亀崎漁港のチョイ投げ釣りで本命ハゼが入れ食い!【三重】針のサイズダウンが奏功
今年も各地で釣れ盛っているハゼ。どのポイントでも簡単に狙え、よほどの悪条件でもない限り釣果を手にしやすい。今回はそんなハゼ釣りのちょっとしたコツや道具立てなど、実釣記を交えて紹介したい。
チョイ投げでハゼと遊ぼう
初夏を迎えるころから新子のハゼの情報が出始めて、お盆を過ぎるころには10cm前後に成長したハゼが各地で釣れる。本番は秋で、もうひと回り大きくなったハゼがビギナーからベテランまで楽しませてくれる。
サビキと並んで入門の釣りにもってこいとされるハゼ釣りだが、ポイント選びやその場に合った釣り方を間違えると、貧果に終わることも珍しくない。ウキ釣り、ミャク釣り、チョイ投げの3通りが主な釣り方だが、万能といえるのがチョイ投げだ。
根掛かりの多いポイントでは不利になることもあるが、ハゼ釣りでそんなポイントはあまりない。潮が引いて手前にハゼがいなくても、遠くのポイントを釣ることができるし、何よりダイレクトに手元にアタリが伝わることが醍醐味だ。
タックル&仕掛け
タックルは1.8m前後のバスロッドやトラウトロッド、少し長いがエギングロッドでもOK。もちろん入門向けのチョイ投げセットでもいい。
リールは小型のスピニングリール。普段使用しているものでOK。ミチイトはPEラインを使うと、アタリがダイレクトに伝わりやすいが、風が強いとトラブルも多い。全く初めての人なら、ナイロンラインが無難だ。太さは2号もあれば十分だろう。
仕掛けはシンプルで、12cm前後の片テンビンに3~6号のオモリを付け、テンビンのアームに2本バリ仕掛けを付けるだけ。仕掛けはハゼ用のチョイ投げと銘打ってあるもので、ハリは7~8号を選ぶといい。
根掛かりでロストすることも考えて、1人3~4組は準備しておこう。
エサ
エサはイシゴカイがベストだが、ムシエサを触るのが苦手という人にはマルキユーパワーイソメシリーズがイチオシ。アミノ酸配合の人工エサで、ほぼ生エサと変わらない食いが期待できる。
イシゴカイを使う場合は滑り止めの石粉を用意しておくと、スムーズにハリに刺すことができる。ただし一度に全部のゴカイを石粉につけないこと。石粉がゴカイの水分を吸ってしまい、早く弱ってしまう。別の容器に使う分だけ都度つけて使うようにしよう。
釣り方
釣り方自体もいたってシンプル。投げて底まで落とし、リールをゆっくり巻いてサビいてくるだけ。ハゼがいればすぐにアタリがある。だがシンプルがゆえに、注意すべき点もいくつかある。
まず投げてテンビンが着水したら、必ずスプールを返してイトの出を止め、イトを張る。そのままフリーで落とすと、仕掛けがテンビンに絡まってしまうことがある。ルアーでいうカーブフォール、テンションフォールといわれるものだ。
そしてオモリが着底したら、すぐに2~3回リールを巻く。海底でミチイト、テンビン、仕掛けを一直線にしてやると、絡みが少なくなる。
どんな護岸もだが、一般的に岸から離れるほど水深が深くなる。だがその中でカケアガリと呼ばれる急激に深くなる所がある。ハゼに限らずだが、そういった海底に変化がある所に魚がたまりやすい。障害物が沈んでいる周りも同じ。どこにでもいるハゼだが、その中でも集まりやすい場所を狙い撃ちすることで、釣果がより伸びる。また早アワセも禁物。アタリがあってもひと呼吸置いてから巻き取ろう。
実釣編
さてここからは実釣だ。今回同行してくれたのは、三重県いなべ市在住の杉山陽佑さん。ライトソルトゲームが本職だが、川越~鈴鹿近辺の釣り場に精通しており、今回はハゼの天ぷらを食べたくて名乗りを上げてくれた。
