日産の「キャラバン MYROOM」で憧れの車中泊を体験した結果 → まさかの最強寒波の到来で泣いて笑った
日産から「ジャパンキャンピングカーショー2025」のお誘いを受けた。なんでも “お気に入りの部屋ごと自然の中に持ち込んで憩う、新しいくつろぎの空間となるクルマ” こと「キャラバン MYROOM」と「NV200バネット MYROOM」が出展するらしい。
会場にはキャンピングカーの現役オーナー・冨樫さや記者が足を運ぶことになっていて、さらに冨樫記者は約1年前にキャラバン MYROOMのレポートをしている。それならむしろ実際に車中泊を体験してみたい!
ってことで今回は、日産にキャラバン MYROOMを貸してもらい、人生初となるRVパークで車中泊体験をしてきたのだが……本気で死にかけた。
・キャラバン MYROOM
キャラバン マイルームとは、商用バンであるキャラバンをベースに快適な居住空間を備えた車中泊仕様のモデルである。初心者でも気軽に車中泊が楽しめる工夫が満載とのこと。ガチの初心者でも “憧れのバンライフ” を楽しむことができるのだろうか。
一応先に言っておくと、キャンピングカーではないのでFFヒーター(エンジン停止中でも使用できる燃焼式ヒーターのこと)や水回り等の装備はないようだ。代わりに外部電源入力と、それを出力するコンセントが車内に装備されている。
・日産オリジナルのポタ電
また今回は、日産リーフの高品質バッテリーをリサイクルした「ポータブルバッテリー from LEAF」を貸してもらうことに。
もともとリーフに使われていたので温度変化に強く、夏場・冬場でも車内に置いたまま使用できる優れモノだ。繋いでおけば、エンジンをかけている間に勝手に充電される仕組み。ベッド下に収納できるサイズ感も良し。頼もしい。
・車内を自由にアレンジできる
そんでもって後部座席を反転させてベッドやテーブルを組み合わせたら、リビングルームモード・ベッドルームモードといったように自由にアレンジができるようだ。果たしてうまく使いこなせるだろうか。
ちなみに後部座席は、乗車移動時はほどよい硬さで乗り心地を追求し、駐車時に反転させてソファとして使用する際には柔らかな座り心地になるという。メーカー仕様だから細かいところまでこだわっている。
ついでにもう1点こだわりをお伝えしておくと、ブラインドカーテンのコードが運転中にブラブラしないようゴムでピタッと固定ができる。ただ美しい見た目だけではない。プロの技術が詰まりまくっているのだ。
・RVパークへ
そんなわけで、いよいよ出発である。
目的地は神奈川県三浦郡葉山町の「スターフォレストキャンプ葉山」。豊かな自然に囲まれたRVパークで、車中泊専用のウッドデッキ付きサイトを1泊5500円で予約した。シャワーやトイレも24時間使えるという。
一般的なバンと同じ感覚で運転できるから狭い道や駐車場でも運転しやすい。普段使いできるのもポイントだろう。とにかく初心者でも安心である。車上生活のハードルは実は低いのかもしれない。
・理想のワークスタイル
無事にRVパークに到着したので、さっそく仕事をすることに。
仕事はもちろん後部座席で。
シートを倒してリヤ側に向け……
テーブルを良い位置で固定したら……
デスクの完成だ。
もう完全に「マイルーム」である。絶景に癒されながら、しかも誰にも邪魔されずに仕事に集中できる環境が整ってしまった。間接照明も超カッコイイ。
最強寒波の影響でエンジンを切るとどうしても冷えるが、逆に気持ちが引き締まるし集中力も上がる……気がする。森の空気を吸って自然と一体化することで仕事が進むのだ。たぶん。
なんならコーヒーもいつもより美味しい。これぞ仕事をしながらリフレッシュまでできてしまう理想のワークスタイル……ついに見つけてしまったか。
あっという間に暗くなってしまった。一気に仕事を片付けて……
・お風呂と食事
近くのスーパー銭湯へ。スタッフの方曰く「のぼり雲」なる天然温泉が近くにあるらしい。ついでに夕飯も食べることにした。くり返しになるが、普段から車を運転している方ならスグに運転に慣れるだろう。移動がストレスにならないのが良い。
美肌や疲労回復などの評価が高い「美人の湯」にゆっくり浸かって疲れを癒した後に、地元名物の海鮮丼を食べた。旅をしながら仕事をするとはこういうこと。ここまでは満点である。しかし……。
・就寝
銭湯から戻ってきて、時刻は22時過ぎ。星空鑑賞を楽しんでいたら一瞬で体が冷えてしまった。さすが最強寒波……寝るしかねえ。
ってことで、ソファを倒してベッドスタイルに変更した。サイズは長さ2192ミリ・幅1204ミリとかなり広々。寝返りも余裕だろう。
さらにブラインドとカーテンを閉めて……
ロールスクリーンをおろせば……
完全に個室。
・おやすみなさい
一応、寝袋とマットを持ってきたのだが……ベッドのクッションの硬さが絶妙なのでマットを敷く必要はなさそう。寝袋だけで寝ることにした。天井が高くて(970ミリ)閉塞感はなし。朝までグッスリ眠れそうです。おやすみなさい。
いや……
クッソ寒い。
・死ぬ
信じられないほど寒い。最強寒波をナメてた。寝袋に上着をかけまくっても全く眠れず。12月のサハラ砂漠でも寝袋1つで眠れたのだが、ちょっとこれは本当にヤバいかも……
・ドンキへ
──ということで、夜中の12時過ぎに車を飛ばして横須賀のピカソ(ドン・キホーテ)へ。ギリギリ土地勘のある場所で良かった。ピカソは24時間営業。ドンキとほぼ同じ品揃えだから、電気敷毛布くらい売っているはずだ……!
…………
オシャァァアアアッッ!
人生史上最もドンキと電気敷毛布(2749円)に感謝した夜だった。ありがとうドンキ、ありがとう電気敷毛布。
本気で電気敷毛布があるとないとでは全然違う。マジでめちゃめちゃあったかい。ビビるから全員試してみてほしい。なんなら今回の旅で最も勉強になりました。
…………
気づいたら朝だった。
・生きてた
なんとか眠れたようだ。こんな過酷さも旅の醍醐味。蛇口には見事にツララができていた。
また車中泊をするなら布団を一式用意するだろう。何事も経験が大事。本当にいい勉強になりました。最高です。
その後シャワーを浴びて出発。なぎさ橋珈琲でモーニングを食べてから、横浜の日産へ戻りました。ありがとうございました!
・欲しい
というわけで、キャラバンマイルームはとにかく運転がしやすく初心者でも手軽に車中泊が可能。週末旅行や長距離ドライブ、アウトドアまで幅広く使えるから車中泊に憧れている方はチェックしてみてほしい。本当に欲しいかも……夢が広がる1台でした!
参考リンク:日産「キャラバン MYROOM」
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.