私には魅力がない…恋愛がうまくいかない女性が持っている“ビリーフ=心のメガネ”って?
・いいなと思う男性がいても、いつも一歩踏み出せない…。
・自分なんかを好きになってくれる男性なんているわけない…。
このように、恋愛に対して消極的に、臆病になってしまう女性は少なくないようです。
恋愛に消極的で臆病な女性は、自分自身、あるいは男性、そして恋愛に対してネガティブな“ビリーフ”を持って生きています。
ビリーフとは、「自分はこういう人間だ」「人間関係はこういうものだ」「仕事とはこうあるべきだ」といった自分の内側で“真実”のように感じている信念や考え方です。ビリーフは、それが真実かどうかにかかわらず、私たちの行動や感情、判断に強い影響を与えます。
恋愛を台無しにするビリーフと、新たな良い出会いを引き寄せる方法についてお伝えします。
恋愛に消極的で臆病な女性が抱くビリーフ5選
恋愛に消極的で臆病になってしまう女性の中には、いったいどんなビリーフがあるのでしょうか?
そしてそのビリーフは、いかにして作られたのでしょうか?
実例を5つご紹介します。
1.『私には魅力がない』
千香さん(仮名・30歳)は、高校生のときに、付き合っていた恋人が突然音信不通になりました。
彼女は「彼が音信不通になったのは、私に魅力がないからだ」と思い、とても落ち込みました。
そしてこれ以降、『私には魅力がない』というビリーフを持つようになりました。
実際はとても魅力的な女性ですが、好きな男性の前ではいつもとたんに消極的になり、目を合わそうともしません。おどおどした態度で自信なさげなので、アプローチを受けることはありませんでした。好きな男性と両想いになれない…その経験が、また『自分には魅力がない』というビリーフを強化しました。
恋人が音信不通になったのは『事実』です。しかし、『自分には魅力がない』というのは、ひとつの『解釈』です。本来、何の因果もないところに、自分でそう解釈をつけてしまっているだけです。
このように、偏った見方や解釈により情報を曲げることを、心理学で『歪曲』と言います。
2.『男はみんな●●だ』
あゆみさん(仮名・28歳)は、長年付き合った彼氏が浮気性でした。彼女は、その経験により、男性に対して次のようなビリーフを持つようになりました。
・「男はみんな裏切る」
・「男はみんな浮気をする」
人は、ほんの1回か2回の強烈な経験を、すべてとする傾向があります。たとえば、東京に行って道に迷った。道を教えてもらおうと通行人に話しかけた。その際、2回連続で無視されてしまった。そうすると「東京の人は、みんな冷たい」となります。あれだけたくさんの人がいる中で、たった2人に無視されただけで、そう考えてしまうのです。
失恋したときも、恋人に他に好きな人ができたことや浮気をされたことが原因だった場合、1回の経験でも「男はみんな裏切る」「男はみんな浮気する」と解釈し、ビリーフにしてしまうのは、よくあるケースです。
このように、一部の経験を全体として扱ってしまうことを、心理学で『一般化』と言います。
3.『私はモテない』
美樹さん(仮名・26歳)は、サバサバ系女子。結婚に憧れはあるものの、婚活パーティに参加する、マッチングアプリに登録する、合コンに参加するなどの行動は一切しません。理由を聞くと、「私って、昔から本当に全然モテなかったから無理だと思う」と話します。
詳しく話を聞いてみると、彼女が『私はモテない』と感じるようになったきっかけには、ある幼なじみの存在がありました。
その幼なじみは、華のある美人で、いつも周囲に人が集まるようなタイプ。常に男子からの告白が絶えませんでした。
そんな幼なじみといつも一緒だった美樹さんの中には、「○○ちゃんと比べて、私はモテない」という感覚がずっと残っていました。それがいつしか『私はモテない』というビリーフになっていたのです。
美樹さんの『私はモテない』というビリーフには、「誰と比べて?」「いつの話?」「誰に?」―そうした具体的な情報がごっそり抜け落ちています。
このように、具体的な情報が削られてしまっている状態を、心理学で『省略(削除)』言います。
4.『私は劣っている』
佳乃さん(仮名・35歳)は、なぜか付き合う男性がヒモ化、モラハラ化することが多く、「ダメンズ製造機」と呼ばれていました。
話を聞くと、18歳のとき、初めて本気で好きになった彼を浮気相手に奪われたという経験をしていました。そのときに、「私はあの子より劣っていたから捨てられた」と思い込み、『私は劣っている』というビリーフを持つようになったのです。
このビリーフは、恋愛において、自分を低く扱う行動につながります。
「私にはこの人しかいない」と尽くしすぎたり、モラハラにも我慢したり…。そしてまた傷つけられ「やっぱり私はダメなんだ」と自己評価を下げてしまうのです。
『過去に彼氏を浮気相手に奪われたこと』と『自分は劣っている』ことは、イコールではありません。彼氏と浮気相手の女性の相性がバッチリだったかもしれませんし、彼氏が浮気っぽい男だっただけのことかもしれません。これも、偏った見方や解釈により情報を曲げてしまっています。(『歪曲』)
5.『恋愛(結婚)は苦しいもの』
カナさん(仮名・23歳)は、「恋愛にも結婚にも憧れを持ったことが一切ない」と言います。彼女の中には『恋愛(結婚)は苦しいもの』というビリーフがありました。
なぜそんなビリーフを持つようになったのでしょうか?
