「ビーチエンドカフェ」店主発案 「地元食材の魅力知って」 三浦のレストランで来月朝市
三浦半島は食材の宝庫――。三浦市南下浦町にあるフレンチレストラン「ビーチエンドカフェ」が2月9日(日)、地場野菜や近海で水揚げされた魚介、こだわりの加工品などを一堂に集めた朝市を開く。地元食材の魅力を伝えるとともに観光客の周遊を促す拠点を作り、地域活性化につなげようと店主の宮浦準さん(41)が発案。「ゆくゆくは半島内の朝市をつなげて新たな観光ルートを作れたら」と展望を描いている。
金田湾を囲む三浦海岸の南端。築40年を越す建物をリノベーションした広々した店内に海景色が広がる。砂浜の端にある立地が店名の由来だ。
オープンしたのはコロナ禍中の2020年。川崎市出身で元々は都内の飲食店で働いていた宮浦さんが取引先に向かう道中、空テナントになっていた建物を見つけた。
「最高のロケーション。ビビっときた」。人口減や過疎化が進むまちでなぜ開業するのか。取引先や銀行、家族からも眉をひそめられたが自らの感覚を信じた。
オープン後、判断は誤っていなかったと確信した。フレンチは食材の品質や鮮度が命。三浦半島で採れる野菜や卵などは長年料理人として飲食店を渡り歩いてきた宮浦さんをして、感銘に値するものだった。
料理長を務める林諒太さん(30)も「例えばほうれん草一つにしても味が濃い。皿に土地の食材が持つエネルギーが乗せられる」と声を揃える。開店時の逆境を越え、コロナが落ち着いてからは週末を中心に多くの客が訪れるようになった。
朝市を発案したのは、そんな地場食材の魅力をより多くの人に知ってもらおうと考えて。三浦市には市外からも多くの客が訪れる三崎朝市や金田湾朝市がある。ただ、「買い物だけでトンボ帰りする人がほとんどでは」と宮浦さん。そこで回遊性を高めようと他の会場よりも終了時間を1〜2時間遅くし、イートインコーナーも設けるなど飲食店の強みを打ち出した。当日は農産物や鮮魚、卵に加え、手作りジャムや天然ヒジキ、マグロ漬などの加工品を含む30〜40種類が並ぶ。ラーメンや厚焼き玉子とノリ弁当、コロッケなど店内で食べられるメニューも提供する。
思い描くのは、将来的に三浦半島の朝市をつなぐルートマップを作ることだ。その狙いを宮浦さんはこう語る。「三浦半島を周遊して滞在時間が伸びれば地元へのお金の落ち方も変わってくるはず。朝市という機会を通じて多くの人に土地の魅力を知ってもらいたい」
同店の朝市は毎月第2、4日曜日の午前6時から9時30分。問い合わせは同店【電話】046・854・4484。