夜にぐっすり眠れない方、必見!不眠の原因と解消法を専門家が解説
「寝付きが悪くなった」「眠りが浅い気がする」「寝ても疲れがとれない」
そんな睡眠トラブルを抱えていませんか?
良質な睡眠がとれないと、仕事や日常生活にも影響がでてしまいますし、さまざまな不調を引き起こす原因にもなりえます。
毎晩ぐっすりと眠り、健やかな毎日を過ごせるよう、不眠の原因と解消法を解説していきます。
不眠とは?
不眠とは、寝付きが悪い、夜中に何度も目を覚ます、朝早く目が覚めてしまう、再び眠りに戻ることが難しい、などの睡眠トラブルが続く状態です。
ストレスや疲労などにより自律神経が乱れると不眠になりやすいといわれています。
自律神経には、からだが活動しているときや緊張したときに優位になる交感神経と、リラックスしているときに優位になる副交感神経があります。
夜になると副交感神経が優位になり自然に眠りにつきやすくなりますが、ストレスや疲労などにより交感神経が優位のままの状態が続くと、眠りにつきにくくなってしまうのです。
不眠が週3日以上、3か月以上持続したら、慢性不眠症の可能性があるため病院での診察が必要です。
不眠が悪化・慢性化する前に、自分の不眠タイプを知り、適切な対策をしましょう。
あなたの不眠タイプはどれ?
性格や体質によって不眠タイプは異なります。
ストレスや疲れを感じたときどんな症状があらわれますか?
自分の傾向を振り返り、どの不眠タイプにあてはまるか確認していきましょう。
1. 気滞(きたい)タイプ
「気滞」とは、エネルギーが滞っている状態を指します。
気分がふさぎがち、常に不安感がある、胸やのどのつまり感があるなどの症状を感じる人はこのタイプにあてはまります。
精神不安により寝付きが悪くなり、不眠を引き起こすことがあります。
2. 気逆(きぎゃく)タイプ
「気逆」とは、エネルギーが逆走している状態を指します。
神経質、怒りっぽい、のぼせやほてりなどの症状を感じやすい人はこのタイプです。
人は夜になるとエネルギーから生じる熱を鎮めることで眠りにつきます。
しかし、気逆タイプの人は、十分にエネルギーを鎮めることができず、寝付きが悪くなったり、夜中に目が覚めたりすることがあります。
3. 気血両虚(きけつりょうきょ)タイプ
「気血両虚」とは、眠るために必要なエネルギーや血が不足している状態を指します。
倦怠感、無気力、貧血気味な人はこのタイプにあてはまります。
眠るのにもエネルギーが必要です。
しかし、気血両虚タイプの人はエネルギーが足りないため、疲れているのに眠れなかったり、熟睡感を得られなかったりする場合があります。
不眠を解消する方法
不眠は日常生活の一工夫で改善させることも可能です。
心とからだを休めるのに必要不可欠な睡眠時間。
生活習慣や考え方を少し変えるだけなので今日から実践してみましょう。
1. 適温で入浴する
良質な睡眠をとるためには、副交感神経を優位な状態に移行させることが大切です。
なかでも入浴は手軽に誰でも取り入れることができる方法のひとつ。
38度~41度程度のお湯に入ると、副交感神経が優位になるといわれています。
しかし、42度以上のお湯は交感神経を優位にさせてしまうため注意が必要です。
熱いお湯が好きな人は、就寝時間より2時間程前に入浴を済ませるようにしましょう。
2. 起床時刻をそろえる
起床時刻がバラバラだと、体内時計が乱れて不眠の原因になってしまうことがあります。
勤務日も休日も同じ時間に起床することを心掛けましょう。
休日は多めに眠りたいという人は、体内時計を狂わせないよう、勤務日との起床時刻の差は2時間以内にし、起きたら太陽の光を浴びるようにしてください。
それでも睡眠が足りない場合は昼寝で補完しても大丈夫。
ただし、夜の睡眠に影響がでないよう、寝すぎには気を付けましょう。
3. 寝付けなくても気にしない
不眠で悩んでいる人のなかには、頑張って寝ようとする人や、寝られなかったらどうしようと、必要以上に不安を抱いている人もいます。
このような精神不安は交感神経を優位にさせ、かえって眠るのを困難にしてしまいます。
うまく寝付けないときは、一旦ベッドから離れ、眠気を感じたタイミングでベッドに戻ることで入眠しやすくなります。
あまり、気負いすぎず、ゆっくり自分のペースで不眠を治していきましょう。
不眠には漢方薬もおすすめ
不眠は漢方薬でも対策できるのを知っていますか?
漢方薬のなかには、医薬品として「不眠」に効果が認められているものがあります。
自分の不眠タイプに合わせて漢方薬を選ぶことで、精神不安や過労、血流不足など根本的な原因から改善できるのです。
不眠に対しては、
・自律神経の乱れを整え、ストレスが原因の疲労や睡眠の質を改善する
・イライラや興奮を鎮めて寝付きをよくする
・血流をよくして中枢神経の機能を回復し安眠に導く
といった働きのある漢方薬を選びましょう。
おすすめの漢方薬
・加味帰脾湯 (かみひきひとう)
胃腸の機能を高めてエネルギーや栄養を補い、補った栄養をからだ全体にいきわたらせることで、心とからだを元気にする漢方薬です。
ストレスによる不安感、気分の落ち込み、焦りなどからくる不眠に効果が見込めます。
イライラなどの精神症状、虚弱体質や貧血の症状改善にも用いられます。
・柴胡加竜骨牡蛎湯 (さいこかりゅうこつぼれいとう)
自律神経のバランスを整えることで神経の高ぶりを鎮め、心とからだを落ち着かせる漢方薬です。
脳の興奮によるイライラ、気持ちの高ぶり、緊張などからくる不眠に効果が見込めます。
精神不安、動悸、不眠などの症状改善にも用いられます。
自分に合う漢方薬の選択に迷ったら、スマホで気軽に専門家に相談できる「あんしん漢方」のようなオンライン個別相談もおすすめです。あんしん漢方はAI(人工知能)を活用し、漢方のプロがあなたの体質に合った漢方薬を見極めて、自宅に郵送までしてくれるオンライン漢方サービス。
スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談できますよ。
時間をかけずにお手頃価格で不調を改善したい人は、医薬品の漢方薬をチェックしてみましょう。
自分に合った不眠対策を
不眠はストレスや疲労などによる自律神経の乱れによって引き起こされる症状です。
生活習慣を整えたり、新習慣をプラスしたりすることで改善する場合もあるため、上記の不眠解消法を試しながら、焦らずに対処していきましょう。
<この記事を書いた人>
あんしん漢方薬剤師:山形 ゆかり
薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。
「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-Youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
(mimot.(ミモット)/あんしん漢方)