<40代~50代>更年期について家族や友達に話せないと悩む女性は半数以上。でも家族側の8割が…?
日本人の閉経(月経が1年間ない状態)の平均年齢は50.5歳ですが、これを挟んだ前後10年間を更年期と呼んでいます。更年期の症状には個人差があるようですが早い人は40代に入ってすぐ自覚することもあるので、幅広い年代の女性が更年期症状に苦しむ現状があるようです。そのようななかで先日、株式会社ファンケルが更年期の症状を持つ40代から50代の女性400人と、その世代の女性と同居する家族600人の計1000人を対象に調査を実施しました。今回はその調査結果を詳しくご紹介します。
更年期について誰かに相談したい人は約9割!
今回の調査は更年期の健康に関する情報を世界に提供する「World Menopause Day (世界メノポーズデー)」の10月18日に先駆けて、今年の9月に実施されました。調査では、まず更年期症状を持つ女性400人に日常生活に支障をきたしているかどうかを聞きました。すると78%にのぼる311人が「更年期によって日常の生活に支障を感じる」と回答。
また更年期を通して辛いと感じることについては「いつまで続くのか不安になる」が47.3%(147人)、「体だけでなく、心の不調もあることが理解されにくい」が34.1%(106人)、「今までできたことができなくなった」が31.8%(99人)といった回答が続きました。更年期症状が日常生活を送る上で大きな弊害になっているだけでなく、出口の見えない辛さや周囲からの理解不足によるメンタル不調も起きていることがうかがえます。
次に「更年期によって日常の生活に支障を感じる」と回答した311人に、更年期について相談したい相手を質問。すると約9割の人が家族や誰かに相談したいと思っていることが判明しました。相談相手には「夫/パートナー」が40.8%(127人)と最も多く、続いて「友人」が36.3%(113人)と結果になりました。辛い更年期症状ですが、身近に相談したり話を聞いてくれたりする人がいると少しでも楽になれると女性自身も感じているのでしょう。
更年期について周囲に話せない理由はさまざま
一方で更年期について周囲の人に話したり相談をすることにためらいや抵抗を感じるかどうかを聞くと、57%(176人)が「更年期について周囲の人に話したり相談したりすることに抵抗がある」と回答しています。その理由を掘り下げてみると、次のような声が寄せられていました。
『風邪や新型コロナウイルス感染症などと違い、症状の理解を得にくいから』
『更年期症状を経験した人でないと理解できないと思うから』
『言われても困るのではないかと不安に感じる』
『人によって症状がさまざまだし、年をとったと思われたくないから』
更年期は閉経も影響してくるので、とてもプライベートで繊細な話題ですよね。同じ経験をしている人であれば気が楽ですが、異性や自分よりも年下もしくはまだ更年期が来ていない人に対しては「相談しても相手を困らせてしまう」と感じてしまうのも無理はありません。相談したいけれど、相談には抵抗を持つ人が半数以上もいる現実が浮き彫りになりました。
自分だけで乗り越えようとしないで周囲を頼って
次に40代から50代女性と同居する配偶者や子ども600人を対象に、更年期の認知度を調査したところ94%(566人)が「更年期を知っている」と回答。しかし原因や症状などを詳しく知っている人は24%(136人)にとどまりました。
また「更年期を知っている」と回答した566人に「パートナーもしくは母親が更年期について話すことに抵抗を感じますか」と聞いたところ、「抵抗がある」と回答した人は32%(180人)という結果に。「もし妻/パートナーもしくは母親が更年期で悩んでいたらサポートしたいと思いますか」と聞いたところ、「サポートしたい」と回答した人が83%(471人)にものぼったことからも、当事者と家族では更年期について話すことへの抵抗感に大きな差があることがよくわかる結果となりました。
今回の調査では、更年期に悩んでいる女性の多くが「誰にも話せない問題」と捉えてしまいがちな傾向があることがわかりました。その一方で更年期症状が出がちな40代から50代と同居している家族側のほとんどが「相談してほしい」と思っていることも判明しました。更年期症状は普段の生活にも大きな影響を出し、さらにはいつ終わるかもわからない不安要素がたくさんあります。また更年期について周囲に話せない理由はさまざまあり、自分で乗り越えて解決したいと思うのも無理はないでしょう。しかし調査の結果からもわかるようにサポートしたいと考える人は多くいます。思い切って周囲に話してみるとメンタルが落ち着いたり経験していない人からも理解を得られたりと、辛い状況を少しでもよくすることはできるかもしれません。更年期の当事者だけで乗り越えようとしないで周囲を頼ってもいいと、更年期に関わるママたちに希望がわく調査結果だったのではないでしょうか。