【アレクサンダー・ペイン監督「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」】クライマックスにバチッと閃光
静岡新聞教育文化部が200字でお届けする「県内アートさんぽ」。今回は、静岡市葵区の静岡シネ・ギャラリー、浜松市浜名区のTOHOシネマズ サンストリート浜北、磐田市のTOHOシネマズららぽーと磐田、清水町のシネプラザサントムーンで6月21日から上映中のアレクサンダー・ペイン監督「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」。2024年アカデミー賞で助演女優賞。
1970年、ボストン近郊の名門校を舞台に、何かと反抗的な男子生徒アンガス、生真面目な古代史教師ハナム、ベトナム戦争で息子を亡くした料理長メアリーが、望まぬ形で年末年始休暇の2週間を一緒に過ごす。丁寧なエピソードの積み重ねが、クライマックスの校長室のシーンでバチッと閃光を放つ。見事。「疑似家族」ではない関係性に胸熱。マルクス・アウレリウスの「自省録」が極めて効果的な「小道具」に使われていて大笑い。(は)