百日咳の患者数が過去最多。重症化リスク高い子どもは要注意!症状軽い大人が感染広げるリスクも…。知っておきたい症状、対策、セルフチェック法
<目次>
・百日咳ってどんな病気?
・特徴的な症状は?
・大人にも感染する?
・ワクチン接種の効果は?
・気になる人はセルフチェックを!
激しい咳が長期間続く感染症「百日咳」が全国的に流行しています。国立健康危機管理研究機構によると、今年はすでに3か月間で昨年1年間の累計患者数を超え、現行の方法で記録を取り始めて以来、過去最多を更新しています。初期症状は普通の風邪と見分けがつきにくい百日せき。特徴や予防策について紹介します。
※このコンテンツは、さまざまな気になる症状と病気について気軽に調べることができる症状検索エンジン「ユビー」に寄せられた質問から抜粋、要約しています。
百日咳ってどんな病気?
百日咳は「百日咳菌」という細菌によって引き起こされます。主な感染経路は感染した人の咳やくしゃみによってうつる「飛沫感染」と、菌の付いた手で鼻や口に触れることによる「接触感染」の2つがあります。感染力は非常に強く、咳が出始めてから少なくとも2週間は感染力が持続します。
特徴的な症状は?
かかり始めの初期は、鼻水・微熱・軽い咳など風邪のような症状ですが、次第に咳の回数が増えて激しく咳き込む発作が起こるようになります。息を深く吸い込んだ時に「ヒュー」という音が出るのが特徴で、激しい咳によって嘔吐するケースもあります。咳は2〜3週間ほどで次第に治まりますが、完全回復まで2〜3か月を要する場合もあります。
大人にも感染する?
百日咳は子どもに多い感染症ですが、大人にも感染します。大人は症状が軽く、咳発作などが出ないまま回復に向かうため、感染に気づかず知らぬ間に子どもに感染させてしまうリスクがあります。
百日咳は1歳未満、特にワクチン接種ができない生後2か月未満では重症化し、死亡することもある病気です。咳が長引く場合は大人も受診し、感染を広げないよう注意が必要です。日本小児科学会では、特にワクチン未接種の生後6か月未満の乳児は重症化リスクが高いことから、生後2か月になったら速やかに定期ワクチン接種を受けるよう呼びかけています。
ワクチン接種の効果は?
百日咳ワクチンには80~85%の予防効果が示されており、日本では四種混合ワクチン(DPT-IPV)が定期接種となっています。ワクチンの効果は時間経過とともに、特に4年を超えると減弱するとされています。ただし、接種後数年間は高い予防効果が得られますので、特に重症化リスクの高い乳幼児を守るため、対象の時期になったら速やかに接種を受けましょう。
日本小児科学会は就学前(5~6歳)、思春期(11~12歳)にも三種混合ワクチン(DPT)を任意接種することを推奨しています。そのほか手洗い、うがい、咳エチケット、マスク着用など基本的な感染症対策も大切です。
気になる人はセルフチェックを!
「もしかしたら百日咳かも?」と症状が気になる人は、以下の症状や項目を参考に、セルフチェックが可能です。
□ 風邪症状の後に、咳が長引く。
□ 咳き込みが終わり、ようやく息を吸い込むことができたときに甲高い「ヒュー」という音が出る。
□ 咳の発作中または発作後に嘔吐する。
□(特に乳児で)短時間呼吸が止まる(ときに皮膚や唇が紫や青白くなる)
以下にある百日咳になりやすい人の特徴に該当する。
□ 小児(特に乳児)
□ 周りに百日咳に罹患している人がいる
また、症状検索エンジン「ユビー」では質問に答えるだけで「セルフチェック」ができます。
■出典元:百日咳 | ユビー病気のQ&A