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日本金属洋食器工業組合、ナイフの製造工程の共同受注事業を開始 カトラリーのサプライチェーンを強化(新潟県燕市)

にいがた経済新聞

ナイフの自動研削を行う職人

ナイフの自動研削を行う職人。今回導入した機械は、ナイフの刃を削り、尖らせる工程を行うためのもの

直近の注目記事をピックアップし、日曜日に再掲載します(編集部)
初回掲載:2025年3月7日(再掲載:3月16日)

日本金属洋食器工業組合(新潟県燕市)はこのほど、ナイフ製造における研削加工の共同受注事業を開始した。人手不足・後継者不足が深刻化し、洋食器製造におけるそれぞれの工程を担っていた下請け企業の廃業が続く中、今回の制度を導入し安定的な製品供給を図る。

燕市は金属洋食器において全国の90%以上のシェアを誇る一方で、それを支える職人や企業の高齢化や後継者不足が大きな課題となっている。同市内にはものづくりの各工程に特化した工場が数多く存在し、ナイフも分業体制で製造している。しかしそうした外注企業は特に後継者不足が深刻な状況にあり、今後さらに廃業が増えた場合には製造工程に穴が空く形になってしまう。

今回、日本金属洋食器工業組合では市の補助も受けながら自動研削機械を購入。組合企業の一社である株式会社金国工場へ設置した。今後は、組合内の受発注を日本金属洋食器工業組合が一括して受け、金国工場へ発注する形にすることで、この工程の継続性を高める。

今回の事業のしくみ(燕市の報道発表資料より)

日本金属洋食器工業組合の小林貞夫理事長

燕市の鈴木力市長

3月4日には、金国工場で共同受注事業開始のセレモニーが実施され、日本金属洋食器工業組合の小林貞夫理事長と燕市の鈴木力市長が出席した。

小林理事長は「専門分野に特化した外注工場のシステムは、先人たちが作ってくれた一番大きな財産。これによってリスクが分散され、より安く早く、いい商品をお届けできる。しかし、外注業者がどんどん廃業しており、この工程、ひいてはナイフやカトラリーの製造自体が多大な影響を受けてしまうギリギリまで来ている状況。(組合内の企業)共通の問題であり、組合としてやるべき問題として、この事業を実行した」と話す。

鈴木市長も「金属洋食器産業は、燕市の名を世界に轟かせた最大の功労者。この業界が非常に厳しい状況に置かれているということで、しっかりと産業を残すために行政としても最大の支援をしなければならないと思い、機械購入のための補助をした。今回の事業が成功し、日本と燕市における洋食器産業がこれからもずっと発展し、継続していけばと期待している」と語った。

金国工場

事業とナイフの自動研削について解説する小林理事長

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