさんのなかには、特に、猫の鳴き声がたまらない、と感じている人も多いでしょう。
実は、野生時代の猫はめったに鳴かない動物でした。ひと声鳴けば、天敵や獲物に自分の居場所を知られてしまいます。猫が鳴くようになったのは、人間との共存を選んで以降のこと。かわいく鳴いたほうが、自分の要求が人間に伝わりやすい、と学習したからです。
その影響のせいか、猫の祖先、リビアヤマネコの頃よりも、現在のイエネコのほうが、かわいい鳴き声に仕上がっている、とも言われています。要求達成率をより高めるため、的確な人間観察を通して、鳴き声を最適化してきた結果なのでしょう。
最適化された猫の「ニャー!」は、「わたしを愛しなさい!」という指令のようなものかもしれません。その通り、飼い主さんは、眠れる才能(愛する力)が急に目覚めて、特撮ヒーローみたいに、「この子を絶対に守らねば!」という気にさせられます。
3.何気ない行動ににじみ出るかわいさ
「ベビースキーマ」「最適化された鳴き声」に加えて、かわいい行動の数々もまた、猫の際立った魅力です。
スリスリをはじめ、しっぽピーン、頭ゴッチン、膝乗り、肩乗り、添い寝、ふみふみ、喉のゴロゴロ、ヘソ天、猫パンチ、猫キックなど、よくもこんなにヒット商品をそろえたな、と思うほどの充実したラインナップです。
たとえば、仕事でくたびれて帰ってきても、いつも通りに、しっぽピーン&スリスリモードで愛猫がお出迎えしてくれたら、ストレスや疲労、悩み事も一瞬で消え去ります。飼い主さんの脳内メーカーは無数の「かわいい!」ではちきれんばかりです。
おまけに、毛づくろいや寝姿だけでなく、ただ歩く、ただ座る、ただ飛ぶ、など何気ない行動のなかにも、独特のかわいらしさが光ります。
高度に練られた生存戦略ゆえか、それとも、100%天然成分なのか。猫のかわいい行動を前にすれば、人間は無防備にお腹をさらして、屈伏するしかありません。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、猫の「かわいさ」について、科学的視点も指摘しながら、3つのポイントを解説しました。
簡単にまとめると、猫の「かわいさ」の正体は、赤ちゃんっぽい見た目「ベビースキーマ」です。猫には、生まれながらにして、平和裏に人間たちを操る最強の武器(ベビースキーマ)が備わっています。人間が太刀打ちできる相手ではありません。ただひたすら愛しましょう。
これからも、飼い主さんのみなさんは、愛猫の「かわいさ」に浸って、日々のストレスを上手にデトックスしてみてください。