現新4人の争いか 衆院選・神奈川4区
10月15日公示、27日(日)に投開票が予定される衆議院議員選挙。神奈川2区(横浜市港南区、西区、南区)は自民党の現職・菅義偉氏(75)に、新人の柳家東三楼氏(48・立民)、並木まり子氏(73・共産)、三好諒氏(39・れいわ)、平本幸次郎氏(62・参政)の4氏が挑む。神奈川4区(横浜市栄区、鎌倉市、逗子市、葉山町)では、前回(2021年)の小選挙区を制した早稲田夕季氏(65・立民)と比例復活した山本朋広氏(49・自民)の2人に加え、新顔で銀行員の加藤千華氏(26・維新)、美容サロン経営の津野照久氏(57・参政)が出馬を表明している。(10月7日起稿)
元首相に4人挑む
菅氏は、9月の自民党役員人事で副総裁に就任。物価高騰や災害復興など足元の課題に取り組むとともに、グリーンやデジタルを柱に改革を進め、持続可能な経済成長を推進していくとする。
落語家の柳家氏は米国で日本の文化を伝えてきた。帰国後、経済や政治の体制に危機感を抱く。賃金アップ、チルドレンファースト、言葉と言葉で対話する真っ当な民主主義を掲げる。
並木氏は看護師から転身し、2016年に湯河原町会議員に。戦争反対を強く訴える。また、学費無償化のほか、介護保険を充実させ、死ぬまで幸せに暮らせる福祉を目指す。
三好氏は約9年間外交官としてロシアを担当。日露首脳会談などに携わる。平和外交による諸外国との経済連携の強化を掲げる他、可処分所得底上げのための減税、社会保険料の減免を訴える。
平本氏は不動産賃貸管理業の代表取締役。コロナ禍の政府の医療への対応に疑念を抱き政治の道へ。個人の利益と共同体の利益のバランスが重要とし、特定の組織と離れた政治を目指す。
前回選挙は、2区で菅氏が14万6166票を獲得し当選。投票率は56・0%だった。
新人2人が挑戦
政権交代を掲げる立憲民主党の早稲田氏は、「統一教会問題、裏金政治からまっとうな政治へ。国民に寄り添う政治へ変えたい」。物価高対策として、時限的な消費税5%減税や食料品ゼロ税率、国が中小企業を支援しつつ最低賃金2千円を目指したいとする。子どもや若者支援も重点政策に3期目を目指す。
前回、4区で4度目の比例復活を果たした5期の自民党・山本氏。接点が指摘された旧統一教会とは、「一切の関係を断つ」と断絶を誓う。かつて防衛副大臣在任中に実感した「不平等な日米地位協定」の改定にも意欲を見せ、「運用面から改善したい」と訴える。その他にも、経済活性や憲法改正に触れる。
日本維新の会から出馬する新人・加藤氏は「心と懐がうるおう日本」を掲げ、活力ある経済のために観光事業が重要とし、宿泊税導入や消費単価の増加を主張する。現役の銀行員として選挙に挑戦するが、さまざまな人が政治参加しやすいように、「選挙休暇が取得できるように制度確立が必要」とする。
参政党の新人・津野氏は美容サロンを営み、落選した昨年4月の横須賀市議選に続いて2度目の出馬へ。租税や社会保障費負担の軽減を目指し、「国民の義務を果たした人たちに手厚い保障を」と声を大にする。避難所で雑魚寝の状況を改める災害対策の推進や、LGBT理解増進法の廃案にも注力していく考えだ。
前回4区は早稲田氏が最多の6万6千票、後に参議院議員となった浅尾慶一郎氏が6万3千、山本氏が4万7千と続いた。投票率は61・70%。