イモト驚愕!ニュージーランド3000kmロングトレイル談
イモトが、ロングトレイルで3000キロ踏破したリスナーさんの話に驚愕! 先日、イモトがウルトラライトハイクに興味を持ち始めたことをラジオでトークしたところ、ロングトレイル経験のあるリスナーさんからメール投稿。電話を繋ぎ、イモトは「テント泊はどれくらい?」「リュックや靴はどこの?」「1日何キロ歩く?」の質問攻め!
イモト驚愕!ニュージーランド3000kmロングトレイル談
ロングトレイル
イモト:私がラジオでいつもいろんな話をさせてもらって、いろんなリスナーさんから反響ももらっていて。例えば、私がキャンプにハマってる話をしたときは、キャンプ場の管理人さんからメールが届いて。それがきっかけで「すっぴんしゃん」初のキャンプロケに行ったり。あと、フレスコボールの日本代表選手の宮山さんが「すっぴんしゃん」リスナーで番組にメールが届いてことがきっかけでスタジオにも来ていただいてフレスコボールを体験させていただいて。そうやって、私がラジオで発信したことがきっかけでいろんなご縁が生まれていて。
イモト:で、先日の放送で私が最近ウルトラライトハイクというすごく軽い荷物でハイキングをするという本にハマっていて。山と道というメーカーの短パンとリュックを買ったよという話をラジオでもしたんですけど。今回もまた、そのウルトラライトハイクの話を聞いたというリスナーさんから、すごいメールが届きまして。
イモト:ラジオネーム「山の小人」さん、32歳の方からのメールです。
イモトさん、こんにちは! いつも楽しく拝聴しています!先日の「ウルトラライトハイキング」のお話を聞き、
「イモトさんがついに!」と興奮し、初めてメールを送らせていただきました。私は学生の頃、「ロングトレイル」にハマって以降、海外や日本をいろいろ歩きました。一番長いもので、ニュージーランドの「テ・アラロア」3000kmを4ヶ月かけて踏破しました。超ワイルドです。「足るを知る」の精神で、野生的に歩くのも面白いですが、
「ロングトレイル」の魅力は、"人との出会いと優しさ"だと思います。精神的に追い詰められている中で、
現地の人や他のハイカーから受ける優しさは涙もの。自分も人に優しくできる人間になろうと強く思い、優しさの連鎖が起こります。どんなに辛くても人生の宝物を探しに、また歩いてしまう。いわば、中毒です。アメリカのトレイルはまだ歩いていませんが、ぜひ、イモトさんのお話を聞いてみたいです!日本にウルトラライトハイキングを広めた方のお店「ハイカーズデポ」が三鷹にあるので、ご興味があればぜひ!
イモト:すごい! ニュージランドを3000キロ歩いたんだ! 4ヶ月! 私、興味がある~!って軽はずみな発言しちゃったかな。まだ本を読んでリュックと短パンを買っただけなんですけど(笑)。実際にロングトレイルをやった人ですもんね! ニュージーランドは何回も行ったことがあって、すごく好きで、住みたい!と思ってるほど。歩くとまた違うんだろうな。3000キロって日本列島を縦に行くくらいだもんね。
イモト:山の小人さんのメールにある、三鷹にある「ハイカーズデポ」のオーナーさんが私が読んだウルトラライトハイキングという本を書かれた人なんですよ! お店のことはもちろん知っていました! 私、行こうと思ってます! 日本にウルトラライトハイクを広めた方なんですよね。
イモト:山の小人さんとお電話が繋がっているんですよ、もしもし~!
山の小人さん:初めまして、「山の小人」と申します!
イモト:え、女性~!?
山の小人さん:はい(笑)。
イモト:意外! ゴリゴリのマッチョな男性を想像してました!
山の小人さん:そうですか(笑)。
イモト:ニュージーランドを3000キロ歩いたのは、いつくらいの話なんですか?
山の小人さん:去年2023年の12月から歩き始めて、4月に帰国しました。
イモト:つい最近ですね。年越しはニュージーランドですか?
山の小人さん:はい、クリスマスも全部。
イモト:12月から4月を選ばれたのは、気温ですか?
山の小人さん:そうですね、その時期はニュージランドは夏から秋になるのでベストシーズンを選んで歩きました。
イモト:ニュージーランドは北島・南島があるじゃないですか、この「テ・アラロア」はどっちなんですか?
山の小人さん:両方ですね。最北端のケープ・レインガから最南端のブラフという町をつなぐ道になっています。
イモト:島と島の間は海ですよね?
山の小人さん:そこはフェリーで渡って。
イモト:ほんと、ニュージーランドを上から下まで横断したということですね! すごい! ロングトレイルを始めるきっかけは?
