藤沢メダカ、はす池に帰還 野生化目指し児童放流
鵠洋小学校5年生の児童が21日、受精卵から育てた藤沢メダカを鵠沼の第2はす池に放流した。市民団体「藤沢メダカの学校をつくる会」(菊池久登会長=人物風土記で紹介)の取り組みの一環で、自然環境での定着と繁殖を目指す実証実験として行われた。
藤沢メダカはかつて境川などに生息していた地域純系種。一時絶滅したと考えられていたが1995年、はす池で採取された藤沢メダカが民家の池で系統を守りながら飼育され、生存していたことが判明。同会はこれをきっかけに発足し、以来、新江ノ島水族館や東京大学など複数の専門機関協力のもと、野生化を視野に活動してきた。
2013年ごろからは地域内で放流を実施。順調に定着が進んでいたが、21年に侵入した外来種の小型魚カダヤシの攻撃を受け、藤沢メダカが生存困難になり、翌年から放流は中止となった。
昨年12月、第2はす池にカダヤシのいない保護区域を設け、放流を試験的に再開した。今回の放流はその個体が越冬できたことを受けて決まったという。
当日は、児童の手によって約30匹が放された。児童の一人は「お別れは寂しいけれど、大きな池で増えていってほしい」と明るく語った。