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中日・梅津晃大、遠回りした元「東洋大三羽烏」が驚異の奪三振率マーク

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中日・梅津晃大,ⒸSPAIA

阪神戦で13K!奪三振率12.21

開幕から好調の中日で存在感を放っている一人が梅津晃大投手(27)だ。今季初登板となった4月4日の巨人戦(バンテリンドーム)で6回2失点、同14日の阪神戦(バンテリンドーム)では8回4安打13奪三振2失点と好投。いずれも敗戦投手となったものの、奪三振率は規定投球回に到達した投手の中で12球団トップの12.21をマークしている。

2018年ドラフト2位で中日に入団して6年目。プロ入り後初めての2019年春季キャンプはケガのため、いきなり別メニュー調整だった。同年8月に一軍初登板初勝利を挙げるなど6試合で4勝をマークしたが、それがこれまでのキャリアハイだ。

2年目の2020年は2勝、2021年は未勝利に終わり、2022年に右肘トミー・ジョン手術。2023年8月にようやく一軍復帰し、9月25日の阪神戦で1177日ぶりの勝利を挙げた。

2023年までのプロ5年間で通算19試合に登板して7勝6敗。プロ入り前に思い描いていた野球人生とは違うだろう。

地元の阪神戦で「復活ののろし」

今季2試合の登板ではケカに苦しんだこれまでとは別人のような投球を見せている。187センチの長身から投げ下ろすストレートは平均149.9キロ。変化球はスライダー、フォーク、カーブしか投げていないが、平均140.0キロのフォークは被打率.111と大きな武器になっている。

奪三振率は巨人・戸郷翔征の11.00、ロッテ・佐々木朗希の10.89をも上回る。対戦打者に占める奪三振の割合を示す「K%」も33.3%で12球団トップだ。

振り返れば、プロ初登板・初先発・初勝利を挙げたのが2019年8月12日の阪神戦(ナゴヤドーム)。昨年、1177日ぶりの復活勝利も阪神戦(バンテリンドーム)。右肘手術後最多の117球を投げ、13三振を奪った14日も阪神戦(バンテリンドーム)だった。

ホームグラウンドで多くの竜党と虎党を前に見せた快投は、まさしく復活ののろし。巡り巡って再びスタートラインに立ったと言える。

ただ、プロ初登板したあの頃とは違う。プロ入り当時に比べると一回りも二回りも成長した。もがき苦しみ、乗り越えた末の再出発だ。苦しい時を支えてくれ、昨年1月に結婚した最愛の妻もいる。

東洋大時代は上茶谷大河(DeNA1位)・甲斐野央(ソフトバンク1位・現西武)とともに「東洋大三羽烏」と呼ばれ、オリックス6位の中川圭太とともに同級生4人が同時にプロ入り。さらに、社会人のENEOSを経て2020年ドラフト3位で楽天入りした藤井聖、大阪ガスを経て2021年ドラフト6位で広島入りした末包昇大も東洋大の同級生。同じプロとして刺激を受ける仲間も多い。

あとは痛みの消えた右腕を思い切り振るだけ。結果は後からついてくるだろう。遠回りした梅津の野球人生はこれからが本番だ。

※成績は4月15日終了時点

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記事:SPAIA編集部

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