山の小人さん:大学生の頃、バックパッカーに興味があって1ヶ月くらい海外を放浪したくて。みんなが行くようなアジアはヤだなと思って、スペインにある巡礼路のロングトレイルを見つけてノリと勢いで行ってみました。
イモト:一人で行かれたんですか?
山の小人さん:はい。
イモト:すご! 言葉はわかっていたんですか?
山の小人さん:基本、英語だったので、それならなんとかなるかなって。
イモト:すごい行動力! 一人って不安はなかったですか?
山の小人さん:大学生の頃だったので、ほんとノリでしたね。もともと楽観主義というのもあると思います。若気の至りみたいな感じで。
イモト:その後も20代の頃はロングトレイルをされたんですか?
山の小人さん:社会人になってからは時間が取れなかったんですけど、学生の間は日本のロングトレイルを歩いて。
イモト:日本にもあるんだ。で、これまでで一番長いニュージーランド3000キロ歩こうと思ったきっかけは?
山の小人さん:スペインのロングトレイルを歩いた後に、世界のロングトレイルを調べていた時にニュージーランドのことを知って。日本と同じように四季がある国でどういう所なんだろうと興味を持ちました。
イモト:今、山の小人さんのインスタグラムで、実際にニュージーランドに行かれた時の写真を拝見しているんですけど、そこに持って行かれたバックパックの写真があって。めちゃくちゃ小さくないですか? これで4ヶ月も?というくらい。
山の小人さん:これは45リットルです。
イモト:私も登山のお仕事で、テント泊だと60リットルくらいのバックパックを背負うんですけど、45リットルで4ヶ月ってすごくないですか?
山の小人さん:一番小さいものだと30リットルくらいで歩いている人もいて。
イモト:ええ!? 30リットル!? ウルトラライトってすげー! 普段デイパックで使ってるよ!
山の小人さん:そうですね、ほんとにそんな感じで。
イモト:じゃあ、容量は少ないけど、重さがめっちゃ重いとかですか?
山の小人さん:私は食料と水が無しで7Kgだったんですけど、軽い人は5kgいかないくらい人もいますね。
イモト:おお! ちょっと待って! “足るを知る”過ぎるな!
山の小人さん:場所によっては、食料を10日分背負わなけれいけない所もあるので、そういう所だとマックス18kgとかになりますね。
イモト:私が調べていて思うのが、4ヶ月歩いていて、4ヶ月毎日がテント泊ではない? ホテルに泊まる日もあるんですか?
山の小人さん:そうですね、充電しなければいけないので。キャンプ場にコンセントがある場合もあるんですけど、たまに体を休めるためにゲストハウスみたいな所に泊まったりはしてました。
イモト:それは、4ヶ月のうち、どれくらいゲストハウスに泊まるんですか?
山の小人さん:基本はテント泊なので、1~2週間に1回とかですかね。あとはキャンプ場とテントに野宿という感じで。
イモト:洗濯はどうしているんですか?
山の小人さん:手洗いとか。2週間に1回くらいキャンプ場の洗濯機を使ったり。基本は手洗いで済ませてました。
イモト:じゃあ、これだけ荷物が少ないということは、基本的にはずっと同じものを着ているわけですよね?
山の小人さん:そうですね、1週間くらいは普通に着ていますね。気になったら、沢で水洗いしたり。
イモト:沢で水洗い! ワイルド~! ニュージーランドは雨も降ったりしますよね?
山の小人さん:ニュージーランドは雨が多いですね。
イモト:そしたら濡れるじゃないですか。どうやって乾かすんだろうと思って。
山の小人さん:ああ、半乾きで歩いている時もありましたね。着ているうちに乾くだろうと(笑)。
イモト:(笑)。着ながら乾かすという。
山の小人さん:イモトさんもぜひ(笑)。
イモト:山の小人さんにとって、ロングトレイルの魅力は人との出会いということですけど?
山の小人さん:登山だと山頂を目指すことが目的になると思うんですけど、ロングトレイルだと山と町をつないで歩くので、ただの旅行や登山では見ない現地の人たちの生活を垣間見ながら歩けるのがあって。そういう人たち殿出会いがすごくおもしろいですね。
イモト:ロングトレイルは、同じ道を歩いている人はけっこういるんですか?
山の小人さん:ニュージーランドの「テ・アラロア」に関してはけっこう人気になってきているので。アメリカのロングトレイルに比べるとまだまだ少ないです。歩くスピードが同じ人とは仲間になったりします。
イモト:でも、言うても一人じゃないですか。しんどい、辛いと思う時はなかったですか?
山の小人さん:いっぱいあります(笑)。
イモト:どういう時が辛かったですか?
