ドアストッパーとして長年使用した琥珀 その価値1億5000万円超と判明(ルーマニア)
ルーマニアのある民家で、世界最大級の琥珀の塊を数十年間ドアストッパーとして使っていたことが明らかになった。スペイン紙『EL PAÍS』によると、この先史時代の琥珀は100万ユーロ(約1億5000万円)以上の価値があるという。
【写真】『World Record Academy』が「世界最大のルマニット琥珀の塊」と認定した3.5キロの琥珀
高齢のルーマニア人女性はある時、首都ブカレストから約160キロ離れたコルツィという村の川の近くで、3.5キロの琥珀の塊を見つけた。彼女はそれが貴重なものだとは知らず、琥珀の塊を数十年間自宅のドアストッパーとして使っていた。
琥珀の真の価値が明らかになったのは、女性が1991年に亡くなった後のことだ。女性の親族でこの琥珀を受け継いだ男性は、価値があるものではないかと考えた。
ルーマニアには重要な琥珀の鉱床があり、琥珀のもととなる化石化した樹脂がブザウ県に多数存在する。コルツィの近くにはかつてストランバ琥珀鉱山があったが、1950年代に共産主義政権によって採算が取れないとして閉鎖された。
その後、男性はドアストッパーとして使われていた琥珀をルーマニア政府に売却した。政府はそれをすぐに国宝として指定し、ポーランドの「クラクフ歴史博物館」に送付し、その真偽を確認した。ポーランドの専門家たちは琥珀が本物であることを確認して、3850万年から7000万年前のものであると推定した。また、その価値について100万ユーロ(約1億5000万円)以上と見積もった。
現在、琥珀が保管されているブザウ県立博物館の館長のダニエル・コスタケ氏は、次のように述べた。
「この発見は、科学的および博物学的に非常に重要な意味を持っています。これは世界でも最大級の琥珀の塊の一つだと考えています。」
一方、故人の親族は、彼女の家がかつて泥棒の被害に遭ったことをスペイン紙『EL PAÍS』に明かしたが、「貴重品を必死に探している中で、目の前にあった本物の宝物を見落としてしまったのです」と述べており、泥棒ですら気づかなかったそうだ。
なお、ルーマニア産の琥珀は品質と色のすばらしさで世界的に非常に貴重であるとされ、他の琥珀とは区別されて「ルマニット琥珀(Rumanit amber)」と呼ばれている。8月26日、発見された3.5キロの琥珀は『World Record Academy』によって「世界最大のルマニット琥珀の塊」として世界記録に認定された。
画像は『Euro Weekly News 「Priceless amber used as doorstop in Romania」(Photo credit: Provincial Museum of Buzau)』『World Record Academy Instagram「Buzau Romania--A giant black amber nugget」』より
(TechinsightJapan編集部 MM)