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人情あふれる居心地の良いお店を目指して。本郷三丁目の韓国料理店『ノダジ』で食べる、丁寧に作られたスンドゥブチゲ定食

さんたつ

ノダジ_1

『ノダジ』は、地下鉄本郷三丁目駅から徒歩5分ほどの位置にある大衆的な韓国料理店だ。昭和の居酒屋のような雰囲気を目指して切り盛りしているという店内には、温かい雰囲気が流れている。

ノダジ

看板メニューはバランス良いスンドゥブチゲ

『ノダジ』の看板メニューは、豚肉のスンドゥブチゲ定食850円(ランチ価格)。ぐつぐつと煮込まれた熱いスープに、卵、豆腐、豚肉、ネギなどがたっぷり入っている。

一口食べると、辛さがしっかり付いていて、じんわりと汗がにじむ。しかし、辛いだけではない。スープには、出汁の奥深い味わいがあり、具材の旨味も十分に引き立っている。

このスープの秘密は、牛骨から丁寧に取った出汁にあるらしい。

豚肉のスンドゥブチゲ定食850円(ランチ価格)。副菜はキムチ、ナムルと日替わりのおかず2種類。白菜キムチは、酸味と辛みのバランスが絶妙だ。

「スープは最初に牛骨を茹で、骨に付いた肉や筋、そして骨髄などを出来るだけ取り除き、そこから弱火で数時間煮込みます。辛さの中にもスンドゥプチゲのスープに甘みがあるのは、牛骨スープと手間をかけた“タデギ”にあると思います」と、店主の野村真司さん。

タデギとは牛脂を炒めて脂を抽出し、そこに韓国産粗挽き唐辛子を入れて作った調味料のこと。

「ただの牛骨スープに唐辛子を入れただけでは、決して辛味と甘みの調和したスープにはなりません。タデギの牛脂という甘みがあってこそ、おいしいスンドゥプチゲが出来るんです」

こうして、じっくりと手間暇をかけてスープを煮込んで作るスンドゥプチゲは、辛さと甘み、そして旨味と塩分のバランスの良さから、男女問わず人気No.1のメニューだ。

「定食にはナムルやキムチが付きます。白菜キムチは、自宅近所に住む、仲良くなった韓国の人から教わったレシピで、今もその味を守って作っています」

韓国料理をメインにした大衆居酒屋のような場所を目指して

「2023年に、雇用していた韓国人の従業員の方が突然辞めてしまって。ワンオペ営業になってから、韓国料理が苦手な人も食べられるようなメニューも出そうと思って、いろいろなメニューの開発を始めたんです」

こうしてメニューには、お好み焼きやチャーシュー丼など、店主自身が好きな料理も加わっていったという。これらのほとんどを、仕込みから一人で手作りしている野村さん。

作るのも、切り盛りするのも大変そうだが、『ノダジ』のメニューは、どれも良心的な価格。

韓国料理屋にも関わらず始めたというチャーシュー丼900円(ランチ価格)や、豚バラ肉の生姜焼き(同)。

「値段にはこだわっていますね。材料費はずっと高騰し続けているんですが、オープンしてからの9年間、価格は変え続けていません」

このように価格を変えないのは、野村さんの『ノダジ』に対する理想のためだ。

「皆さんに気軽に通ってもらえるお店でありたいんです。目指しているのは、韓国料理をメインにした大衆居酒屋のような場所。昭和の居酒屋のような安心感やレトロな空気感が理想なんです」

大変なことも多いだろうが、そんな願いを叶えるために、工夫を重ねているのだ。

店内の様子。アットホームな雰囲気の中、韓国料理に限らない、さまざまなメニューを食べることができる。また、条例の基準を満たしているため、店内喫煙可能であるのも、野村さん一押しのポイントだ(写真提供=店舗)。

人との助け合いで切り盛りしてきた『ノダジ』

25年間のサラリーマン生活を経て、飲食業に飛び込んだ野村さんは、かつて観光旅行をしたことをきっかけに、韓国を好きになり、韓国料理をメインに据えた居酒屋を作ったのだという。

店主の野村真司さん。さまざまな人に支えながらこの店を守り続けてきた。

お店の名前も、一緒に働いていた韓国の方から付けてもらったそう。

「ノダジっていうのは、韓国語で、思いもよらない大金が入ってくる、という意味なんです。それに僕の名前が、ノムラシンジなので、それにちょっとかけて、店名を『ノダジ』にしました」

店に来てくれるお客さんとの会話も欠かさない野村さん。「お客さんに『ごちそうさま』と言われる瞬間が、とてもうれしいですね」と笑顔で話す。

昭和の居酒屋のような温かい雰囲気を目指して、今日も野村さんは、周りの人と支え合いながら、『ノダジ』を切り盛りする。

取材・文・撮影=谷頭和希

ノダジ
住所:東京都文京区本郷3-5-2 宇佐美ビル 2F/営業時間:11:30~14:00LO・17:30~22:00LO/定休日:日・祝/アクセス:地下鉄本郷三丁目駅から徒歩約5分

取材・文・撮影=谷頭和希

株式会社アステル
編集プロダクション
国内外約300名のトラベルワーカーと共に執筆を行う広告制作プロダクション。各地への取材の機動力とスピードを大切にしています。
2023年からは、フリーランスの方のマネジメントツールの開発にも邁進しています。

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