山の小人さん:ニュージーランドの場合は泥がすごいんですよ! 泥というか泥沼というか。道自体が日本の登山のように整備されていないので藪漕ぎがあったり。毎日が迷子みたいな感じで。GPSを見ながら歩いて。
イモト:そうか。電波はあって、GPSで行く道を調べられるんですね?
山の小人さん:GPSの機械を持つのが必須になっていて。それが無いと遭難しちゃうので。そういう道がわけわかんない所は苦しかったですね。
イモト:途中で止めようと思いませんでした?
山の小人さん:歩き続ければ何か良いことがあるというのを信じて歩いているので。もちろん、途中で止めちゃうハイカーもいますね。
イモト:そうなんだ。4ヶ月歩き続けて、ゴールをした時の気分って、どうなんですか?
山の小人さん:それが意外にあっさりしていて。落ち着いているというか(笑)。ゴールはするんですけど、終わった感じが無いというか。また次を歩きたくなっているので・・・
イモト:え、ちょっと待って! ゴールしたんだから! もう歩く所ないよ!
山の小人さん:ないんですけど(笑)。他のハイカーたちも、<次、どこのトレイルに行くの?>って話をしていて(笑)。
イモト:もう中毒ですね!
山の小人さん:はい、“終わりが始まり”みたいな。
イモト:“終わりが始まり”、かっこいい! それだけロングトレイルは惹きつけるものがあるんですね!
山の小人さん:歩いてみないとわからないというのがあると思います。
イモト:自分と向き合うみたいな?
山の小人さん:もう、自分と向き合いまくりますね!
イモト:ニュージーランド3000キロを歩いている時、食べ物は何を食べていたんですか?
山の小人さん:多いのはインスタントのラーメンとか。あと、ニュージーランドはトルティーヤの巻く料理があるので、そこにサラミやチーズやきゅうりを挟んで食べていて。もうずっとそれですね。
イモト:ガスは持って行ってないんですか?
山の小人さん:ガスバーナーは持っていきます。
イモト:それでお湯を沸かしたりして。水は、川の水を使ったりしたんですか? それかミネラルウォーターですか?
山の小人さん:基本は、川の水ですね。
イモト:え? 浄水機付きの? それに煮沸ですか?
山の小人さん:私は浄水機のみでした。
イモト:すげえ! お腹を壊さなかったですか?
山の小人さん:だいじょうぶでしたね。お腹は強い方だと思うので。
イモト:今度は、山の小人さんのインスタグラムで、川を登っている写真を見ているんですけど。
山の小人さん:ニュージーランドは川がとにかく多いんですよね。
イモト:こんな川の中をジャブジャブ歩かないといけないんですね。
山の小人さん:川を渡る機会がほんとに多くて。危険な所もあるんですね。
イモト:これを一人で?
山の小人さん:周りの人に助けられながら歩いた感じですね。
イモト:このインスタグラムにある写真が、全部素晴らしくて。
山の小人さん:ありがとうございます!
イモト:写真家のお仕事をされているんですか?
山の小人さん:違います(笑)。良い写真を残したいなと思って。ミラーレスやレンズを持って行ったので。それで荷物が重かったというのもあるんですけど。
イモト:写真にあった靴、これは“アルトラ”ですか?
山の小人さん:そうですね。
イモト:おお! 私も私も“アルトラ”を普段履きしているんですよ。“アルトラのオリンパス”ですか?
山の小人さん:“アルトラのオリンパスとローンピーク”ですね。あとはニュージーランドで買って履いたものもありますね。
イモト:一緒です! 靴は2足くらい持って行ったんですか?
山の小人さん:あとは靴は持って行ったのは1足で、ニュージーランドで3足買いましたね。
イモト:ええ!? 壊れちゃうってこと?
山の小人さん:破れちゃうので(笑)。
イモト:1日平均どれくらい歩いていたんですか?
山の小人さん:平均すると30-35キロくらいだと思います、4ヶ月なので。日によって20キロの日もあれば40キロを超える日もあって。
イモト:夜、誰もいない所で怖く無いですか?
山の小人さん:それは大丈夫ですね。
イモト:そうか、ニュージーランドは熊とか怖い動物とかいないんですよね?
山の小人さん:そうですね、危険な動物はいないので。安心です。
イモト:ロングトレイル、憧れますけど・・・今日の話はすごいな! ギアは揃えられますけど、あとは行くか行かまいかですね。
山の小人さん:勢いだと思います!
イモト:バックはどこのですか?
山の小人さん:“ヤマダパックス”さんという山形で個人でやられているメーカーさんのものです。
イモト:こういう情報は、三鷹の「ハイカーズ・デポ」さんで教わったんですか?
