【市川市】生涯、純粋で楽しい作品づくりを。知的障がい者のアート活動支援団体「あそ美」
アート作品を生涯作り続けられる場として、市川市立須和田の丘支援学校で月1回活動する「あそ美」。遊び心あふれる、純粋で楽しい作品がここから続々と生まれています。
展示と併せてカフェの接客に初挑戦
小さな粘土で作られた動物たち、床に敷かれたカラフルなシート、紙いっぱいに描かれた水彩画など、4月に古民家カフェで行われた「ART IN HOUSE アートと福祉みりょくさがし展」では、約50点ものあそ美(び)メンバーの作品が並びました。
テーブルにたくさんのペンを並べ、制作する姿も。
今回、展示と併せて、メンバーたちがカフェスタッフに初挑戦。
名付けて「おまたせカフェ」。
あそ美主宰者の佐藤宏之さんは「認知症の方が接客をするレストランの本を読み、感銘を受けて始めました。お客さんが注文中なのに早々に食事を提供してしまい、『全然お待たせしないじゃない』と笑いが起きたり。そんな中、できることが増えて自信がつき、積極的になっている彼らの成長を感じます」と話します。
彼らの描く純粋な作品に魅せられて
あそ美の活動が始まったのは2014年。
美術大学卒業後、須和田の丘支援学校で教師をしていた佐藤さんが「面白いものを作る生徒がいる」と校長に話し、学校の玄関に生徒たちの作品を飾るギャラリーを作ったのがきっかけ。
「世の中にウケることばかり考え作品作りをしていた自分が、生徒たちの純粋な作品を目の当たりにしてほれ込んでしまった」と話す佐藤さん。
その後、学校行事として芳澤ガーデンギャラリーで作品展を開催。
異動するタイミングで保護者たちに声を掛け、あそ美を立ち上げました。
「支援学校を卒業すると皆すぐに働き始めます。創作したい人たちが活動できる場を提供したかった」
現在、メンバーは約15人。
年1回の作品展やグループコンペ、ワークショップなど積極的な活動を続けています。
「今後の目標はNPO法人にすること」と話す佐藤さん。
作ることが大好きなメンバーと、そんな彼らが大好きな佐藤さん。
作り出すあそ美の世界は無限に広がっていきます。
取材協力/アトリエ*ローゼンホルツ
ホームページ/https://h-satou7.wixsite.com/-site-2/blank