話を聞くと、カナさんの両親はとても不仲でした。子どもは、親を通して『男女関係はこういうもの』『結婚生活はこういうもの』というイメージを形成します。
冷静に考えてみると、親は、たくさんいるサンプルのうちの1つです。世の中には、穏やかな関係の夫婦、仲良しの夫婦もたくさんいます。
彼女は、不仲な両親の姿だけを見て、『恋愛(結婚)は苦しいもの』というビリーフを持つようになったのです(『一般化』)。
人生をマイナスに導くビリーフから自由になるために
あなたの人生をマイナスに導いているビリーフがあるとしたら、それはどんなものでしょうか?紙に書き出してみてください。書き出したら、以下の質問を自分に問いかけてみてください。
・それは誰を、あるいはどんな出来事を基準にしてて考えた?
・「みんな」って具体的に誰のこと?
・そのビリーフの原因になった出来事って人生で何回ぐらいあった?
・例外は今まで一度もなかった?
自分の中にあるビリーフを発見し、「あれ、もしかして、これって自分の思い込みだったかも?」と気づくことが、運命を変える一歩になります。
良い出会いを引き寄せよう
新たな良い出会いを引き寄せるのに大切なのは、やはり『行動』です。今までと同じ生活をしていて、自分からなにも行動を起こさず、突然ふって湧いたようにテレビドラマや漫画のような幸運や良い出会いが訪れた…なんていう人は、まあそんな存在しません。
狭い世界から抜け出して、もっと広い世界に飛び込むのです。
『私はモテない』という思い込みから男性とのコミュニケーションを避け、職場と家の往復だった私の友人は、マッチングアプリに登録してわずか三か月で素敵な彼氏ができて、結婚しました。
また、あなたにひどい思い込みを作るきっかけとなった彼氏や男性のことは、一日も早く忘れましょう。スマホに連絡先や写真を残しているのなら、思い切ってすべて『削除』です。新しい出会いを呼び込むスペースを空けておくのです。
「ネガティブな過去がどうしても頭から離れない」という場合は、『イメージの力』を使って小さくしていきましょう。
イメージの力というのは絶大です。恐怖症の治療などにも使われたりするほどです。
まずは、あなたが心に傷を負うことになった出来事(大好きだった彼氏にフラれた、浮気現場を見た、など)を思い浮かべてください。
そのイメージが、もし映画の画面のように大きく、目の前にあり、音量も耳元でガンガンと響いている感じなら、スマホの画面のように小さく、音量もテレビのボリュームを下げるように、小さくしていきます。
最終的には手のひらに乗るぐらいのサイズにして、音量も聞き取れないぐらい小さいものにして、遠くの方にポイと投げ捨てます。クシャクシャ丸めて、外に投げ捨ててもいいでしょう。早送りにしてみたり、白黒にしてみたりするのもアリです。
繰り返し行うことで、あなたの心を支配していた嫌な記憶も、いつの間にか客観的に捉えられるようになり、次第に薄れていくでしょう。
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私たちは物事をそれほど正確に記憶できているわけでありません。
ビリーフは、過去の経験からできた“心のメガネ”とも言えます。
そのメガネはもう外してもいいのではないでしょうか。
新しい視点で世界を見れば、恋も人生も、もっと自分らしく輝きはじめます。
(mimot.(ミモット)/黄本 恵子)