X(旧Twitter)を使わなくなって感じる「メリット」と「デメリット」
X(旧Twitter)を見たことがないという人は、あまりいないだろう。多くの人がアカウントを持ち、日常的に活用しているはず。私(佐藤)もそのひとり……だった。つい数日前までは。
先日、スマホを買い替えた際に、アカウントの移行に失敗して、ログインできなくなってしまったのだ。現在、復旧に向けてサポートとやり取りしている真っ最中なわけだが、とにかくXの利用ができない状態が続いている。
Xを失って気づくことが多々あるので、そのメリットとデメリットについてお伝えしたい。
・それほど大事ではない?
私がXのアカウントを作ったのは、2009年頃だったと思う。最初の投稿がいつだったのかを、今、確認することはできない。なにしろ、アカウントを失っているので、自分の投稿さえも閲覧できなくなってしまっている。とにかく10年以上利用しているのは間違いない。
数日とはいえ、これほど長くXから離れたことはいまだかつてなかった。数年前なら慌てて復旧を試みたはず。もしくは、すぐに臨時のアカウントを作っていたかもしれない。だが、今はしばらく距離を置いてもいいかなと思っている。というのは、それほど大事なものではないのでは? と思い始めたからだ。
・ダラダラ流し見する程度だった
よく考えてみると、普段から投稿頻度はそれほど高くなく、日に1回投稿するかしないかでしかなかった。投稿しない日だって少なくない。
閲覧も、人の投稿をしっかり見ているという感じではなく、ダラダラと流し見する程度。何か情報を得るためというわけではなく、画面をスワイプして気になった投稿を確認するといった感じだった。
あえて今の状況を例えるなら、突然テレビが壊れたようなもの。あればテキトーに番組を見るけど、なくても困らない。私にとってのXはその程度と気が付いたのである。
したがって、復旧を急ぐ理由はない。サポートに問い合わせはしたけど、返信も遅いので、どっちみち焦ってもできることはないのだ。そこで、Xから離れて感じるメリットとデメリットを挙げていこう。
・メリット1 スマホいじりクセの抑制
スマホをいじる時間が圧倒的に減った。先に述べたように、それほどアクティブにXを使っているわけでもないのに、ダラダラとタイムラインを見ていた。電車の移動中やたばこを吸っている間、もしくは食事中でもだ。目的があってアプリを起動しているのではなく、クセでアプリを開いてダラダラ見ていた。
アプリを開けない今、むやみにスマホをいじる理由がなくなったので、スマホいじりが控え目になっている。まったくいじらなくなったわけではないけど、Xを離れてその度合が軽減されている。
・メリット2 不快なものを見る頻度が減った
使えているうちにずっと気になっていたのが、タイムラインに頻繁に出現する不快な広告だ。どういうターゲティングをしているのかわからないけど、肥満や薄毛、それから金融、なかには性的なものまで頻出していて、見る度にイヤな気持ちになっていた。
あまりにも酷いものは非表示にしていたけど、とにかくたくさん出るので、消すのも面倒になって無視するしかなかった。そのわずらわしさから解放されたのは、大きなメリットだ。使わない限り、一切視界に入ることはない!
それとフォロワーが「いいね」してしまう不快な投稿も見ることがなくなったので、精神衛生上、健全な状態を保てている。
・メリット3 スパムDMとおさらば
近頃増えている、グループに招待するスパムDM。その全部は私に届かない! 見られないんだから、ないのと同じ! 勝手に送るがいい、私はそれを見ることがないのだから! ファーハッハッハ!
・メリット4 否定的な意見を目にすることがなくなった
価値観は人それぞれだ。人によって合う・合わないもあるだろう。それがわかっていても、意見の相違や、時に批判的な言葉に触れると少なからず、心がざわつく。
対面ならまだしも、言葉だけが頼りのXでは、その微妙なニュアンスをくみ取ることが難しい。冗談であっても快く思えないこともしばしばだ。そんな否定的な意見・言葉にも触れることがなくなった。なかには有用な指摘もあるので、それをたしかめることができないのはデメリットでもある。
・デメリット1 ヒマをもてあます
ヒマつぶしにXのタイムラインをダラダラ見るのがクセだったので、それを取りあげられると何をしていいのか戸惑う。ヒマをもてあましてしまうのだ。
他のSNSも見るには見るけど、Xほど投稿にあふれることはないので、すぐにその全部を見切ってしまう。そのうちスマホを見るのに飽きて、電車に乗っている時なら風景、自宅ならパソコンに目を移す。
長距離移動の時にはもてあますので、読書習慣を復活させようかと考えているところだ。今になってXに強く依存していたと知って、ちょっと怖くなる……。
・デメリット2 ささいなことを投稿できない
Xを使っている間、私は街で見かけたささやかなことを投稿することがよくあった。変な看板とか、変わった名前のお店とか。風景であったりちょっとした商品だったり。
それを出す場所がない。InstagramやFacebookはもう少しかしこまった使い方をしていた関係で、そのささやかなことを投稿しづらくなってしまっている。ちょっとした独り言を投げかけるのにXはちょうどよかったから、残念だ……。
・デメリット3 情報源のひとつを失った
自分の興味のある事柄、たとえば「ジャズ喫茶」とか「ポールダンス」とか、ネット検索では情報量が少ない事柄について調べるのにXは適していた。誰かの投稿をもとに調べるきっかけを得ていたのだが、それを丸ごと失った。
他のSNSを活用して、なんとか新しい調べ方を確立する必要がある。Instagramはバズ狙いの類似投稿が多すぎてうるさいし、Facebookは検索に向いていない。1度削除したThreadsを復活して、新しい情報源として活用しようか……。
Xを離れて、プラスに働くこととマイナスに働くことを天秤にかけてみると、プラスに働いていることの方が大きいように思う。だから、この先もしばらく、Xとは距離を置く日々が続くかもしれない。
とはいえ、アカウントの復旧はサポートの返信次第なので、私にできることは待つだけ。私が再びXに投稿できる日は来るのか? もしも投稿したら、皆さんがあたたかく迎えてくれることを願っている。復帰歓迎、よろしくお願いします!
執筆:佐藤英典
イラスト:Rocketnews24
Screenshot:iOS X