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大ヒット中!「映画クレヨンしんちゃん」しんちゃんとシロの絆に涙。あのライブシーンの裏話も!

PASH!

今年の「映画クレヨンしんちゃん」はもう観ましたか?

PASH! 9月号のインタビューに引き続き、公開後だから話せる制作裏話を佐々木 忍監督としんのすけ役・小林由美子さんにうかがいました★

野原一家とオドロキー一家の

親子関係が対比していたのが印象的

──PASH!2024年9月号に掲載されたインタビューでは、公開直前ということでネタバレしない程度に諸々伺いましたが、PASH! PLUSではさらに『映画クレヨンしんちゃん オラたちの恐竜日記』の魅力を深掘りしたいと思います。まず、今作でのしんのすけの言動を改めて振り返ってみていかがでしたか?

小林 かつてしんのすけがシロを拾い、これまで絆を育ててきたのですが、今度はシロがナナを拾って絆を育んでいくんですよ。なので今回の映画ではしんのすけがシロに対して「シロも新しい絆を結んでいるんだな〜」と、お兄さん目線でちょっぴり背伸びをしながら関わっていたシーンも印象的でした。“夏休み”という子供にとっては特別な期間の中で、しんのすけも成長していたように感じられます。

佐々木 しんのすけは大人がドキッとするような言葉を素直に言う場面もあって。その辺りは本当に素晴らしいなと思います。

小林 アンジェラに芯を食ったようなことをスッと言っていましたよね。あと今回しんのすけのカッコいい面といえば、終盤のほうでナナに必死に立ち向かっていくところです。どんなにナナにボコボコにされようと諦めない姿が最高にカッコよかったです!

──しんのすけ以外のキャラクターに対してはいかがでしょう?

小林 今回は“野原一家”と“ビリー&アンジェラ&バブルのオドロキー一家”とで親子関係がすごく対比している印象を受けました。バブルは初めから悪いお父さんだったのではなく、子供たちを喜ばせたい、楽しい企画を考えたいと純粋に思うなかでいろいろなプレッシャーを抱えてしまったのかなと。その結果、周りが見えなくなり、ビリーやアンジェラにも「俺の言うことを聞いておけ」と命令をするようになってしまったんじゃないでしょうか。けれども野原一家の父ちゃん(※ひろし)と母ちゃん(※みさえ)は、しんのすけをひとりの人間としていつも見てくれているといいますか。子供だから俺に従え!ではなく、お前が考えていることをやってみろ!という感じで、対等に接してくれるんです。そのうえで危ないことは親として止めてくれたりもして…。だから安心できるし、信頼があるのかなと思いました。ひろしとみさえがバブルを叱るシーンがあるんですけど、そこもすごくカッコよかったですよね!

佐々木 僕も、野原家はしんのすけ以外も基本みんなカッコいい面を持っていると思いますよ。ひろしは男が惚れるお父さんだし、みさえは度胸があるお母さんだし。ひまわりはちょっと将来、イケメンの悪い男に騙されないかが心配ですけど…(笑)。

小林 ひまわりはイケメン好きだからな〜(笑)。

佐々木 宝石も好きだしね。それからシロは非常に賢くていつもしんのすけたちを見守ってくれている。今回の映画では彼らのカッコいい面が出てくるシーンが絶対にひとつはあるからこそ、普段の何気ないシーンはあえてカッコよく描かないようにと意識していました。カッコいいシーンがより活きるようにしたかったんです。

──野原家のシーンといえば、しんのすけがシロを拾った当時の回想が挟まるところが素敵でした。

小林 そうですね! これまでのシロとの日常を振り返っていくと、シロは野原家の良心だなと思いました。今では逆にしんのすけがシロにお世話されているような関係になっていますけど(笑)。

佐々木 しんのすけがナナにバナナをいっぱい食べさせようとしたとき、シロが食べ過ぎはよくないと止めるシーンがあるんですけど、個人的にはそこがすごく好きですね(笑)。シロは本当にしっかりとした子なんです!

視聴者の視線を奪った

ライブシーンの裏話も入手♪

──今作ではやはり恐竜がたくさん登場しますが、恐竜を描くうえで意識したことは?

