「幸せになりたい」なら身に付けたい考え方のクセ。世界中を旅して分かった理由と方法を紹介
世界16か国で合計約2,000回講演した環境活動家の谷口たかひささんは、毎日無数に繰り返す判断を、どちらを選べば自分のことを好きでいられるかで決めているそう。それは、人生でもっとも大切なのは「自分を好きでいる」 ことだという信念があるから。書籍『自分に嫌われない生き方』(KADOKAWA)は、谷口さんが世界を訪問して分かった「豊かに生きる人々の価値観」をまとめたもの。「成功」ではなく「幸せ」をつかむために必要な「自分に嫌われないこと」について、本のなかのいくつかのエピソードをもとに考えてみませんか?
※本記事は谷口たかひさ著の書籍「自分に嫌われない生き方」から一部抜粋・編集しました。
「自分で決めたらいいよ」
子どもはそう言われたら、その人から信頼されていると感じるといいます。
だけどこの国では、とかく人の決定をコントロールしたがる人が多いように思います。「こうしなさい」「そうしてはダメだ」だからそれに慣れた大人は、自分で決められなくなり、人に決めてもらいたがります。
僕は講演会の中で、質問の時間をとても大切にしていて、時間が許す限り取るようにしています。
その中で、「幸せとは何ですか?」と聞かれたら
「自分で決めればいいと思いますよ」
と答えます。
そうすると「冷たい......」と言われることもあります。
確かに、僕は自分のことを優しいとは思いませんが、僕なりの考えでは、短い目で見れば、質問してくれた人が考えずにすんで楽になることを言うことはできます。
だけどそれでは、長い目で見たとき、その質問してくれた人は結局また同じステージで悩み続けることになると思っています。
自分で考えて自分で決めるという行為を、自分でするクセをつけたほうが良いと思っています。
その理由は大きく2つあります。
①人生の「満足度」が高まる
人は、自分で決めると、満足度が高まるといいます。
例えば、僕は家を持たずにホテル暮らしをしていて、各地で「ホテルをとっておきましょうか?」と言ってもらいますが、可能な限り自分で決めています。
人に決めてもらった場合、悪い部分があればそこへの不満はより大きくなるそうです。
また人は、自分が決めた数だけ、自己肯定感が高まるとも言われています。
②「自分軸」が定まっていく
日本の学校では、とにかく「正解」を教わります。だけどそれは、「大人の都合」である場合も多いです。
「コントロールのしやすさ」と同義の場合も多く、「良い子」という言葉の頭には、「大人にとって都合の(良い子)」が隠れています。
人生に、正解などありません(正解を決めつけるように話してくる人の言葉には耳を傾けすぎないほうが賢明だと思います)。
そして人生の無数の選択肢には、それぞれメリットもデメリットもあります。完璧な選択肢などありません。
だから「自分は何を大切にしたいのか」を基準に選ぶしかありません。
最初はしんどいかもしれないけど、自分で考えて決めることを繰り返していくうちに、「自分軸」が定まっていきます。1度定まってしまえばそこからは、「決める」という行為が驚くほど楽になります。
「良し・悪し」や「正しい・誤り」といった、ありそうでないものに頼らずとも、「自分軸」を基準に決められるようになります。
「自分は幸せなのか?」「幸せとは何か?」「どうやったら幸せになれるのか?」
こういうことを考えるようになったときは、むしろキケン信号です。自分が今それほど幸せではないからこそ、そういうことを考え出すのだと思います。
本当に幸せなときというのは、幸せについて考えてすらいない。
ただ自然体で、自分のやりたいことに夢中という状態が理想的でしょう。
かの有名な相田みつをさんの有名な言葉にもこうあります。
〝しあわせはいつもじぶんのこころがきめる〟