“最高で、二度と来ないでほしい夏” 部活が制限されたコロナ禍、それでも諦めない『この夏の星を見る』特別映像
直木賞作家・辻村深月の幅広い世代から支持を得る青春小説が、待望の映画化。映画『この夏の星を見る』が、7月4日(金)より公開される。このたび、本作の舞台となる「茨城」パートの登場人物・亜紗(桜田ひより)たちにフォーカスした特別映像が解禁となった。
最高で、二度と来ないでほしい夏
直木賞作家・辻村深月による青春小説「この夏の星を見る」(KADOKAWA/2023年6月)は、2020年、新型コロナウィルスが蔓延したコロナ禍を背景に、登校や部活動が次々と制限され、さらには緊急事態宣言に直面し、大人以上に複雑な思いを抱える中高生たちの青春を描いた作品だ。次代を牽引していくことを期待される若きクリエイター・監督山元環、脚本・森野マッシュが、それぞれ商業映画デビューを飾る。さらに、『ルックバック』の音楽家・haruka nakamuraが本作の音楽を担当している。
本作の主人公、茨城県立砂浦第三高校の二年生・溪本亜紗を演じるのは、映画やドラマ、CMなど近年の活躍が目覚ましい実力派俳優の桜田ひより。これまで誰も経験したことのないコロナ禍において、不安な気持ちや悩みを抱えながらも懸命に生きる高校生の亜紗を確かな演技力と多彩な表現力で見事に演じきっている。溪本亜紗と同じ茨城県立砂浦第三高校に通う生徒役を水沢林太郎、河村花、増井湖々、安達木乃が演じる。そして、長崎五島に住む学生を中野有紗、早瀬憩、和田庵、蒼井旬が演じ、東京都心で暮らす学生を黒川想矢、星乃あんな、萩原護や秋谷郁甫が演じている。
映像の冒頭は「最高で、二度と来ないで欲しい夏」というナレーションから始まる。亜紗と凛久がお互いの目標に共感し、握手を交わすシーンやコロナ禍で部活動が制限され悔しがる様子、そして「また出来ないことが増えるかもしれない。そんな不安に負けないご提案です!」と自作の天体望遠鏡を使って、指定された天体を素早く導入する競技・スターキャッチコンテストをオンラインで行うことを提案し、「私たちなら出来る」と仲間と自分自身を鼓舞する亜紗の決意する姿が収められている。
2020年、あの時を生きた君たちへ、というメッセージとともに、コロナ禍で様々な我慢を強いられながらも、自分たちのために青春を取り戻し、出会うことのなかった人々と繋がり、前向きに現状を見据えていく主人公たちのさまざまな心の動きも表現。さらに、長崎・五島、東京各パートの特別映像も公式SNSで順次アップ予定だ。
公開された3都市版の縦型動画では、岡部たかし演じる天文部の顧問・綿引先生が、「コロナの年じゃなかったら、私たちは会うこともなかった。失われたとか奪われたとかいう言葉を使いたくないんですよ。どれだけあの子らに励まされたか」とオンラインスターキャッチコンテストを通して出会った、東京、長崎・五島の教師たちに語り掛ける。マスク姿でソーシャルディスタンスを保ちながらも、心の距離を縮めていく様子と共に、「この1年に意味はあったって、特別だったって」と自分に言い聞かせ、必死に星空を見上げる亜紗と凛久の姿に胸が締めつけられる。
『この夏の星を見る』は7月4日(金)より全国公開