杉山さんが選んだ釣り場は亀崎漁港。といっても超メジャーポイントの愛知県半田市の亀崎漁港ではなく、三重県・川越町にある亀崎漁港。港というより、船だまりというぐらいのこぢんまりとした港だ。みえ川越インターからすぐで、アクセスもいい。車横付けなので、ファミリーにもお勧めの穴場的な釣り場だ。
現地に到着したのは午前11時ごろ。下げ潮で真っ昼間という悪条件だが、おかずぐらい何とかなるでしょ……と実釣を開始した。
杉山さんが用意したのは、ライトソルト用のメバリングロッド。ミチイトは感度のいいPEラインに小さなテンビン、オモリは5号の先に全長50cmほどの短めの2本バリ仕掛けをセットした。
元々水深が浅く下げ潮ということもあり、うっすら底が見えている。エサはイシゴカイで、早速第1投。ふりかぶって投げるのではなく、オモリを持って振り子の要領でふわっと投げるだけで十分。杉山さんの話では、「足元でも十分釣れるけどやっぱり投げた方が有利。ピーカン日中は船の影とか障害物周りに固まっていることが多い」とのこと。
その言葉通り、すぐにメバリングロッドの穂先が細かく震えた。抜き上げたのは、7cmほどの小さなウロハゼ。苦笑いしながらリリースし、少しずつ場所をずらしながら探っていく。
入れ食いモード突入
このような小規模の釣り場では、アタリがなければ細かく移動することが大事だと言う。特に日中はハゼが1カ所に固まる傾向があるので、そのホットスポットを見つければ入れ食いになることも多いらしい。
少し場所をずらした杉山さんが、さくっと釣り上げたのは10cmほどのマハゼ。天ぷらにもってこいの大きさだ。
身近に釣れるハゼに2種類ある。本命のマハゼと少し黒っぽいウロハゼだ。ウロハゼは大型になる傾向があり、初期にでっかいハゼが釣れた……という場合、ほとんどがウロハゼだ。ちなみにウロハゼもマハゼ同様美味。
やがてホットスポットを見つけた杉山さん、入れ食いモードに突入。仕掛けを入れればアタる状態で、バケツの中はあっという間にハゼだらけ。
9月とはいえ、この日は猛暑日。いつまでもハゼをバケツに入れておくと知らぬ間に死んでしまい、そのまま傷むこともある。ある程度釣ったら、氷をたっぷり入れたクーラーに移し替えることが大事だ。
次々にハゼを上げる杉山さんだが、空振りやバラシも目立つ。「ちょっとハリの選択をミスった」という彼のハリはハゼバリ8号。潮が下がって食いが渋くなったことも要因の1つだろうが、ハリが若干大きすぎたかもしれない。
ハリを7号に落とすとコンスタントにヒットするようになり、予定の20匹には1時間半ほどで到達。その後はハリをのんだもの以外はリリースしていく。あまり釣りすぎると後の処理が大変なことになるので、キープしすぎには注意したい。
23匹キープ
結局2時間ほど釣ってキープは23匹、リリース多数。ちなみにこの亀崎港は揖斐川につながっており、そこからクロダイやセイゴなどの魚も入ってくる。この日は先日の台風で流されてきたと思われるブラックバスがヒット。小バスだが、思わぬゲストにびっくりしたひと幕もあった。
そして今回最大のびっくりが、20cm近いヒネハゼ。おそらく越年した個体だろう。ウロハゼかと思ってよく見るが、どう見てもマハゼ。コレは刺し身や~!と杉山さんは大事にクーラーに仕舞い込んでいた。
また注意したいのがエイ。この日も足元を数匹のエイが優雅に泳いでいった。万が一ハリに掛かった場合は、無理に上げずハリスを切ってリリースするようにしよう。
今回は亀崎で実釣を行ったが、三重県鈴鹿市の楠漁港、愛知県愛西市の木曽川立田地区など、ハゼの好ポイントはたくさん存在する。いずれも足場が良く、ハゼの魚影も濃い。少しだが秋めいてきて、朝晩が涼しくなった。家族でぜひ楽しいハゼ釣りに出かけていただきたい。
<週刊つりニュース中部版 編集部/TSURINEWS編>
この記事は『週刊つりニュース中部版』2024年9月20日号に掲載された記事を再編集したものになります。