山の小人さん:“ヤマダパックス”さんのバックは「ハイカーズ・デポ」さんには置いてないんです。相談には行ったんですけど、私が身長が低くて自分に合う軽量のザックがほとんど無いんですね。
イモト:何センチくらいなんですか?
山の小人さん:147センチなんですよ。
イモト:ええ!? 山の小人さんのイメージが! ゴリゴリのマッチョの男性のイメージだったのが!
山の小人さん:だからザック探しが大変で。
イモト:テントはどちらのですか?
山の小人さん:私が持って行ったのが、“ゼログラムのスルーハイカー”というモデルで。毎日雨が多くて結露もあるので、テントについては軽量化をそこまで考えず快適性を重視して1kgくらいのテントを持っていきました。
イモト:じゃあ、シングルウォールではなく?
山の小人さん:ダブルにしましたね。シングルで歩いているハイカーもいるんですけど、結露でいつも寝袋がビショビショという感じで(笑)。
イモト:うわっ! 寝袋のビショビショはヤだな~! 次の日も寝袋はビショビショですよ! ずっとですよ!
山の小人さん:そうですね(笑)。軽さを取るか、快適性を取るか。
イモト:山の小人さんが今、行きたいと思っているトレイルはあるんですか?
山の小人さん:北欧のスウェーデンのクングスレーデンというロングトレイルがあって。これは一番長くて800キロで。
イモト:長いよ(笑)。先に3000キロの話を聞いちゃったからね(笑)。
山の小人さん:1週間くらいで歩けるものもあるので、そこに興味があります!
イモト:もう、ロングトレイルの沼、ですね! 山と一緒で登っても山なんていくつもあるから。どんどん踏破したくなるんだ。
山の小人さん:はい!
イモト:日本で、お手軽に出来るおすすめのトレイルはありますか?
山の小人さん:行きやすいのは“京都一周トレイル”。80キロ弱くらいで、テントを持っていなくても町に下りて泊まって、また次の日、続きを歩くということができるので。最初に歩くのにはいいかなと思います。
イモト:80キロだと頑張れば1泊でいけるってことか。
山の小人さん:1泊で歩く人はいない、、、かなりの健脚の方ですね。だいたい3泊か4泊くらいで(笑)。
イモト:そうか、“24時間マラソン”のことを思ったら行けるかと思ったけど(笑)。トレランじゃないんですもんね。京都一周といっても、お寺を巡るわけではないんですよね?
山の小人さん:京都の市街地の周りの山をつないで歩くような感じになります。
イモト:調べてみよう!
山の小人さん:日本は短めのトレイルがたくさんあるので、行きやすいかなと思います。
イモト:たしかに。海外だと長さがえぐいからね。ロングトレイル、私にも出来そうですかね?
山の小人さん:大丈夫だと思います。
イモト:ロングトレイルにおいて、一番大事なことはなんだと思いますか?
山の小人さん:日本人の方に多いかなと思うんですけど、<今日は何キロ歩こう!>とか<今日はどこまで行こう!>とかノルマを課しがちなんですよ。それやっていると楽しめなくて。“思うがまま、寄り道を楽しむ”というのがロングトレイルを楽しむためには大切かなと。
イモト:ロングトレイルで寄り道するんですね?
山の小人さん:寄り道が楽しいです!
イモト:ごめんなさい、ロングトレイルの寄り道ってなんですか(笑)!? 家の周りの寄り道はわかるんですけど(笑)。ロングトレイルにおいての寄り道とはなんですか?
山の小人さん:ニュージーランドの場合だと、いろんなトレッキングコースがあるので、トレイルから外れてコースになっていないトレッキングコースを行ってみたり。あとは、自分のお気に入りの景色を見つけた時に、<もう、今日はここでやめよう>みたいな。
イモト:素敵!
山の小人さん:そういうのを楽しまないと、ただただノルマをこなす感じになってしまうので(笑)。
イモト:そうですよね、仕事じゃないから(笑)。
山の小人さん:みんな、“何日目~”とか気にしがちなんですけど、遅い・早いは気にしないことが大事だと思います。
イモト:別にレースでもなければ、競ってもないから。自分が良いと思えばそれでいいんですよね。
山の小人さん:そうですね。
イモト:観光地を巡る旅行も楽しいですけど、その国の文化とか、そこで暮らしている人の生活とか見ないとなかなかわからないから。それがロングトレイルでは見えるんでしょうね。めちゃくちゃ興味のあるお話が聞けました! ちょっと・・・山の小人さんにガイドしてもらっていいですか?
山の小人さん:ぜひ!
(TBSラジオ『イモトアヤコのすっぴんしゃん』より抜粋)