佐々木 リアリティさや重量感ですかね。その辺りはアニメーターさんが作画で頑張ってくださいました。

小林 資料として使えるくらい、さまざまな恐竜が出てきますよね。「ティラノサウルスは実は毛があったかもしれない」といった最新情報を知ることができますし。

佐々木 今回は作品タイトルにも「恐竜」と入れていたので、メジャーなところだけでなくマイナーなところも出したいという思いがあったんです。

小林 恐竜の鳴き声は福井県立恐竜博物館さんからサンプルをいただいたとのことで…。

佐々木 そうですね。アフレコ収録中に、役者の方々に仮で恐竜の鳴き声を入れてもらったりもして。博物館さんに頂いた鳴き声のサンプルを参考に、音響チームが恐竜の鳴き声を種族別に何パターンも作ってくれました。実はスピノサウルスの鳴き声を木島隆一さんがやってくださって。スピノサウルスに関しては、木島さんが演じた声も使わせて頂き、リアリティある恐竜の鳴き声を作りました。

小林 そうだったんですね!?

──恐竜が登場するシーンですと、途中で挟まるライブシーンもかなりインパクトがありました!

小林 突然「あれ?夢でも見ているのかな?」みたいな時間がありましたよね(笑)。あそこでライブシーンを入れ込むなんてさすがでした! めちゃめちゃ面白かったです。

佐々木 そこではモーニング娘。さんの『LOVEマシーン』が流れるんですけど、実は当初別の曲だったんですよ。ある朝、起きたときに突然頭の中に『LOVEマシーン』が降りてきたんです(笑)。そのうえで、『LOVEマシーン』は誰しもが知っている曲で、聴いていたら楽しい気分になれますし、歌詞と自分が今回描きたいテーマがちょっと合致している部分があったから選ばせていただきました。当時の振付やカメラワークを意識しながら作っているので、『LOVEマシーン』のミュージック映像をたくさん観ていた方は「あのフォーメーションは…!」と懐かしく思うかもしれません。あとイントロで飯田圭織さんが「ディア〜」と言う場面があるじゃないですか。そこは編曲の方がいろいろと音声を合成してくださったりしたんですけど、最終的には小林ゆうさんに恐竜の奇声を使わせていただきました(笑)。

小林 今回作中で聴ける曲は新録ですよね? ところどころ歌詞が変わっていましたし。

佐々木 そうですね。音楽もイチから全部作り直してカバーさせてもらいました。

──他にも全体を振り返ってみて、印象に残っているシーンを教えてください。

小林 私はシーンではないのですが、主題歌『思い出をかけぬけて』が強く印象に残っています! 楽曲を作るにあたり、ダビング時に現場に来てくださって、そこで作品のインスピレーションを感じてくださったみたいで…。毎回そうなんですけど、『映画クレヨンしんちゃん』のために作ってくださった曲が流れるだけで、もう感動してしまいます! 良い主題歌をありがとうございます!という気持ちでいっぱいです。

佐々木 僕はバブルが恐竜を街中に放っちゃう前に「もうどうでもいいや!」となってしまうシーン。気持ちがわからなくもないかなと(笑)。

小林 バブルを追い詰めちゃダメだぞ!と感じたシーンでしたよね!

──人間味が感じられましたよね。この度は、ありがとうございました!

/作品情報/

ROADSHOW:全国公開中

HP:https://www.shinchan-movie.com/2024/

X(旧Twitter):@crayon_official

Ⓒ臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK 2024

STAFF:原作=臼井儀人(らくだ社)/『まんがクレヨンしんちゃん.com』連載中/テレビ朝日系列で放送中、監督=佐々木 忍、脚本=モラル、製作=シンエイ動画・テレビ朝日・ADKエモーションズ・双葉社、配給=東宝

CAST:しんのすけ=小林由美子、みさえ=ならはしみき、ひろし=森川智之、ひまわり=こおろぎさとみ、シロ=真柴摩利、ビリー=北村匠海、アンモナー伊藤=伊藤俊介(オズワルド)、チュウ=畠中 悠(オズワルド) ほか

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